2024.5.25(土) 君子
きのうおとといは体調に優れなかった。大きな声が出ず、素早く動くことができなかった。数時間後にはいわゆる「発熱性消耗疾患」といわれる症状により高熱を発するのではないか、という予感がからだにあった。しかし熱は遂に出なかった。そこまで疲れているわけでもない、ということだったのだろうか。
今日は一転して体調が良くなった。長く眠ったことによる快復かも知れない。それでもここ数年、更にここ数週間は、からだの変化を大きく感じる。
「私より速く走れるか」と、孫のリコより数週間前に挑発めいた質問をされた。短距離走には自信がある。「小学2年生に負けるわけがない」と僕は答えた。しかし今となっては、その確信もゆらぎがちである。
「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」は、芭蕉の最後の句と言われる。むかしの旅は長かったから、そのあいだに徐々に衰える、ということはあっただろう。しかし客死は今も決して珍しくない。「オレも重々、気をつけなくてはいけないわな」と考えても、まさか死ぬと分かって旅に出る人はいないのだから、どうにもならないのだ。
もうひとつ、僕には好んで危険に近づいていくようなところがある。危うきには敢えて近づかない君子でもない。そのあたりについては、気をつけようと思えば気をつけられると思う。
朝飯 パッガパオガイ、生玉子、納豆、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布とズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「食堂ニジコ」のキュウリの辛子和え、ピータン、エビ春雨丼のあたまだけ、冷やし中華、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)、家に帰ってからのエクレア、Old Parr(生)
2024.5.24(金) 夢遊病者
眼科と歯科の定期検診のため、今月の13日と14日は会社を留守にした。眼科は大宮、歯科は大井町のため、1日では回りきれないのだ。その数日前に、公のお金と記憶していたけれど、3葉の振込用紙が届いた。金額は計10万円弱。払込期限は今月末だった。よって「振込は帰ってからでも充分に間に合うわな」と、事務机の左手に提げたカレンダーに洗濯ばさみでだったか、そこから少し離れたホワイトボードに磁石でだったか、とにかくまとめて保存した。
その3葉の振込用紙が見あたらない。公のお金と記憶したそれは、電気料だっただろうか、それとも通信に関わるものだっただろうか。督促状が来れば、それが何の支払いだったかは分かる。「しかし…」である。
そうして数日が経った今朝、それらが自動車税だったことをようやく思い出した。月末までに残された日数は1週間。振込用紙はいまだに見つからない。
枯渇した釣銭を作るため、朝一番で銀行へ行く。その帰りに市役所へ寄る。2階の税務課まではエレベータではなく、階段で上っていく。係によれば、登録してあるクルマが軽自動車でない場合には、管轄は鹿沼市の県税事務所になるとのことだった。とすればそこに問い合わせて納税通知書を再発行してもらう手、だろうか。営業外費用の中でも特に、僕は延滞利子を嫌う。新しい振込用紙はいつ届くだろう。
帰社して念のため、小口現金の、今月の出金を調べてみた。すると3台分の自動車税は果たして、今月10日に振り込みが完了していた。しかもその記帳は僕の手書きによるものだった。「マジすか」である。
僕は毎日を、夢遊病者のようにして過ごしているのだろうか。とにかく税金は支払われていて良かった。延滞金の利息はことのほか高いのだ。それよりもなによりも、気分がすっきりして良かった。
朝飯 パッガパオガイ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、蕪と胡瓜のぬか漬け、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと揚げ湯波と若布の味噌汁
昼飯 納豆素麺
晩飯 ジーマミー豆腐、トマトとキウィのサラダ、刻みキャベツを添えた3種のフライ、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、「久埜」のかしわ餅、TIO PEPE
2024.5.23(木) 夏めくとは
まことに良い天気が続いている。しかし気温は相変わらず半袖のポロシャツ1枚では肌寒く、それに長袖のTシャツを重ねると暑い、というあたりを上下している。昼は素麺ではなく温かいにゅうめんでも汗はかかない。きのうおとといの焼酎は、お湯割りにした。一体全体、夏はいつ来るのだろう。
「夏めく」と検索エンジンに入れてみる。現れたページの上の方には「立夏が過ぎて、夏らしくなったことを実感するころ」とあった。確かに僕の感じでも夏らしくはなった。しかし当然のことではあるけれど、真性の夏ではない。
30℃くらいの気温は、いまだ面白くない。そこから3、4℃ほども上がってくれると気持ちが華やいでくる。温かく、気持ちが良い。直射日光の下は流石に辛いものの、日陰に入ればどうということもない。
テレビの長期予報によれば、今年の夏は暑さが厳しいという。その暑さができるだけ長く続くことを、僕は望んでいる。
2日つづけて外食をしたら、何だか疲れた。よって夜の食事は簡単に済ませて早々に寝る。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、生玉子、蕪のぬか漬け、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布とズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 穴子の佃煮と2種のチーズ、TIO PEPE、サンドイッチ、Chablis Billaud Simon 2018
2024.5.22(水) とりあえず
先週の土曜日の日記に書いた「僥倖」は意外に早く訪れた。きのうは20時より前に寝た。すると今朝は1時台に目が覚め、おなじ1時台のうちに起きて食堂に来ることができたのだ。「めでたし」である。
これだけ時間の余裕があれば、旅行に持参する薬の確認や準備に先んじて日記に手が着けられる。既に書けいていたおとといの日記に画像を加えて「公開」ボタンをクリックする。引き続いて、きのうの日記も書いてしまう。
さて旅の荷物のうちの薬について。医師や薬剤師は推奨しないかも知れないが、過去に喉を腫らしたり熱を出したりしたとき処方された薬の残りを、先ずは調べる。重複するものがあれば、古い順に覚え書きを記す。2014年にタイ最北部の温泉で転倒し、背中の肉が直径1センチメートルほどえぐれたときには、バンドエイドは小さなものしか持っていなくて難渋した。以降は大きめのものを10枚、指先用の小さなものは12枚を持つことにしている。
消化薬の世話になることはこれまでほとんど無かったものの、日数分の10包を用意する。整腸剤は目分量。口内炎にかかったときのことを考えて、ビタミンB群は60錠を小袋に入れる。日焼けに対処するためのビタミンCは、羽田空港のキヨスクで売っているから心配は無い。蚊に刺されたときの痒みには萬金油が効く。洗口液は現地のコンビニエンスストアで買えるものの、前半に滞在するところは人家もまばらなため、小さな瓶を満杯にする。
用意すべき薬はまだまだあるが、それらを旅行用品屋、登山用品屋、またウェブ上でよく目にするところの、ファーストエイド用の赤いポーチに入れることはしない。内部が細かく区切られた、いかにも便利そうな専用の道具は、僕には逆に不便なのだ。旅行用の薬はいつも、ジップロックの袋に入れている。
さて、薬だけで「やれやれ」というわけには勿論、いかない。その他のものについては次の僥倖を待つまでもなく、日々、すこしずつ整えていくこととする。
朝飯 トマトと菠薐草とウインナーソーセージのソテー、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、マカロニサラダ、蕪のぬか漬け、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布とズッキーニの味噌汁
昼飯 梅干、揚げ玉、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、蕪のぬか漬けによるお茶漬け
晩飯 「食堂ニジコ」のキュウリの辛子和え、ピータン、チャーハン、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)
2024.5.21(火) 恐るべし
朝、目を覚ますと両の鼻孔はきのうまでとは打って変わって、何の問題もなく通っていた。いまだ一度しか服用していないにも関わらず、専門医の処方による薬の効き目、恐るべし。水原一平のギャンブル中毒ではないけれど、点鼻薬とはこのまま縁が切れたらと、強く感じる。
さて5月もいよいよ佳境に入ってきた。空は晴れ、夏雲が湧き、気温は数値こそ高いものの、空気が乾いているせいか、半袖シャツ1枚では寒く、しかし長袖のTシャツを重ねると暑い、というあたりを保っている。だったら薄い長袖シャツ1枚にしたらどうかと問われれば、その手の襟付きのシャツは洗濯後にアイロンが必要となるから、毎日の手間が大変なのだ。
記憶に残る限り、シャツに自分でアイロンをかけたのは昨年の4月が最後ではなかったか。長く箪笥に寝かせてあった、生地はシアサッカー、模様は赤と白の格子の半袖シャツを、タイで着るため皺を伸ばしたのだ。
整理整頓に関する文章に「どのような服が何着あるかを常に把握しておくべし」という一節があって「なるほど」と膝を打った。赤と白の格子のシャツを、僕は3着も持っている。白無地のシャツとなるとその数は知れず「いけないな」と反省をする。
高等学校に上がって寮に入った。箪笥は周囲を見て、3段の引き出しを持つ、しかし茶箱より小さなものを買った。礼服を除けば、個人の服は、それほどの箪笥に収まるほどにすべきと思う。それ以上を持っても、どうせ着ないのだから。
朝飯 グリーンアスパラガスのソテーを添えたスクランブルドエッグ、牛蒡と人参のきんぴら、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、胡瓜と蕪のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 納豆素麺
晩飯 「やまだ宴楽」のお通しのメヒカリの素揚げ、刺身の盛り合わせ、揚げ出し豆腐、他あれこれ、芋焼酎「三岳」(お湯割り)
2024.5.20(月) はじめて耳にする病名
子供のころアトピー性皮膚炎に悩まされたアレルギー体質でも、花粉症とは無縁だった。そのことを周囲に自慢さえしていた。ところがたしか1999年の春、強風の日に森の中にいて、一発で花粉症になった。もっとも以降の症状は軽いもので、数年前、ひどく涙の出る日に抗アレルギー性の目薬を頻繁に差したくらいしか、特に記憶に残ることはない。
それが今年はどうしたことか、春先から鼻が頻繁に詰まる。それが5月になっても収まらないと「杉の時期はもう終わったから、檜の花粉だね」と断じた人がいた。しかし別の人は「それがそのうち通年になっちゃうんだよ」と、自分の経験を振り返ってのものか、気になることを言った。
朝、目を覚ましたときにはかならず両方の鼻が詰まって、口で息をしている。起きると即、何十年も手放せずにいる抗アレルギー性の点鼻薬を両の鼻に噴霧する。その回数がこのところはとみに多くなってきた。鼻の奥にようやく緩んだ気配を感じると鼻をかみ、するとしばらくは楽になる。そしてまた、鼻は詰まる。
きのうあたりからは、身をかがめて頭の位置を低くすると、左の頬が重くなるようになった。「これはことによると」と、スマートフォンのGoogleに「蓄膿症 症状」と入れてみる。
午後、耳鼻科のセキネクリニックへ行く。内視鏡による診察では、特に左側で鼻炎が顕著と判断され、とりあえず1週間分の薬を処方された。先生の口からは「点鼻薬性鼻炎」という言葉も聞かれた。20年ほども前より一度に5本、6本と買い溜めて使い続けている点鼻薬とは、完全に切れる必要があるだろうか。「知らなかったー」である。
朝飯 マカロニサラダ、菠薐草のソテー、トマトのスクランブルドエッグ、コールスロー、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、若布と茗荷の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 ソーミンチャンプルー、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2024.5.19(日) 小体で小粋
20年ほども前のことだったと思う。神保町の串焼き屋で、目の前のガラスケースに並ぶ、美しく整った肉や野菜の中から幾種類かを選んで焼いてもらった。そのうち特に面白く感じたひと品の名を問うと「私も鬼畜米英の時代の育ちだもんでね、何と言ったか…」とあるじは苦笑いをした。僕は芋焼酎に酔った脳の奥底を賢明に探し「そう、ズッキーニ」と、遂にその名を思い出した。
本日の日本経済新聞朝刊第一面の、もっとも大きな見出しは「重くなるEV 環境に重荷」だった。EV車を持とうとする人たちの最も大きな関心は航続距離にある。それを延ばそうとすれば、より大きなバッテリーを積むこととなり、車体の大きさや重量は必然的に増す。それが結果として環境に大きな負荷をかけるというのだ。また日本自動車工業会の調べによれば、SUVの人気の高まりなどにより、ガソリン車も大型化の一途を辿っているという。
1960年代の英国車でご来店になるお客様が複数いらっしゃる。それぞれのクルマはおしなべて小さく小粋で、今は亡い自動車修復家バンノーセーイチさんの表現を借りれば「小股の切れ上がった」となること必定である。いま新車で買える中に、そのようなクルマがあるだろうか。
運転席に乗り込むなり「〇〇様、おはようございます」などと挨拶をしてくるクルマがある。まるでスケッチブックのように巨大なディスプレイを備えたクルマもある。「自動車のスマートフォン化」ともなれば、鬼畜米英の時代に育ったわけではない僕も「隔世の感」以上の時代の変化を覚えざるを得ない。
SUVは勿論のこと、今のクルマを自分用のそれとして持つことは、死ぬまでないだろう。クルマは小体で小粋な個体が好きだ。
朝飯 コールスロー、ウインナーソーセージのソテーを添えたスクランブルドエッグ、納豆、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 レタスとキウィと鶏肉のサラダ、シェパードパイ、パン、2種のチーズ、バンブー
2024.5.18(土) 僥倖への期待
事務机の左手に掛けたカレンダーには、すべきことや覚え書きが記してある。それらの文字は、会社のことはピンクの、公のことは黄色の、個人のことは緑色の蛍光マーカーで、それぞれなぞられている。前の製造部長フクダナオブミさんはあるときそれを目にして「いやっ、どうも、忙しいですね」と驚いてみせた。しかしそれは彼の性格の良さによるもので、別段、仕事のことばかりが書かれているわけでもない。
来週22日から再来週28日にかけては柏高島屋での出張販売があって、僕は長男がいないあいだの留守を守る。月があらたまると1日は、今年亡くなった同級生を悼む同窓会。その日のうちに帰宅をして翌2日は仕事。閉店後は羽田空港を目指す。
今回のタイ行きは荷物が多い。”TR”という名のフォルダには、これまでやこれからの旅程をはじめ、注意すべきことや持ち物の一覧が収めてある。増えたり減ったりする持ち物の一覧には、現在は147点があった。僕は旅先でも、特にシャツはいつもの仕事着を身につける。仕事着であれば、今から荷作りはできない。早くから確認のできる第一は薬で、その点数は約30。
海外の、知る人もいない、特に田舎で具合を悪くしたときには薬だけが頼りだ。サレワのサブアタックザックを背負って南の国を歩いていた1980年代にも、薬だけは多種、多量に持っていた。時にはそれを、困っている人に分けることもあった。
早寝早起きとはいえ、目を覚ます時間にはバラツキがある、これから1週間、10日のあいだに2時台に目を覚ますなどの僥倖があれば、その未明は薬の準備に充てようと思う。
朝飯 トマトサラダ、胡瓜と蕪のぬか漬け、生玉子、納豆、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と若布と茗荷の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 2種のチーズ、バンブー、2種のパン、シェパードパイ、Chablis Billaud Simon 2018、エクレア、Old Parr(生)
2024.5.17(金) 先ずすべきは
自動車が関係する催しを見物をするため、夜を徹して数百キロメートルほども離れたところへ行こうとしている。周囲にはおなじ場所を目指すクルマがたくさん集まっている。中にはコンラン卿による写真集”small spaces”に出てきそうな、極小ではあるものの、人が横になって寝られるキャンピングトレーラーを牽いた車両もある。
キャンピングトレーラーからの連想なのか、そのクルマの集団に救急車が進入してきて、ストレッチャーに載せられた白髪の老人を降ろそうとしている。見れば近所に住む、長く教育に携わってきた先生だ。その先生を、ストレッチャーに寝かされたまま、町内の人たちと協力して、ご自宅までお送りする。
老人からの連想なのか、学校の大先輩が僕の目の前に現れ、自分の同級生について語り始める。その同級生の職業は画家で、子供は娘3人の下に男ひとりの4人だったから、彼らの幼少期には、家の中はなかなか勇ましい有様だったという。
そういう、時間にすれば短かったのかも知れないけれど、文字にすれば長くなる夢を観ながら目を覚ます。北西に面した窓のカーテンが紅く染まっている。時刻は4時15分だった。
起きて仏壇のことを済ませ、食堂のテーブルにコンピュータを開く。更に日記を作成するためのワードプレスを開こうとして「おいおい、先ずすべきはメールのチェックだろ」と、もうひとりの自分が呆れた顔で僕を戒める。右手の窓に目を移せば、そろそろ日が昇ろうとしている。よって「それより先にすべきは空の写真だろ」と席を立ち、廊下に出て階段室の鍵を開ける。
朝飯 グリーンアスパラガスのソテーを添えたイタリア風の目玉焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、牛蒡と人参のきんぴら、胡瓜と蕪のぬか漬け、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「大昌園」のあれや、これや、それや、他あれこれ、麦焼酎「田苑シルバー」(オンザロックス)
2024.5.16(木) 思わず声が出る
本はほとんど古書でしか買わない。本は、増補や改訂が行われない限り、内容は変わらない。ならば安い方が良いと考えるからだ。同級生が小説集を出したときも、僕は古書で買った。「それでは著者には一銭も入らないではないか」と呆れた別の同級生がいた。「そう言われてみれば」と気づいたものの、やはり本は、ほとんど古書でしか買わない。
今日もamazonに店を出している古書店から本が届いた。封筒を開け、中味を取り出し、事務室を出る。そして通路を歩きながらその本を開いて「あらー」と思わず声が出る。「どうしたんですか」と、ちょうど横にいた販売係のサイトーミホコさんが問う。「いやー、これはちょっと」とのみ答えて、後は濁した。
その本は、カバーや帯のついた外観は新品同様だったものの、ほとんどのページに鉛筆による傍線があった。中には全19行のうち16行の上から下まで傍線を引いた上、そこに出てくるすべての人名を丸で囲んだページもある。「大丈夫か、コイツ」と思う。
傍線を引きつつ本を読む癖のある人に対しては、勝手な想像ではあるけれど「ひとこと物申したい性格の、文化人を自認する老人」という人物像がある。今回の本は、読もうとしても、ほぼすべてのページにおいて、その人物が頭に浮かぶだろうから、とてもではないけれど、読めたものではない。買い直し決定、である。
朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、ズッキーニのソテーを添えた目玉焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとキウィのサラダ、スパゲティミートソース、Chablis Billaud Simon 2018、パイナップルケーキ、Old Parr(生)