2024.8.2(金) おしなべて
実務の役に立たない活字は読めない、という人がいる。教科書、教則本、取扱説明書は読めても小説のたぐいは読めないのだという。僕は逆に、役に立つ本は読めない。正確に言えば、実務の役に立てることを目的として活字に向かうと、脳が「理解の扉」を閉じてしまうのだ。特に読めないのは取扱説明書で、だから家の空気調整器にはタイマーの機能があるものの、そしてそれはかなり便利なものと分かっていても、いまだに使ったことはない。
オートバイは通常、右手でスロットルと前ブレーキ、左手でクラッチ、右足で後ブレーキ、左足で変速機を操作する。だからその操縦はドラムの演奏に似て複雑な仕事になる。しかし僕はそれを取扱説明書により、ではなく、中学生時代にからだで、それも一瞬で会得したから苦労は無かった。
オートバイはホンダのTLR200を30年ほど前に手に入れた。最後に乗ったのは20年ほども前のことで、以降はほとんど手を触れないまま税金のみを払い続けている。廃車にしてしまえば良さそうなものの、面倒が先に立って、いまだ行動を起こせずにいる。
店の前の国道119号線や121号線を行き来するオートバイには、50年も前のものが珍しくない。50年前のクルマと今のクルマを乗りくらべてみれば、その差は歴然としている。オートバイもまた、おなじなのだろうか。それを訊きたい気持ちはやまやまながら、周囲のオートバイ乗りはおしなべて50年ほど前に開発されたオートバイに乗っているから、訊いても仕方が無いかも知れない。
朝飯 スペイン風目玉焼き、大根おろしを添えた納豆、刻みオクラの鰹節かけ、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 納豆と胡麻のつゆの素麺
晩飯 ベビーリーフのサラダ、隠元豆のソテーとたまり漬によるソースを添えたビーフステーキ、チーズ、CHATEAU LAGRANGE 2005
2024.8.1(木) 素足に雪駄
僕の使っているデータベースソフトは仕事が速い。その代わり、ひとつ間違えると、大量のデータも一瞬で消してしまう。ソフト側は、僕が打ち込んだコマンドを受けて、これから何をしようとしているかを文字で知らせる。しかし当方は慣れもあって、それには目もくれず、あらぬ方向へ注意を向けたままエンターキーを叩いてしまう。それで今朝も3枚ほどのファイルを飛ばした。
今年の3月、アメリカの大きな金融機関が、これから1年間のドル円相場を四半期ごとに予想した。そのメモも、飛ばしたファイルの中にあった。あやふやな記憶をたぐり寄せてみれば、6月が155円、9月が150円、12月が145円で来春3月が140円だっただろうか。失ったデータは他にも数十件はあったものの、いずれも単純な興味として記録をしたものだから、雲散霧消しても大して痛痒は無い。
「日本の株も随分と安くなりましたので」と、証券会社の人が営業に来たのは先月26日のことだっただろうか。「随分と安く」なったとはいえ、どこまで下げるかは神のみぞ知るところだ。時代の転換点にもっとも強いのは、素足に雪駄を履き、耳に百円玉を入れて「どうでもいいから飲もー」と微笑んでいる人かも知れない。
朝飯 鮭の焼きほぐし、小松菜のおひたし、トマトサラダ、納豆、胡瓜と蕪のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトサラダ、枝豆、トウモロコシのソテー、ブロッコリーのソテー、和風ハンバーグステーキ、麦焼酎「こいむぎやわらか」(ソーダ割り)、西瓜
2024.7.31(水) すべての子供は
早朝に天気が良ければ、しばしば屋上に上がる。そして微風に吹かれる。夏の朝の空は、ことに美しい。しかし「東京物語」で笠智衆の歎賞したような夜明けには、ひと夏で何度も出会えないような気がする。尾道の高台から海と街を眺めつつ「今日も暑うなるぞ」と、笠智衆はつぶやく。そのころの暑さにくらべて、今の暑さは気温にして10℃は高いのではないか。きのう県南の佐野市では41℃を記録したという。
日中、両親と3人のお子さんがお客様として店に入っていらっしゃる。長男は活発らしく、外へ出て犬走りを右へ左へと走っている。一方、次男は書籍部の棚から児童書を取り出し、しゃがんでそれを読み始める。その姿勢に疲れると、本を持ったままお客様がお茶をお飲みになるベンチに移動し、ふたたび本を開いた。本は売りものである。一方、子供のページを繰る手は丁寧でない。内心おだやかではないものの、本の好きな子供にそれを中断させることも気の毒に思われ、しばらくは黙っている。「買って差し上げたらいかがですか」とご両親に進言するのも、なにやら押しつけがましく感じられる。しかし遂にご両親にはその本が売りものであることをお伝えし、子供さんには注意を促していただく。
夕刻ちかくに、これまた両親と3人のお子さんが、お客様として店に入っていらっしゃる。らっきょうのたまり漬の試食をお勧めすると、お父さんのみがそれをお取りになった。長女と弟はお母さんと一緒に店の中を歩きはじめる。次女のみがお父さんを追って、休憩場所の方へと歩いて行く。
その、小学4年生くらいの次女にも、らっきょうの試食を勧める。女の子はすこし躊躇った後、それを受け取った。「チャレンジだね」と、僕は声をかけた。
会計をされようとしているお母さんの側に、先ほどらっきょうのたまり漬を試食した女の子が立っている。女の子の視線はどうも、僕に向いている気がする。しかし僕は、キャッシュレジスターのディスプレイを人差し指でタップすることに神経を注いでいる。女の子は家族と共に店を出ようとしながら僕を振り向いて手を振った。即、僕も手を振り返す。
すべての子供は幸せになるべき。そしてできるだけ長生きをして欲しい。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、茄子の揚げびたし、トマトサラダ、鮭の親子漬け、水茄子のぬか漬け、メシ、若布と小松菜の味噌汁
昼飯 生玉子と胡麻のつゆの素麺
晩飯 手巻き鮨、「小林酒造」の「鳳凰美田剱」(冷や)
2024.7.30(火) 夏であれば
早朝、4階の南東に面した窓と、北西に面した窓を開け放っても、食堂に風は通らない。しかし冷房をかけるほどの蒸し暑さでもない。試みにシャツを脱ぎ、上半身はだかの状態でコンピュータに向かってみる。とても気持ちが良い。
6時30分に家内が来て、なぜ裸でいるのかと訊く。シャツを着て冷房を入れれば良いではないかという。僕としては、夏の朝の空気を楽しみたかったのだ。9月も彼岸を過ぎれば秋風が吹く。それまであと2ヶ月。貴重な夏、である。
と、ここまで書いて「空気ということばにもいろいろな意味があるな」と考える。上記の「空気」は肌に感じる物理的なものだ。動植物が呼吸をするためのそれも物理的なものだろう。山本七平の「空気の研究」の「空気」は、また別のものだ。それとはまた別の「空気」を感じたのは、インドのヴァラナシで、だった。夜、郊外のひとけの無い道を歩きながら感じた空気は、まるでゼライスの海を泳いでいるような濃さだった。「なぜタイばかりへ行くのですか」と訊かれると「あの国の空気はユルいんですよ」と答える。この場合の「空気」は、またまた別のものだ。
日記の文章部分は書けていても、最上部に置く画像を用意できないために更新ができない、ということがしばしばある。このところは空のそれが続いている。夏の空、夏の雲が好きなのだ。「夏であれば、すべてよし」というところが、僕には、ある。
朝飯 鮭の昆布巻、納豆、小松菜の胡麻和え、牛蒡と人参のきんぴら、らっきょうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、蕪と胡瓜のぬか漬け、メシ、オクラと若布の味噌汁
昼飯 揚げだし茄子と胡麻ののつゆの素麺
晩飯 トマトと玉葱のサラダ、パン、スパゲティミートソース、チーズ、Chablis Billaud Simon 2018
2024.7.29(月) ところのもの
「しばしばするところのもの」という、これは文節なのか、それより長い単位なのかは分かりかねるが、とにかく一昨日の日記には、その文字の連なりがある。僕が中学生のころ、関係代名詞を含む英文の和訳には上記の「ところの」という、聞き覚えのない表現がかならず用いられた。今はどうなのだろう。
試みに”the pen which I use everyday.”とGoogle翻訳に入れてみる。「私が毎日使っているペン。」と、たちどころにその和訳が現れる。「私が毎日使っているところのペン」とはならない。ということは、英語の教師が使っていた「ところの」とは、そのころの教育に限られたものだったのだろうか。
自分の旅の最中の英語を思い出してみれば、関係代名詞は見事に使わない。本来であればそれを入れるべきところでも、面倒だから飛ばして話す。それで通じてしまうのだから、仕方が無い。
神保町の岩波ビルの上階にあった英会話学校に通っていた20歳のころのこと。エレベータに乗ると、英国人の講師ふたりが”eny”を使うべきところに”some”を用いていて、いささか驚いた。驚いたとはいえ僕は楽な道へとは進まず、その後も”some”と”any”は使い分けている。あるいは上記のふたりは英語を母語とする人にのみ共通する感覚で、自然と”some”を選んだのかも知れない。
数年前までは、英語やタイ語の教則本を買うこともあった。しかしいずれも8、9ページから先へは進めないまま本棚の肥やしになっている。
脳の中に、英語の単語や表現は、もはや増えない。タイ語はいまだ、すこしは入る。入れないことには、特に田舎においては、行きたいところへ行けない、食べたいものを食べられない、ということが起きるのだ。
朝飯 茄子の揚げびたし、隠元豆の鰹節かけ、納豆、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と若布の味噌汁
昼飯 揚げだし茄子のつゆの素麺
晩飯 隠元豆の胡麻和え、南瓜の甘煮、茄子の揚げびたし、牛蒡と人参のきんぴら、ミートローフとピーマンのソテー、メシ、梅干、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん}、「小林酒造」の「鳳凰美田剱」(冷や)
2024.7.28(日) 盆カレー
「汁飯香の店 隠居うわさわ」へのご予約が、ぐるなび経由で入っている。ご返事をお送りするに当たっては、重複予約を防ぐため、事務室の壁に貼った一覧表を参照する必要がある。問題がなければ当該のご予約をその表に記す。そのため1階へ降りる。
通路に置いた棚の資源ゴミが目につく。事務室の裏の段ボール箱から専用の袋を引き抜き、それにゴミをまとめて外へ出す。そうして4階へ戻り、きのうの夜には準備できなかった味噌汁の出汁を引くことを始める。昆布はいまだ在庫がある。しかし煮干しはきのう払底したことを忘れていた。よってふたたび1階へ降り、冷蔵庫からあらたな煮干しひと袋を取り出して4階へ戻る。
昆布のみ入れられているミルクパンに開けたばかりの袋から煮干し1匹をつまみ出して入れ、水も300ccを入れる。そして食卓へ戻ると、そもそも最初に必要とした隠居の予約表を、いまだ事務室から持って来ていなかったことに気づく。そして三たびエレベータに乗る。こういう二度足三度足を、僕は日に何度もやらかす。
毎週の土日月に営業する隠居は、きのう、今日、明日と満席。来月は3日の土曜日がほぼ満席。10日の土曜日もほぼ満席。お盆には季節のおかずのひとつとしてカレーも用意すると家内は言っている。そのお盆とは、いつからいつまでを想定しているのだろう。僕もひとりの客として食べてみたいところではあるけれど、お盆は本店も繁忙につき、実現不可能な妄想ではある。
朝飯 トマトのスクランブルドエッグ、納豆、茄子の揚げびたし、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と玉葱の味噌汁
昼飯 揚げだし茄子のつゆの素麺
晩飯 スパゲティナポリタン、Chateau Tour Haut-Caussan 1993
2024.7.27(土) 驟雨
枕頭にiPhoneはなかったから、現在時刻は分からない。起きて服を着て顔を洗う。洗面所の電波時計は2時53分を差していた。極端な早寝早起きによる昼夜逆転は、僕のしばしばするところのものである。
仏壇のことを済ませてから食堂の卓上にコンピュータを開き、きのうの日記を書こうとすると、果たしてそれはきのうの朝に書き終えていた。その日の日記をその日の朝に書き終えてしまうと、当然のことながら、その後に起きたことは書けない。その、きのうの「その後に起きたこと」を以下に記す。
未知の人ではあるが、とても魅力的なポシェットを身につけていたたため、思わず呼び止めて、そのブランドの名を訊いたことある。場所は新大阪駅の、プラットフォームからコンコースに降りる階段の途中。時期はこの日記では遡れないところからして、2000年より前になるだろう。
きのうはそのとき以来の、おなじことをした。お客の履かれている靴が、あまりに僕の物欲をそそったのだ。甲の前方には”White’s”のセミドレスシューズとおなじ飾りが付いている。頑丈そうではあるものの、革にはシボがあって柔らかそうだ。底の脇には”Vibram”の黄色い浮き文字がある。しかしブランドは分からない。それをお訊きしようとしたところに来客があって、一旦、事務室に引き上げる。
戻った店にお客様の姿は既にして無かった。しかし同伴の方はいまだ買い物をしていらっしゃる。外へ出てあたりを見まわす。駐車場の北側に白いワゴン車が駐まっていて、その後席にお客様らしい姿が見えた。近づくとお客様はスライド式のドアを中から開けてくださった。
お客様はその靴について、親切に教えてくださった。事務室に戻り、そのブランドの実店舗を検索エンジンで探す。店は意外に多く存在していた。東京では東側に用事の多い僕に、新宿や渋谷は遠い。しかしその靴を扱う店は、銀座や日本橋にもあった。次の東京行きの際にはぜひ、訪ねて試し履きをしてみようと思う。
夕刻に驟雨があって、10分ほどで止む。
朝飯 穴子の佃煮、鮭の昆布巻、鮭の親子漬け、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 若布の素麺
晩飯 南瓜の甘煮、具だくさんの冷や素麺、「虎屋本店」の「七水山田錦40純米大吟醸」(冷や)、バニラアイスクリームを添えた桃のコンポート
2024.7.26(金) お楽しみ
間近に控えた小さな旅に、手持ちのカバンのうちどれを使おうかと悩んでいる、と奥さんに告げたところ「いろいろとお楽しみがおありでよろしゅうございますね」と返され、ムシャクシャしたから床屋へ行った、というくだりが高橋義孝の随筆のどこかにあった。旅を前にしてあれこれ悩むとは、僕にとっても大きな「お楽しみ」である。
ホテルのランドリーに頼む洗濯物は、次の日の午後に届けられることを想定している。しかし先月のタイ行きでは、どのホテルでも洗濯物は当日の夕刻に仕上がってきた。そのため持参したシャツのうち、使われることなく持ち戻ったものが数着に及んだ。必要の無いものはたとえ紙1枚でも持ちたくない僕にとっては由々しきことだ。
旅の日程はコンピュータの”TR”というフォルダに納めてある。その、今秋のそれを眺めつつ、持つべきシャツの枚数に、僕は高橋義孝と同様、悩んでいる。
チェンライの前半の宿は洗濯室を供えていないらしい。洗濯屋のオバサンに頼めばできあがりは翌日。しかしコインランドリーを使えば2時間で洗い上がる。後半のホテルは、予約サイトによればドライクリーニングもできる旨のアイコンがある。最後に1泊だけする首都のホテルは15時までのレイトチェックアウトが保証されているものの、前日に出した洗濯物がその時間までに仕上がる確約は無い。
昨春のハジャイでは、僕のスーツケースに2本の四合瓶のあることをエックス線により知ったオネーサンに「次からは決まりを守ってください」と注意をされた。タイに持ち込める酒類の上限は1リットルだという。オネーサンが見逃してくれたのは、僕が白い襟付きのシャツを着ていたからではなかったか。意味の分からない人は高城剛の「サバイバル時代の海外旅行術」を読んで欲しい。
朝飯 トマトのソテーを添えた目玉焼き、万願寺唐辛子の網焼き鰹節かけ、牛蒡と人参のきんぴら、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、オクラと若布の味噌汁
昼飯 梅干の素麺
晩飯 “Finbec Naoto”の其の一、其の二、其の三、其の四、其の五、其の六、其の七、其の八、安いマコン、コーヒー
2024.7.25(木) 雷三日
きのうの日記を書き終えても時刻は5時20分。時間の余裕は早起きの醍醐味のひとつと思う。
今月16日の終業後に荷札を作成した海外への小包は、その後なにかと忙しさが続き、投函は19日にずれ込んだ。そしてそれはおとい23日に無事、相手方に届いた。郵便局が週末の配達をしなくなって以降、目と鼻の先へのハガキでも到着までに4日を要することもあるようになった。海外への小包がおなじ4日で届くとは、驚くべき速さである。数百円を足して書留にしたことも、その速さには関係しただろうか。とにかく良かった。
14時より、秋に復帰する社員との面談。その最中に盛大な雷が始まる。僕はこの齢まで知らずに来てしまったが「雷三日」ということばがあるという。雷は月曜、火曜と続いて、しかしきのうは無かった。1日の間が空いても今週の雷は「雷三日」のうちに入るのだろうか。
19時を前にして雨が降ってくる。僕が書記と酒の取り寄せ係を務める日本酒に特化した飲み会「本酒会」は19時30分の開会。今日の会場は家からごく近いところだから、雨でもそれほどの億劫さは感じない。19時20分に会社の通用口を出ると、しかし先ほどまでの強雨は止んで、街は一気に涼しくなっていた。
朝飯 刻みオクラの鰹節かけ、牛蒡と人参のきんぴら、玉子焼き、納豆、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、おとといの天ぷらと若布の味噌汁
昼飯 揚げだし茄子の素麺
晩飯 “Johnny’s Cafe 638″の酒肴あれこれ、ゴルゴンゾーラチーズのスパゲティ、5種の日本酒(冷や)
2024.7.24(水) 挑戦
秋にシンガポールでの商談会に商品を出す。帰りはバンコクを経由するつもりでいる。楽しいところがあったら教えて欲しい。そういう相談を取引先の社長から受けたのは、冬の寒さが遠のきつつあったころのことだった。
先月のタイ行きでは、この社長のことをときおり思い出していた。僕の結論はズバリ、以下の3つに落ち着く。
1.チャオプラヤ川に面した料理屋での、夕刻いまだ明るいうちからの食事。
2.ナナやチョノンシーに点在する庶民的なルーフトップバーでの食事。
3.巨大なビール醸造所タワンデーンでの食事とショーの見物。
しかし社長はひとりでの行動だという。上記の3個所は、いずれもひとりでは楽しさが半減する。商社に社長の知り合いでもいれば幸いである。
さてその社長から夕刻にメッセージが届いた。宿泊はアトランタホテルを考えている。お勧めの部屋はどちらかと、ホテルのURLが添えてあった。僕は即、ちかくにいた長男にそのことを伝えた。「いやー」と、長男は懐疑的な声を発した。いかにもハードルが高い、ということだろう。
アトランタホテルの美点はひとえに、他においてはとうに失われてしまったクラシックさにある。しかしここに泊まるにはシャレを楽しむ気持ちと痩せ我慢が必要だ。僕は面白がって冷房の無い最上階の部屋を選び、汗まみれになっていた。1泊目の夜の明けるころ外の気温の方が低いことに気づき、以降は終日、ベランダの戸と部屋のドアを開けて風を通した。エレベータは無いから、日に何度も足腰の鍛錬ができた。プールサイドの寝椅子は硬い。
「よーし、チャンレンジだ」という気持ちが社長にあれば、もちろん、推薦すべき宿ではある。
朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、ピーマンの油炒め、茄子の揚げびたし、納豆、大根と胡瓜のぬか漬け、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布ときのうの天ぷらの味噌汁
昼飯 茄子の揚げ出しのつゆの素麺
晩飯 チーズ、TIO PEPE、ビーツとベビーリーフのサラダ、じゃがいもと人参とトウモロコシのソテーとたまり漬によるソースを添えたビーフステーキ、Chateau Tour Haut-Caussan 1993、ケーキ、Old Parr(生)