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清閑 PERSONAL DIARY

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2024.5.21(火) 恐るべし

朝、目を覚ますと両の鼻孔はきのうまでとは打って変わって、何の問題もなく通っていた。いまだ一度しか服用していないにも関わらず、専門医の処方による薬の効き目、恐るべし。水原一平のギャンブル中毒ではないけれど、点鼻薬とはこのまま縁が切れたらと、強く感じる。

さて5月もいよいよ佳境に入ってきた。空は晴れ、夏雲が湧き、気温は数値こそ高いものの、空気が乾いているせいか、半袖シャツ1枚では寒く、しかし長袖のTシャツを重ねると暑い、というあたりを保っている。だったら薄い長袖シャツ1枚にしたらどうかと問われれば、その手の襟付きのシャツは洗濯後にアイロンが必要となるから、毎日の手間が大変なのだ。

記憶に残る限り、シャツに自分でアイロンをかけたのは昨年の4月が最後ではなかったか。長く箪笥に寝かせてあった、生地はシアサッカー、模様は赤と白の格子の半袖シャツを、タイで着るため皺を伸ばしたのだ。

整理整頓に関する文章に「どのような服が何着あるかを常に把握しておくべし」という一節があって「なるほど」と膝を打った。赤と白の格子のシャツを、僕は3着も持っている。白無地のシャツとなるとその数は知れず「いけないな」と反省をする。

高等学校に上がって寮に入った。箪笥は周囲を見て、3段の引き出しを持つ、しかし茶箱より小さなものを買った。礼服を除けば、個人の服は、それほどの箪笥に収まるほどにすべきと思う。それ以上を持っても、どうせ着ないのだから。


朝飯 グリーンアスパラガスのソテーを添えたスクランブルドエッグ、牛蒡と人参のきんぴら、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、胡瓜と蕪のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 納豆素麺
晩飯 「やまだ宴楽」のお通しのメヒカリの素揚げ刺身の盛り合わせ揚げ出し豆腐、他あれこれ、芋焼酎「三岳」(お湯割り)


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2024.5.20(月) はじめて耳にする病名

子供のころアトピー性皮膚炎に悩まされたアレルギー体質でも、花粉症とは無縁だった。そのことを周囲に自慢さえしていた。ところがたしか1999年の春、強風の日に森の中にいて、一発で花粉症になった。もっとも以降の症状は軽いもので、数年前、ひどく涙の出る日に抗アレルギー性の目薬を頻繁に差したくらいしか、特に記憶に残ることはない。

それが今年はどうしたことか、春先から鼻が頻繁に詰まる。それが5月になっても収まらないと「杉の時期はもう終わったから、檜の花粉だね」と断じた人がいた。しかし別の人は「それがそのうち通年になっちゃうんだよ」と、自分の経験を振り返ってのものか、気になることを言った。

朝、目を覚ましたときにはかならず両方の鼻が詰まって、口で息をしている。起きると即、何十年も手放せずにいる抗アレルギー性の点鼻薬を両の鼻に噴霧する。その回数がこのところはとみに多くなってきた。鼻の奥にようやく緩んだ気配を感じると鼻をかみ、するとしばらくは楽になる。そしてまた、鼻は詰まる。

きのうあたりからは、身をかがめて頭の位置を低くすると、左の頬が重くなるようになった。「これはことによると」と、スマートフォンのGoogleに「蓄膿症 症状」と入れてみる。

午後、耳鼻科のセキネクリニックへ行く。内視鏡による診察では、特に左側で鼻炎が顕著と判断され、とりあえず1週間分の薬を処方された。先生の口からは「点鼻薬性鼻炎」という言葉も聞かれた。20年ほども前より一度に5本、6本と買い溜めて使い続けている点鼻薬とは、完全に切れる必要があるだろうか。「知らなかったー」である。


朝飯 マカロニサラダ、菠薐草のソテー、トマトのスクランブルドエッグ、コールスロー、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、若布と茗荷の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 ソーミンチャンプルー、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)


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2024.5.19(日) 小体で小粋

20年ほども前のことだったと思う。神保町の串焼き屋で、目の前のガラスケースに並ぶ、美しく整った肉や野菜の中から幾種類かを選んで焼いてもらった。そのうち特に面白く感じたひと品の名を問うと「私も鬼畜米英の時代の育ちだもんでね、何と言ったか…」とあるじは苦笑いをした。僕は芋焼酎に酔った脳の奥底を賢明に探し「そう、ズッキーニ」と、遂にその名を思い出した。

本日の日本経済新聞朝刊第一面の、もっとも大きな見出しは「重くなるEV 環境に重荷」だった。EV車を持とうとする人たちの最も大きな関心は航続距離にある。それを延ばそうとすれば、より大きなバッテリーを積むこととなり、車体の大きさや重量は必然的に増す。それが結果として環境に大きな負荷をかけるというのだ。また日本自動車工業会の調べによれば、SUVの人気の高まりなどにより、ガソリン車も大型化の一途を辿っているという。

1960年代の英国車でご来店になるお客様が複数いらっしゃる。それぞれのクルマはおしなべて小さく小粋で、今は亡い自動車修復家バンノーセーイチさんの表現を借りれば「小股の切れ上がった」となること必定である。いま新車で買える中に、そのようなクルマがあるだろうか。

運転席に乗り込むなり「〇〇様、おはようございます」などと挨拶をしてくるクルマがある。まるでスケッチブックのように巨大なディスプレイを備えたクルマもある。「自動車のスマートフォン化」ともなれば、鬼畜米英の時代に育ったわけではない僕も「隔世の感」以上の時代の変化を覚えざるを得ない。

SUVは勿論のこと、今のクルマを自分用のそれとして持つことは、死ぬまでないだろう。クルマは小体で小粋な個体が好きだ。


朝飯 コールスロー、ウインナーソーセージのソテーを添えたスクランブルドエッグ、納豆、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と万能葱の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 レタスとキウィと鶏肉のサラダ、シェパードパイ、パン2種のチーズ、バンブー


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2024.5.18(土) 僥倖への期待

事務机の左手に掛けたカレンダーには、すべきことや覚え書きが記してある。それらの文字は、会社のことはピンクの、公のことは黄色の、個人のことは緑色の蛍光マーカーで、それぞれなぞられている。前の製造部長フクダナオブミさんはあるときそれを目にして「いやっ、どうも、忙しいですね」と驚いてみせた。しかしそれは彼の性格の良さによるもので、別段、仕事のことばかりが書かれているわけでもない。

来週22日から再来週28日にかけては柏高島屋での出張販売があって、僕は長男がいないあいだの留守を守る。月があらたまると1日は、今年亡くなった同級生を悼む同窓会。その日のうちに帰宅をして翌2日は仕事。閉店後は羽田空港を目指す。

今回のタイ行きは荷物が多い。”TR”という名のフォルダには、これまでやこれからの旅程をはじめ、注意すべきことや持ち物の一覧が収めてある。増えたり減ったりする持ち物の一覧には、現在は147点があった。僕は旅先でも、特にシャツはいつもの仕事着を身につける。仕事着であれば、今から荷作りはできない。早くから確認のできる第一は薬で、その点数は約30。

海外の、知る人もいない、特に田舎で具合を悪くしたときには薬だけが頼りだ。サレワのサブアタックザックを背負って南の国を歩いていた1980年代にも、薬だけは多種、多量に持っていた。時にはそれを、困っている人に分けることもあった。

早寝早起きとはいえ、目を覚ます時間にはバラツキがある、これから1週間、10日のあいだに2時台に目を覚ますなどの僥倖があれば、その未明は薬の準備に充てようと思う。


朝飯 トマトサラダ、胡瓜と蕪のぬか漬け、生玉子、納豆、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と若布と茗荷の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 2種のチーズ、バンブー2種のパンシェパードパイChablis Billaud Simon 2018エクレア、Old Parr(生)


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2024.5.17(金) 先ずすべきは

自動車が関係する催しを見物をするため、夜を徹して数百キロメートルほども離れたところへ行こうとしている。周囲にはおなじ場所を目指すクルマがたくさん集まっている。中にはコンラン卿による写真集”small spaces”に出てきそうな、極小ではあるものの、人が横になって寝られるキャンピングトレーラーを牽いた車両もある。

キャンピングトレーラーからの連想なのか、そのクルマの集団に救急車が進入してきて、ストレッチャーに載せられた白髪の老人を降ろそうとしている。見れば近所に住む、長く教育に携わってきた先生だ。その先生を、ストレッチャーに寝かされたまま、町内の人たちと協力して、ご自宅までお送りする。

老人からの連想なのか、学校の大先輩が僕の目の前に現れ、自分の同級生について語り始める。その同級生の職業は画家で、子供は娘3人の下に男ひとりの4人だったから、彼らの幼少期には、家の中はなかなか勇ましい有様だったという。

そういう、時間にすれば短かったのかも知れないけれど、文字にすれば長くなる夢を観ながら目を覚ます。北西に面した窓のカーテンが紅く染まっている。時刻は4時15分だった。

起きて仏壇のことを済ませ、食堂のテーブルにコンピュータを開く。更に日記を作成するためのワードプレスを開こうとして「おいおい、先ずすべきはメールのチェックだろ」と、もうひとりの自分が呆れた顔で僕を戒める。右手の窓に目を移せば、そろそろ日が昇ろうとしている。よって「それより先にすべきは空の写真だろ」と席を立ち、廊下に出て階段室の鍵を開ける。


朝飯 グリーンアスパラガスのソテーを添えたイタリア風の目玉焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、牛蒡と人参のきんぴら、胡瓜と蕪のぬか漬け、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「大昌園」のあれやこれやそれや他あれこれ麦焼酎「田苑シルバー」(オンザロックス)


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2024.5.16(木) 思わず声が出る

本はほとんど古書でしか買わない。本は、増補や改訂が行われない限り、内容は変わらない。ならば安い方が良いと考えるからだ。同級生が小説集を出したときも、僕は古書で買った。「それでは著者には一銭も入らないではないか」と呆れた別の同級生がいた。「そう言われてみれば」と気づいたものの、やはり本は、ほとんど古書でしか買わない。

今日もamazonに店を出している古書店から本が届いた。封筒を開け、中味を取り出し、事務室を出る。そして通路を歩きながらその本を開いて「あらー」と思わず声が出る。「どうしたんですか」と、ちょうど横にいた販売係のサイトーミホコさんが問う。「いやー、これはちょっと」とのみ答えて、後は濁した。

その本は、カバーや帯のついた外観は新品同様だったものの、ほとんどのページに鉛筆による傍線があった。中には全19行のうち16行の上から下まで傍線を引いた上、そこに出てくるすべての人名を丸で囲んだページもある。「大丈夫か、コイツ」と思う。

傍線を引きつつ本を読む癖のある人に対しては、勝手な想像ではあるけれど「ひとこと物申したい性格の、文化人を自認する老人」という人物像がある。今回の本は、読もうとしても、ほぼすべてのページにおいて、その人物が頭に浮かぶだろうから、とてもではないけれど、読めたものではない。買い直し決定、である。


朝飯 牛蒡と人参のきんぴら、ズッキーニのソテーを添えた目玉焼き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとキウィのサラダスパゲティミートソースChablis Billaud Simon 2018パイナップルケーキ、Old Parr(生)


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2024.5.15(水) 頒布会

子供のころ「赤坂」を「あさかさ」と言っていた一時期があった。同様の覚え違い、思い違いは今でも犯すことがある。20年数年前には”cutlery”を「カラトリー」と覚えてしまい「カトラリー」と自然に言えるようになるまでには結構な時間を要した。

今朝、それぞれの分野では有名らしい人たちの勧める商品を大量に集めたセレクトショップをウェブ上に見つけた。「こんなところに嵌まったら、お金が出て行き、逆にモノは増えるという悪い循環が発生する」と分かっていながら、更に奥を目指す。

「危ないぞ-」と思いつつトップページからアウトドア、収納と進んでいくと、いかにも僕ごのみのポーチが現れた。先ずはいくつかの方向から写した画像をしげしげと眺め、次に商品説明を読む。するとその最後のところに「カラトリーをまとめておくときにも便利」とあったから「同類がいた」と、森の中でいきなりもうひとりの自分に出会ったような気分になり、それと同時に夢が覚めたような気持ちにもなって、そのサイトを閉じた。「助かった」である。

買ってはみたものの、一度も使っていないバッグ類が複数ある。それらを事務室のテーブルに並べ、社員を相手に頒布会を催したこともある。そのようなことをしなければならないときが再び来そうな気も、またしないではない今日この頃である。


朝飯 焼きおむすび、胡瓜と蕪のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、若布と揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトと榎茸のスープ鶏とズッキーニのソテークロワッサンChablis Billaud Simon 2018


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2024.5.14(火) 趣味ではなくても

浅草の軽演劇出身の喜劇役者だっただろうか、むかしのことだから名前は忘れた。とにかくその芸能人による週刊誌のコラムを読んだ。それによればその人は、仕事で地方に出かけるときには、異なる趣味の新聞や雑誌をキヨスクで買って読むとのことだった。移動の最中はひまだから活字を読むくらいしかすることがない。その機会を逃さず未知の分野のことを知るのだという。

ソーマ歯科室での定期検診は、きのうのオーミヤナナサト眼科でのそれとおなじく異常は見あたらず、次は半年後と先生に告げられた。目や歯は眼福、口福に直結するものだから、僕は大切にしている。歯科室のある大井町から京浜東北線で移動した上野では公園口から外へ出た。

昨日とは打って変わった晴天ということもあるのだろう、上野公園の人出は大したものだった。公園の中にあるスターバックスコーヒーのテラス席は特に、外国人であふれていた。デ・キリコという画家は僕の趣味に合う人ではない。しかし冒頭に書いた、喜劇役者による示唆は忘れたことがないから、午後の数時間は、その鑑賞に充てた。

鮨を食べる、芝居を観る、相撲を見物する、本を読む、そのたびそれに対する詳細な感想をウェブログに書く人がいる。僕からすれば驚倒すべき能力である。子供のころから本を読むことは好きだった。しかし読書感想文は苦手だった。感想を書かなければならないということは、本読みが遊びではなく勉強や仕事になってしまう、ということだ。勉強や仕事なら、なるべくしたくないではないか。デ・キリコについての感想も、書けることは特にない。

上野駅の公園口から不忍口へ降りていく道はいつごろ整備されたのだろう。荒木経惟が「東京は、秋」で正面から大きく写した「聚楽」の跡地には”UENO3153″が建って、昔日の風景は綺麗さっぱり失われた。

それにしても、きのう今日と持ち時間は充分だから、普段ならいまだ仕事をしている時間から夕食にありつける。そうして19時台の下り特急に乗って21時すぎに帰宅する。


朝飯 「サンマルクカフェ」のパストラミポーク&野菜サンド、コーヒー
晩飯 「まつや」のわさびかまぼこ焼き鳥盛り蕎麦、燗酒


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2024.5.13(月) 雨の予報

家で読む活字はコンピュータやスマートフォンのディスプレイによるものがほとんどで、紙に印刷されたものは新聞がせいぜいだ。活字中毒ではあるものの、本はほとんど家の外でしか読まない。理由は不明。

ここしばらく読んでいた本の、残りのページが少なくなっている。これを読み終えないことには、今日の外出には予備も含めて2冊を持たなくてはならず、荷物が重くなる。そういう次第にて食堂のテーブルに読書灯を引き寄せ、4時40分より当該の本の巻末の対談および解説を読む。

今日は風雨が強いと、テレビの天気予報はきのうから呼びかけている。昨年の9月8日は東京で横殴りの雨に遭い、ヘソから下はシャツも含めてずぶ濡れになった。その記憶が強くあるため、今日の足元はレッドウイングのブーツにした。傘はモンベルの最軽量ものではなく、旧式の骨の太いものをトートバッグに入れた。昨年の経験により、90リットルのゴミ袋も持った。非常時にはこれを腰に巻くつもりである。

と、ここまで書いたのが5時50分。そのころ降っていた小雨は昼がちかくなっても勢いを増すことなく、また風も強まらないところから、靴はトリッペンのショートブーツ、傘はモンベルの最軽量のもの、90リットルのゴミ袋は持たずに会社を出る。

2018年に白内障の手術を受けたオーミヤナナサト眼科での、定期検診の結果は異常なし。視力は両眼とも1.0。人工水晶体であれば、若いころのオスマン・サンコンが誇った6.0くらいまで見えて欲しいと思うものの「過ぎたるは及ばざるが如し」なのだろうか。


朝飯 トマトサラダ、納豆、ウインナーソーセージのソテー、厚揚げ豆腐の淡味炊き、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 「カルフールキッチン」の山菜おこわ(道の駅「日光街道ニコニコ本陣」で購入)、上澤梅太郎商店のフリーズドライ味噌汁”with LOVE”(東武鉄道の新型特急「スペーシアX」の車内で購入)
晩飯 「シンスケ」のあれこれ、両関の樽酒(冷や)、“EST!”のバンブー


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2024.5.12(日) 酒飲みの詭弁

早朝、食堂のテーブルにコンピュータを開く。「汁飯香の店 隠居うわさわ」に予約が入っている。そのうちの4人組様は「使用言語」に繁体字の中国語をお選びになっていた。ということは、大陸に住む以外の中国人だろう。ご来店の日までいまだ間があるところからすれば、お出かけになる前の、本国からのご予約かも知れない。

僕が旅に出かけたときには、その地域の普通の人が、普通に食べているものを食べたい。それらはおしなべて美味く、そして安い。時には口に合わないものに行き当たることもあるけれど、どうということはない。それもまた、旅の一興である。

困るのは、そこに滞在するあいだ、どこへ行っても自分の口には美味さが感じられない、という街である。ナラティワートでは地元の人に薦められて訪ねた店も、どうにもよろしくなかった。もっともマレーシアから自転車で北上してきたおなじ宿の人は、それでも国境の南よりはマシと言っていた。

僕の経験では、酒を忌避する土地の料理は美味くないことが多い。「それは酒飲みの詭弁だ」と断ずる人がいれば、ぜひナラティワートへ行って、確かめてみていただきたい。イスラム寺院マスジット・クラーンの前の屋台のパンだけは美味いから、次があるとすれば、生ハムとチーズ、そしてティオペペを持参しようと思う。


朝飯 小さなトマトのソテーを添えた目玉焼き、納豆、厚揚げ豆腐の淡味炊き、香港橄欖菜、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、三つ葉の味噌汁
昼飯 納豆素麺
晩飯 パン2種のチーズスパゲティナポリタンChablis Billaud Simon 2018


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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