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清閑 PERSONAL DIARY

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2023.8.11(金) 予行演習

僕としては珍しく、明るくなってからの起床。洗面所と食堂を経由して応接間に入り、仏壇の扉を開けた途端、その様子を目にして「あらー」と声が出る。灰だらけなのだ。そのわけは容易に想像がつく。

孫のリコとシンは、夕食を終えると食堂を出て応接間で遊びを始める。仏壇に線香を供えるのも遊びのうちだ。6歳のリコはマッチを擦ることができないから、飲酒喫飯中の僕を呼ぶ。僕は渋々と席を立って、仏壇の前に正座をする。そして蝋燭に火を点す。

リコと2歳のシンは線香立てから線香を引き抜き、それに火を着ける。線香の先端には炎がある。それを彼らは息を吹きかけて消す。その息が、線香立ての灰を周囲に散らしたのだろう。今朝はその範囲が異常に広い。いつものような、濡らしたティッシュペーパーで処理しきれるものではない。よって位牌を除くほとんどすべてを取り出し、水を固く絞った布巾であたりを拭く。まるでお盆の前の、予行演習である。

おとといときのうは三連休を取っているひとりを除いて面談をし、賞与の説明をした。昨夏までは時間制限を設けていなかったため、面談しきれない社員もいた。よって昨年末からは、ひとり15分と時間を決めた。その結果、すべての社員との意見交換が実現するようになった。

試してみるとすぐに分かる、試してみなければ永遠に分からないことかも知れないが、お盆があると、一汁三菜の食器は水が高きから低きに流れるように、それぞれの位置に納まる。ところがお盆を欠くと、どうにも形が決まらない。時間もおなじく、枠が必要なのだ。

今日は蔵見学を希望される方が3組いらっしゃった。そのうちのひと組は長男が担当し、ふた組は僕がご案内をした。午後、インターネットと電話のご予約により、明日の隠居が満席になる。即、事務室の壁に掲げた予約票に「満」の字を赤いサインペンで書き入れる。


朝飯 炒り昆布、茹でたグリーンアスパラガスの目玉焼きのせ、納豆、万願寺唐辛子の油炒め、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、揚げ湯波と小松菜の味噌汁
昼飯 揚げ湯波のつゆのざる素麺
晩飯 春雨サラダ蒸し焼売、麦焼酎「こいむぎやわらか」(ソーダ割り)


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2023.8.10(木) コジキッパラ

「オレはコジキッパラだから」と言った人がいる。「コジキッパラ」は、漢字で書けば「乞食腹」。その人の意味するところは、自分は何でも食べるし、何を食べても腹はこわさない、ということなのだろう。僕はその人のその特質を好もしく感じた。なぜそう感じたかといえば、僕もその同類に他ならないからだ。

「高貴な者ほど粗食に耐える」ということわざが好きだ。そのことわざが実際に存在するかどうかは、今となっては分からない。それでも、どうも英国の匂いがする。そしてこれを検索エンジンに入れてみたところ、池田潔の「自由と規律」に行き着いた。僕はこの本を、15歳か16歳のときに読んでいる。その内容の一部がことわざとして脳に刻まれたに違いない。

ところで「コジキッパラ」の代表といえば、伊丹十三の映画「たんぽぽ」に登場するホームレスの「センセイ」ではなかろうか。加藤嘉が演じるセンセイは、夜ごと仲間たちと美味いものを食べていた。

と、ここまで書いて時刻は5時7分。朝の味噌汁には、きのうの夜のポトフを流用する。


朝飯 茄子と乳茸の油炒めの大根おろし和え、生のトマト、万願寺唐辛子の網焼き、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、きのうのポトフを流用した味噌汁
昼飯 めかぶを添えたざる素麺
晩飯 蒸したトウモロコシ、万願寺唐辛子の油炒め、ジーマミー豆腐、炒り昆布、胡瓜と茗荷の浅漬け、大根おろしを添えたブリの照り焼き、「飯沼銘醸」の「姿金文字純米大吟醸」(冷や)、「島崎酒造」の「東力士 純米吟醸」(冷や)


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2023.8.9(水) 欲

「さて、これからしばらくのあいだは時間に追われるぞ」というときには、セイコーのソーラー電波時計を左腕に着ける。朝礼は8時から。それが終わると道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の売り場の掃除と納品。すぐに戻って開店の準備。そして8時30分に開店。道の駅へ納める品が多いときには、それこそ時間との競走である。

社内にはそこここに時計があるから、また1秒にこだわる時間管理は不要になるから、店が開いたら腕時計は外す。外したそれは、ソーラーバッテリーで動いているだけに引き出しには仕舞わず、事務机の上に置く。

電波時計は国内、それも秒にこだわるときにしか使わない。それ以外の外出時には、MONDAINEのごく普通のものを着ける。

自分の性癖について「つくづく良かった」と感じることが、いくつかある。高級時計への物欲を一切持たない、というのも、そのひとつだ。

今年の5月22日に南天子画廊で求めた絵がようやく、夕刻に届く。額装に時間がかかっていたのだ。この絵はしばらく応接間に掛け、寒くなるころ隠居に移そうと考えている。こういうものへの欲は、いまだ少しはあるらしい。


朝飯 生のトマト、ゴーヤチャンプルー、茄子の揚げびたし、納豆、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と揚げ湯波と大根の味噌汁
昼飯 茄子と乳茸の味噌炒りを添えたざる素麺
晩飯 ニース風サラダ3種のパンポトフChablis Billaud Simon 2018


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2023.8.8(火) 音を観る

観音とは「音を観る」ということだろうか。「音を観る」と検索エンジンに入れるだけで「へー」と感じることがたくさん出てくる。もっとも、それを僕がいつまで覚えていられるかは分からない。

「びわ湖大花火大会」の、主催者が有料席の背後に高さ4メートルの柵を設けたことが、住民のあいだで問題になっているという。主催者は「安全のため」と説明し、住民は「タダでは観るなということか」と反発をしているらしい。

我が街にも花火大会がある。何年か前のその晩は、小倉町の居酒屋「和光」へ出かけた。カウンターで焼酎のソーダ割りを飲みつつ背中で花火の音を聴いた。花火は、観ずに音だけを聴くと、より情趣が深くなる。それを僕はそのとき初めて知った。

志ん生の「大津絵」を聴くたび、高橋義孝は涙したという。

今年の大谷川花火大会は今月19日の開催と、きのう新聞にちらしが入った。当夜の僕の大問題は、何を肴にして何を飲むか、という一点に絞られている。


朝飯 トマトとキウイのサラダ、茄子の揚げびたし、隠元豆のおひたし、納豆、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と小松菜の味噌汁
昼飯 茄子と乳茸の味噌炒りを添えたざる素麺
晩飯 トマトと刻みキャベツを添えた2種のフライ、胡瓜と蕪のぬか漬け、茗荷の酢漬けChablis Billaud Simon 2018


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2023.8.7(月) その先にあるもの

植木等の僧侶だった父は、あるとき仏像の頭を叩きながら「これを拝むのではない、これの先にあるものを拝むのだ」と言ったという。

インドもイスラム色の濃い地域へ行くと、カーバ神殿の絵を街で売っている。買った人は自宅の、メッカの方角にある壁にこれを貼って礼拝をするのだろう。もちろん拝むのは絵ではなく、その先にあるものに決まっている。

毎朝、花と水とお茶と線香を仏壇に供える。仏壇の、その先にあるものは何だろう。何なら分からないけれど、水やお茶を上げるとなれば、その、何やら分からないものを擬人化しがちになる。今朝は、その水に冷蔵庫の氷をふたつ加えた。なにやら分からないものが、ぬるい水より冷たい水を好むかどうかは、これまた分からない。

沖縄の近海で迷走する台風により、その周囲に甚大な被害が発生している。旅先で足止めされている旅行客は、携帯電話の充電もままならない状態だという。空路の再開を待つ人は、4万人に及ぶという。今朝の天気の悪さと湿度の高さも、その、数千キロも離れた台風の影響かも知れない。

それでも5時を過ぎるころには東の空の雲が切れてくる。その1時間後には西の空の雲も切れてくる。更にその1時間後には日も差しはじめた。行きつ戻りつしながら九州に近づいている台風6号は、いつ消えてくれるだろう。


朝飯 茄子と乳茸の味噌炒りを添えたざる素麺
昼飯 町内の納涼祭の焼きそば
晩飯 トマトとレタスのサラダ茹でた玉子とブロッコリーを添えたカレーライスOld Parr(ソーダ割り)マンゴー


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2023.8.6(日) 目薬とサングラスの関係

2018年に白内障の手術を受けたオオミヤナナサト眼科には、以降も診察のため、半年おきに通っている。その際に処方される目薬は2種。ひとつを点じたら5分間は安静にして、日に4回を繰り返すよう処方箋には書かれている。それを忠実に守れば、目薬のためだけに、日に40分を使うことになる。南の国で暇にしているときならまだしも、普段はなかなか難しい。それを理由として、そのたび「目薬は今回は要らない」と看護師に伝えるとか、あるいは量を減らしてもらっていた。

このところなぜか、目の渇きを覚えるようになってきた。ひとつを点じるたび目を閉じて5分間の無為を過ごす、ということはしないものの、目薬を使うことが増えてきた。そして気づいてみれば、その残りはきのう、最後のひと組になった。目薬は、果たして夏の終わりまで保つだろうか。

手術後、眼科からは、加齢黄斑変性を予防するため、外では紫外線を避けるための眼鏡を使うよう言われた。風景をありのままの色で見られない点において、僕はサングラスを好まない。よって紫外線は弱めつつレンズは素通しにちかい、という眼鏡を作った。作ったものの、子供のころから目だけは丈夫だったゆえに眼鏡を嫌う僕は、それを、南の国のプールサイドでしか使ってこなかった。そのツケが、今の目の乾きに繋がっているのかどうかは分からない。

次にオーミヤナナサト眼科へ行ったときには、そのあたりについても訊いてみたい。


朝飯 茄子と乳茸の油炒め、メカブの酢の物、生玉子、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と小松菜の味噌汁
昼飯 町内の納涼祭の焼きそば
晩飯 大根おろしを添えたカニかま、冷やしトマト、たらこ、ゴーヤチャンプルー、麦焼酎「こいむぎやわらか(生)


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2023.8.5(土) 乳茸

「ちたけ」を変換すると「乳茸」と出る。これは、はじめからワードプロセッサに備わっていた言葉なのだろうか、それとも僕が辞書登録をしたものなのだろうか。

ウェブ上の情報によれば、乳茸は正しくは「ちちたけ」と呼ぶらしい。栃木県地方でしか食べられないキノコとも、そこには書かれている。

キノコは地域性の高い食べものだ。こちらの村では食べるものの、山ひとつを隔てた隣県では食べない、という種もあるらしい。

古代、中世、近世と、世が進むにつれて人やものの行き交いは増し、今や情報は、地球の裏側まで一瞬にして届く。そういう現在にあって、地域性の高さはとても魅力的だ。医療、福祉、その他もろもろの、人助けに類することの「どこもかしこも同じ」は素晴らしい。しかし特に衣食住の地域的な特性は「どこもかしこも同じ」でない方が面白い。

乳茸は、柄を折ったり傘を傷つけたりすると、そこから白い粘液が出る。キノコは、僕のような食感ヲタクを喜ばせる食材のひとつだ。しかし乳茸の食感だけはいただけない。数十年前のワインから引き抜いたコルクを噛んでみれば、それがすなわち乳茸の食感、ということになる。

乳茸は、茄子と炒めて醤油、酒、味醂、砂糖などで味を調えたときのみ輝く。それは、酒の肴やごはんのおかずとして優れるが、栃木県民は多く、これを蕎麦やうどんのつゆに使う。染み出るだしが独特なのだ。

そして昼は、7月31日に作ったつゆに茄子と乳茸の油炒めを沈め、この夏はじめての素麺を食べる。


朝飯 ピーマンの炒りつけ、冷や奴、納豆、菠薐草と海苔のおひたし、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、豚バラ肉のレモンバターソースとラタトゥイユの味噌汁
昼飯 茄子と乳茸の味噌炒りを添えたざる素麺
晩飯 オリーブ、2種のパン茹でたウインナーソーセージとラタトゥイユを添えた豚バラ肉のレモンバターソースChablis Billaud Simon 2018、SMIRNOFF VODKA(生)


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2023.8.4(金) 嫌いじゃできない

伊豆へ出かける前日の、今月1日の日記を公開してなお、6日分の日記の在庫がある。気分は大余裕である。

「文章は読むのも書くの苦手、というよりも嫌い。でも始めてみる」とウェブログを開設した知人がいる。期待して読み始めたものの、やはり続かなかった。高等学校の国語と古文の教師ヤマグチヒカル先生は「勉強とは、勉め、強いること」とおっしゃった。自らにしても他者からにしても、強いられつつ続けるのは、いかにも辛い。

辛いといえば、幼児、子供も辛い。生まれつき好きなこと、得意なことはあるにしても、周囲に強いられることも、彼らには星の数ほどある。そしてそれらひとつひとつを、習慣にしていかなければならない。もっとも彼らは子どもに特有の柔軟さゆえ、それらを身につけられるのだろう。

その柔軟さは、大人になるに連れて失われていく。老境に達すれば尚のこと、勉め強いる、あるいは勉めることを強いられることには従えなくなってくる。とすれば苦手や嫌いなことからは逃げて、好きなことに活路を見つけるしかないだろうか。

ある団体の長をつとめる人が「むかしの馬鹿が、今はこんなことをしています」と、数十年前の恩師に報告をした。「馬鹿じゃできない」と、恩師はその人を励ました。「嫌いじゃできない」ことも、世には満ちている。「メシが食っていけるなら、あとは好きなことだけすりゃぁいいじゃねぇか」とも思う。


朝飯 冷や奴、トマトのスクランブルドエッグ、納豆、ピーマンの炒りつけ、細切り人参の酢漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、若布と大根のみそ汁
昼飯 ピーマンの炒りつけを添えたざるうごん
晩飯 トマトとモッツァレラチーズのサラダパン其の一パン其の二パン其の三生ハムのムースラタトゥイユを添えた豚バラ肉のレモンバターソースChablis Billaud Simon 2018


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2023.8.3(木) 伊豆治療紀行(18回目の2日目)

2007年6月、西安の高楼に登り、真っ直ぐに延びる道を眺め降ろす僕に「ローマまで通じています」と案内人のフーエイさんは教えてくれた。「ホントですか」と半笑いで答えたくなりそうな状況かも知れない。しかしあの街へ行けば、ほとんどすべてのことは半信半疑ながら、しかし最後には信じざるを得ない気持ちになるのだ。

道路や鉄道に浪漫主義的な感興を僕が覚えるのは、このシルクロードとおなじものを、それらに感じるからかもに違いない。

鉄道オタクには様々な種類がある。今は随分と細分化されているようだけれど、僕はそのうちの「時刻表ヲタク」から更に枝分かれした「乗り換えヲタク」の傾向が強い。これまででもっとも成功感が高かったのは、1975年夏の、新幹線から関西本線への、名古屋駅での乗り換えだ。名古屋着と名古屋発のはざまは2分間だった。

伊豆高原11:06発の伊豆急行の、熱海着は11:58。「乗り換え案内」に示される上りの新幹線は、熱海12:35発のこだま714号。しかし実はその前に、熱海12:02発のこだま712号がある。乗り換え時間は4分。綱渡りを嫌う家内は、ハナから12時35分発に乗るつもりでいる。しかし僕としては、熱海で30分も待つつもりは無い。

伊豆急行は熱海に45秒遅れで着いた。つまり乗り換えに使える時間は3分15秒。家内とは別行動をとることとして、プラットフォームに飛び出す。新幹線の上りプラットフォームまでに要した時間は1分30秒。大余裕である。

散髪や皮膚科での診療を済ませて夕刻、家内と鶯谷駅の南口で落ち合う。カウンター活動をしてもなお、空は明るい。そして浅草19:19分発の下り特急に乗り、21時すぎに帰宅する。


朝飯 「ガスト伊豆高原店」のスクランブルエッグ&ベーコンソーセージセット(パンを大盛りのごはんに変更)、オレンジジュース
晩飯 「鍵屋」の冷や奴おしんこ味噌おでん、他あれこれ、菊正宗(常温)


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2023.8.2(水) 伊豆治療紀行(18回目の1日目)

下今市10:53発の上り特急「けごん20号」は、北千住に12:22着。
北千住12:29発の常磐線は、東京に12:49着。
東京13:27発の「こだま729号」は、熱海に14:10着。

このダイヤに従う場合、昼食はどのようにして摂るべきか。ひとりなら北千住の東武線プラットフォームにある「小諸蕎麦」を使うかも知れない。しかし家内を同伴していれば、そういうわけにもいかない。もうひとつ。18時が過ぎるころには腹を空かせている必要がある。腹が満ちていては、美味い酒が飲めないからだ。そして結局のところはいつものとおり、東京駅でおむすびを買う。

「伊豆高原痛みの専門整体院」での膝の治療は、5月のそれから急に楽になった。5,000ボルトの電子ペンが患部に押し当てられたとき、その部分が悪ければ悪いほど痛みを感じる。月に1度の治療により快方に向かってる、ということもあるだろう。しかしそれまでの拷問まがいの痛さから急に解放されたのは、4月にタイで受け続けた、太腿へのマッサージが効いたことによるものと思う。

伊豆に来るときの宿泊は、自分ひとりや次男と二人連れの場合には伊東の安ホテルを使う。しかし家内は「寝られりゃいいじゃねぁか」式の滞在を避けたがる。よって今回は、夏休みの需要増に伴って価格が上がっていたものの、赤沢温泉に確保した。そして部屋から伊豆の海を眺めてみれば、また風呂の良さを思い起こしてみれば「ま、それなりの価格もしょうがねぇわな」と感じる。

夜は、赤沢温泉に滞在した際の行きつけの店でカウンター活動をし、宿へ戻り、入浴をして20時すぎに就寝する。


朝飯 ムースーロー丼、細切り人参の酢漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、オクラと若布の味噌汁
昼飯 「笹八」の爆弾おむすび
晩飯 「和居」の豚足カプレーゼ焼き鳥いろいろ、他あれこれ、麦焼酎「和居」(ソーダ割り)、ラーメン


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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