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清閑 PERSONAL DIARY

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2023.2.8(水) 変更の変更

きのうは栃木県食品衛生協会による、食品衛生指導員の、2年に一度の再委嘱予定者講習を受けた。とはいえ前回は「コロナ」で中止をされた経緯により、実際には4年ぶりということになる。僕が特に注意深く聴いたのは、営業許可を得る際の法律が大きく変わったところ。スクリーンに映し出される説明を紙に書き写しているひまはないから、画面が切り替わるたびスマートフォンに記録をした。その画像を今朝は、すこしでも読みやすいように加工した。時刻は4時20分。朝の時間は何ごとにも替えがたい。

それからメーラーを回し、昨夕から今朝までのあいだに届いたメールを見ていく。そうするうち”travel”のフォルダの最上部に「フライト変更について」の表題が見えた。「はて、これは過去のものではなかったか」と、先月23日の日記「時刻の変更」を思い出す

4月22日、僕はハジャイからバンコクへ戻る。便は当初、10時45分発だった。そのバンコク航空の時刻は後に8時10分発に変更をされた。ところが今回のメールは時刻の変更ではなく、便そのものが無くなってしまったことを知らせるものだった。代替便はタイスマイル航空の9時5分発。文句のあろうはずはない。

直近のタイ行きは、2020年3月1日の羽田発タイ航空。このときも機材の変更があり、更には搭乗の直前になって座席の変更が行われた。それから3年を経て、空の便はいまだに変更、変更である。平時に戻るのは、いつのことになるだろう。


朝飯 カリフラワーの酢の物、納豆、鰤大根、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、人参のぬか漬け、メシ、トマトと万能葱の味噌汁
昼飯 カレー南蛮うどん
晩飯 レタスとベビーリーフとトマトのサラダ、じゃがいもと人参のソテー、ブロッコリーのソテー、にんにくのたまり漬、自家製ソースなどを添えたビーフステーキチーズGrand Vin de Leoville 1985「ウエスト」のリーフパイ、Old Parr(生)


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2023.2.7(火) 強制終了

きのうの朝に引き続き、絶体絶命に陥る夢を見る。「面倒なことになった」と虎口からの脱出を試みつつ「これは夢の中のことに違いない」とも気づき始める。「だったら目を覚まそう」と、その夢を強制的に終わらせる。枕の下からiPhoneを取り出す。時刻は3時5分だった。そのまま起きて、食堂のテーブルにコンピュータを開く。

おとといの日記もきのうの日記も、きのうのうちに書き終えている。しかしおとといの日記の最上部に置く画像が用意できていない。この理由により公開の遅れることが、僕の日記ではしばしば起きる。

こちらはきのうの朝ではなく、おとといの初更に引き続き、ウォッカマーティニを作る。家飲みの利点は畢竟、以下の3点にあると思う。

1.原価で飲める。
2.人と関わらずに飲める。
3.飲み終えたら即、風呂に入って即、眠れる。

それでは外飲みの利点は何だろう。それも3点にまとめれば以下になるだろうか。

1.準備から片づけまで、すべて人がしてくれる。
2.家では作れない、作れても面倒を伴う肴が食べられる。
3.本が読める。

「本なら家でも読めるだろう」と問われれば、夕食のテーブルには家族がいるから本は読まない。「一緒に飲みませんか」などと人が声をかけてくる飲み屋が苦手なのは、それでは本が読めないからだ。


朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、目玉焼き、人参のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、菜花の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 ナッツとドライフルーツのたまり漬「山のにぎわい」、ウォッカマーティニ、ハムとレタスとゆで玉子のサラダカレーライス、らっきょうのたまり漬、TIO PEPE焼きプリン、Old Parr(生)


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2023.2.6(月) ロシアに数時間

オデッサからロシアに密かに入り、ある重要なものを持ち出す。所要時間は数時間。出国後、安全な場所までのクルマの運転をしてくれれば有り難いと、白人の男に頼まれる。オデッサとロシアは国境を接していない。しかしロシア側はオデッサに入国管理事務所を置いている。男の言う「ロシア」が何を指しているのかは分からない。

事務所は高さ5メートルほどの崖の上にあり、地上からは、途中に踊り場を持つくの字型の階段で昇るようになっている。その階段は四角く切り出した大きな石で囲われ、まるで煙突の内部のようだ。階段を昇っていく男を見送ると、僕は地面に足を投げ出して座った。

待つうち、目の前に突然、スーツ姿のロシア人の男が立つ。僕は計画が頓挫したことを悟る。早くも尋問係が現れ、僕の太腿に馬乗りになる。その、女の子と呼んでも差し支えない若い係官は、なぜか全裸である。そして僕から聞き出したことを、メスのように鋭い鉄筆を用い、僕の、膝と太腿のあいだの皮膚に、ブルーブラックのインキで書いていく。インキは刺青のようにして、いつまでも残るだろう。

「それにしても、用意されるはずだった逃亡用のクルマは何だったのか、シトロエンのDSだったとすれば、あれは運転がしづらそうだ」と、絶体絶命の中で考えている。

そういう夢を見ながら目を覚ます。


朝飯 筑前煮、昆布の佃煮、納豆、生玉子、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と万能葱の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 刺身湯波の玉子とじ、めかぶの酢の物、椎茸と小松菜のおひたし、カリフラワーの酢の物、鰤大根、蕪戸胡瓜のぬか漬け、「渡邉佐平商店」の「尊徳」(燗)


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2023.2.5(日) 配合

長男は毎日、社員全員の読めるチャットに高島屋日本橋店で開かれている「老舗名店味紀行」の様子を上げてくる。日ごと送り込む商品の数字に弱気の見られたのは2日の木曜日。しかし出荷当日の朝には一転して、減らそうとしていた分すべてを元に戻すよう言ってきた。以降の成績はうなぎ登り。最終日の7日火曜日には、昨年の記録を大きく抜くことが予想される。

昨月25日、寒波襲来、積雪の日に取材を受けたテレビ番組が、今月2日の午後に放送された。それを観たとおっしゃるお客様も、会場にはお見えになるという。しかし好調の理由はお得意様、また一般のお客様の「いつまでコロナでもあるまい」というお気持ちによるものが大きいと、僕は思う。

今日の、高島屋へ送る商品の最終の数字を長男から電話で受けたのは事務係のツブクユキさん。それを僕が現場へ伝えては、伝言ゲームのようにして誤りが発生するかもしれない。よって連絡係はツブクさんに頼んだ。

終業後の飲酒活動はウォッカマーティニから。きのうのウォッカ45ccとベルモット15ccは、いささか量が少なかった。よって今夕はウォッカ70cc、ベルモット25ccの配合にした。マーティニは、ドライにしすぎないのが好みである。


朝飯 冷蔵庫の中味をあれこれ投入した味噌汁、メシ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 ナッツとドライフルーツのたまり漬「山のにぎわい」、ウォッカマーティニ、パンポルペッティのスパゲティTIO PEPEシュークリーム、Old Parr(生)


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2023.2.4(土) 2月の室礼

本日は「汁飯香の店 隠居うわさわ」の2月の営業初日。正月から掛けてきた河井寛次郎の「喜者開扉」の軸は、次の何かに替える必要がある。きのうはそのことが頭から抜け落ちていた。

コンピュータに保管した「隠居床の間」のページを開き、その春のところを見る。諸星成章の「松上鶴図」は、もう遅い。というわけで、次の野村素軒による「筑後途上五絶」の箱を小脇に抱えて隠居へ行く。そして、これは菜の花を詠んだものと家内に説明すると、それはいかにも早すぎるという。

とすれば、残りは小杉放菴の「梅図」しかない。しかし庭には梅の花が咲き始めていて、なにやら季重なりのような気がする。それを指摘すると「梅はいまだ、数日をかけてようやく一輪が開くくらいなのだから、気にすることはない」と、家内は厨房から答えた。

よって母屋へ戻り、今度は「梅図」の小さな箱を抱えてふたたび隠居の座敷に上がる。

「梅図」の箱には掛け軸のほかに、面白いものが入っている。それは東京都杉並区のミズタニキヨシさんから栃木県今市市のカトーチュージローさんに宛てた、この軸は本物とするハガキである。カトーチュージローさんは、町内にあるオーツヤ質店の、当時のあるじに違いない。消印は昭和43年。切手は7円。買ったのは多分、僕のおじいちゃん。当時の年齢は60歳。

隠居の座敷は八畳と六畳の続き間になっている。一方「梅図」はせいぜい四畳半に似合いそうな趣ではあるけれど「まぁ、いいでしょう」ということで、本日最初のお客様がお見えになる前に隠居を去る。


朝飯 牛肉と舞茸のすき焼き風、筑前煮、煮奴、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、万能葱の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 らっきょうのたまり漬、ウォッカマーティニトマトとアスパラガスとエリンギとベーコンのスパゲティパンTIO PEPEチーズ、Old Parr(生)


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2023.2.3(金) ハジャイの酒屋

4月のタイ行きに備えて、酒蔵に保管してあるラオカーオの在庫を調べた。僕はタイではもっぱらラオカーオを飲む。好きな銘柄は”BANGYIKHAN”。所により見つけるのに苦労をする。

在庫は、帰りの荷物を軽くするため500mlのペットボトルに移し替えられた2本だった。今回は先ずハジャイで4泊をする。泡盛と同じほどのアルコール度数を持つラオカーオ1リットルは、僕の酒量に照らして充分とは言いがたい。よって酒屋を探すべく検索エンジンに”hatyai liquor shop”と入れてみた。

真っ先に現れたのは、トリップアドバイザーのQ&Aのページだった。そしてその最上部にある質問は「サントリーのライセンス下で、タイで生産されたサントリーレッドを探している。前回はクラビの酒屋で見つけて飲んだ。かなり美味かった」というものだったから、いささか驚いた。質問をしているのはマレーシア人。

タイは仏教国であるとはいえ、南に下るにつれてイスラム色が濃くなる。よって飲酒も忌避され、酒屋の数も少ないだろうとは、僕も予想をしていた。するとそこに、英国人がかなり詳細な返事を付けていた。しかもその酒屋は、どうやら僕が泊まろうとしているホテルから歩いて行けるらしい。別途、グーグルマップに検索をかけると、こちらも街の中心部にいくつものピンが立った。よってその情報を自分のスマートフォンに送り、ひと安心をする。


朝飯 梅の実ひじき、ホウレンソウのソテーを添えた目玉焼き、筑前煮、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、大根の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 めかぶの酢の物、筑前煮、牛肉と舞茸のすき焼き風、らっきょうのたまり漬、手巻き鮨、「松瀬酒造」の「松の司特別純米」(冷や)


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2023.2.2(木) 季節性外食障害

この日記の検索窓に「昼 外食 反省」と入れてみる。すると、2019年10月には昼に18回も外食をしたことを反省するページが複数、出てくる。

それでは現在の状況はどうだろう。そう考えて、今度は今年に入ってからの日記を見直してみた。すると、歯の治療のため大井町に出かけた1月17日、それと午後から御徒町で同窓会のあった1月28日以外、一度も外食をしていなかった。理由はひとえに、寒さにある。

ここ数年のことと思われるけれど、僕は冬にはほとんど、昼に外食をしなくなった。家族が誰ひとりない夜も、外へ飲みに出ることはしない。むかしは無かった病気が今はたくさんある。僕のそれは、季節性外食障害とでも呼ぶべきものではないか。

そしてこのところは夜に日本酒を飲むことが増えた。普段、夜の食事が和風のときには焼酎と相場が決まっている。ところが先月14日の水神祭からこのかた、和食には日本酒を合わせることがほとんどになった。今冬のこの傾向は、来冬にも繰り返されるだろうか。


朝飯 紅白なます、牛肉と舞茸のすき焼き風、納豆、炒り豆腐、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、ぶなしめじと菠薐草の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 めかぶの酢の物、鮪の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」ヅケ、炒り豆腐、生のトマトと刻みキャベツとポテトサラダを添えた串カツあれこれ、「松瀬酒造」の「松の司生酛純米酒」(燗)


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2023.2.1(水) 大好物の仕事

日本橋高島屋では本日2月1日(水)から7日(火)までの7日のあいだ「日本名店味紀行」が地下1階で開かれる。長男はこの売場に詰めるため、きのうの午後にトヨタハイエースで会社を出た。その際、晦日であれば、社内にあるすべての現金を棚卸しするよう、僕に伝えていった。

商品の棚卸しとおなじく、現金の棚卸しも大切である。しかしこれを行っている人は、個人も法人も、それほど多くないと思う。長男が僕に手渡した紙の表には最大で17ヶ所、今月末に限っては12ヶ所の、現金の置き場所が記されてあった。更には、それら12ヶ所においては合計金額だけでなく、金種別の在庫も記すようになっていたから、いささか恐れ入った。

12ヶ所のうち11ヶ所については、きのうの閉店後に明らかにした。残りの、金額のもっとも大きな1ヶ所の現金在庫は、今早朝に数えた。受光部分の衰えた古い電子卓上計算機にその金額を入れ、記憶している検算用の数字を足す。ぼんやりと浮かび上がった数字は今朝の集計に1円の誤りもなかったことを証明するものだったから、思わず「やった」と声が出る。

朝は、8時30分からパートタイマーの出社する9時までの30分間に、店のカウンターにコンピュータを置く。そして最大で17ヶ所の、金種別の合計金額を自動で算出する計算機を作る。この手の仕事は僕の大好物である。

夜は日本の酒を朝鮮の徳利で温め、それをタヒチ語の書かれた猪口で飲みつつ静かに過ごす。否、これはキーボードを打つ指が勝手に走っただけのことであって、食卓には孫ふたりがいたから、実際にはまったく静かではなかった。というか、とても賑やかだった。まぁ、それもまたよし、である。


朝飯 紅白なます、菠薐草と榎茸のおひたし、納豆、炒り豆腐、焼き鮭、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、焼き葱の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 めかぶの酢の物、牡蠣のソース炒り、鮪の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」ヅケ、「白相酒造」の「栃茜純米」(冷や)、「宇都宮酒造」の「四季桜にごり生酒」(冷や)、鮨其の一鮨其の二「松瀬酒造」の「松の司生酛純米酒」(燗)


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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