2023.2.28(火) 馬々虎々
奥さんが隣にいないと眠れない、という人がいる。
奥さんが付き添ってくれない限り、病院の診察室には入れない、という人がいる。
奥さんと3日以上、離ればなれになると寂しい、という人がいる。
朝、家内を東武日光線の下今市駅へ送る。今日は横浜、明日は東京、そして帰りは来週の月曜日になるという。家内は、いればそれでよろしいし、いなければ、それもまたよろしい。そしてこの日を指折り数えていた、というところもまた、僕にはあった。
午後、市内の2ヶ所を回って買い物をする。その内容は、1週間は無理としても、4、5日は食べ続けることのできる鍋の材料である。ただし白花豆だけはきのうのうちに買って水に浸け、茹でこぼしておいた。
終業後はいそいそと4階へ戻り、台所に立つ。そして先ずは巻湯波を煮て茹でこぼし、5分ほど流水にさらす。次は大鍋に、白花豆とその煮汁、豚の腸、トマトの水煮、コンニャク、セロリ、長葱、そして巻湯波を入れ、水を足す。煮立ったら日本酒を加え、灰汁を取る。塩、醤油、味噌などは加えない。その都度、小さな鍋に移して異なる味で食べるためだ。
別途、肴を整え、酒を温める。そして本棚から持ち来た開高健の「ロマネ・コンティ・1935年」の最初の短編「玉、砕ける」を読みつつ飲酒活動を始める。なぜ「玉、砕ける」かといえば、家内が数日をj不在にするときにはかならず作る鍋が、この小説の中で、老舎によって語られる田舎料理を思い出させるからだ。
朝飯 鰤大根、人参の酢の物、揚げ湯波と小松菜と椎茸の炊き合わせ、納豆、胡瓜と蕪のぬか漬け、白菜漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、白菜と万能葱の味噌汁
昼飯 揚げ玉、塩鰹のふりかけ、梅干のしその葉、胡瓜のぬか漬け、白菜漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」のお茶漬け
晩飯 人参の酢の物、なめこのたまり炊とめかぶの合わせ、白菜漬け、あれこれによる鍋、「末廣酒造」の「末廣」(燗)
2023.2.27(月) 春ちかし
先週土曜日の日記は書けたものの、その最上部に置く画像が無い。内容は春季小祭についてのものだったから、午前、郵便局へ行く途中で瀧尾神社に寄り、使えそうな風景を撮る。文章はできていても画像が間に合わずに更新できない、ということが僕の日記ではしばしば起きる。
「素材としての画像を豊富に持っている人とは、常に何かしら撮っている人」という話が先週、デザイナーと打ち合わせをする中で出た。当たり前といえば当たり前のことながら、それのできる人は希、ということなのだろう。また日記用となれば、あまりに時を隔てたものも、特殊な場合を除いては使いづらい。
午後一番で商談。普段よりすこし遅れて昼食。午後は法務局へ出かけて、ここひと月ほどかけて整えつつあった書類のすべてが揃う。ただしある一ヶ所に疑問が生じたため、明日にも詳しい人に確かめてから関係先へ提出することとする。
天気は今日から10日間ほど晴れが続き、気温も随分と上がっていくとの予報が出る。当たってくれれば有り難い。
朝飯 牡蠣の醤油煮、納豆、揚げ湯波と小松菜と椎茸の炊き合わせ、鰤大根、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、菠薐草の味噌汁
昼飯 昆布の佃煮、揚げ玉、梅干、なめこのたまり炊、塩鰹のふりかけのお茶漬け
晩飯 大葉の天ぷら、鰤大根、刺身湯波の玉子とじ、人参とカリフラワーの酢の物、白菜漬け、蕪と胡瓜のぬか漬け、湯豆腐、「秋田醸造」の「ゆきの美人純米吟醸生」(冷や)、チョコレート、Old Parr(生)
2023.2.26(日) 生産性
小学校に上がると国語の時間に作文を書かされた。僕のそれは2行で終わってしまった。2枚目の原稿用紙を先生にもらいにいく優等生を、僕は信じがたい思いで見ていた。小学3年生のときだったか、津田梅子の伝記の感想文が課題として出された。そしてこれも2行で終わってしまった。エダタダシ先生はその2行をお読みになって「まぁ、内容としてはその通りですが、もうすこし長く…」とおっしゃった。そう言われても、それ以上、何を書けというのか。
僕が作文に開眼をしたのはそれから数年後。いまでも名前は覚えているが、ここには記さない。教室でちかくに座っていたその同級生の作文を読んで「なるほど文字の数は、無駄なことを書けば増やせるんだな」と理解した。
おとといの日記は「無駄なことを連ねれば文章は長くできる」の典型だろう。無駄なことを書かなければ日記は2行で足りる。更に「未明に白菜を漬く。夜月佳し」なら半行。生産性は爆上げである。と、ここかまで書いて文字数は396。教壇に2枚目の原稿用紙を取りにいった優等生の名は覚えていない。
朝飯 菠薐草のおひたし、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、鰤大根、揚げ湯波と小松菜と椎茸の炊き合わせ、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐とトマトと焼き葱の味噌汁
昼飯 生ハムのムースのトースト、ホットミルク
晩飯 めかぶの酢の物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、牡蠣とマッシュルームのアヒージョ、豚薄切り肉と生若布の鍋、「秋田醸造」の「ゆきの美人純米吟醸生」(燗)
2023.2.25(土) 春季小祭
事務机の左に掛けたカレンダーの、今日のところには「9:45 神社」との、数週間ほど前に貼ったポストイットが目立っている。別途、総鎮守瀧尾神社からの春季小祭を伝えるハガキ、また今年度の当番町である小倉1、2丁目の自治会長からの、おなじ内容を伝えるハガキもホッチキスで留めてある。更にはきのうの夕刻「2/25(土)9:45神社」と書いた紙を事務机の表にセロファンテープで貼った。計4点の忘備はひとえに、物忘れのひどい自分への対策である。
今日の販売係はふたり。事務係は滅多にないことだがひとりきり。家内は「汁飯香の店 隠居うわさわ」で仕事、長男は不在にて、社員が昼休憩に入り始める11時30分までにはかならず会社に戻る必要がある。そしてその時間には余裕で間に合う旨を事務係のツブクユキさんに伝え、9時40分に徒歩で神社へと向かう。
責任役員として臨んだ春季小祭は例年どおり、それほどの時間を要さず完了した。しかし拝殿から社務所に席を移しての初会議は長引いた。お開きになったのは11時37分。直ちに会社へ電話を入れ、速歩で日光街道を下る。
1階から4階へ上がるエレベータは、気が急いていても早く動くわけではない。上着を脱ぎ、ネクタイを外し、白いシャツを仕事着に着替えて1階へ降りる。ツブクさんには午前の休憩と合わせて1時間30分の昼休みを取るよう伝え、ようよう普段の仕事に復帰する。
朝飯 牡蠣の醤油煮、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、椎茸と揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、鰤大根、納豆、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと焼き葱と豆腐の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 牡蠣の醤油煮、オールドイングランド、トマトとルッコラとモッツアレラチーズのサラダ、パン、生ハムのムース、ベーコンと菜花のスパゲティ、Chablis Billaud Simon 2018
2023.2.24(金) 白菜漬け
「ひとりでは食べきれないから」と、近所の奥さんから白菜をいただいた。白菜は米袋に入れられていた。3人目の子供を14日に産んだモモ君は現在、子供たちと実家にいる。長男はそこから通勤をしている。家内とふたりで丸ごとの白菜は、なかなか食べきれない。よって白菜漬けを作ることにした。
先ずは既にして完成している一昨日の日記の「公開」ボタンをクリックする。次にきのうの日記を完成させて保存する。ここまでしても時刻は4時50分。時間の余裕は充分である。
道具は揃っている。漬け方も知っている。それでも別の漬け方もあるはずと、検索エンジンに当たる。そして今回は、これまでとは異なる方法を試すこととする。下漬けは20分で完了した。
いま市場で売られている白菜漬けの中には「これではすぐに酸っぱくなってしまうだろう」を通り越して「これではすぐに変質してしまうだろう」と思われるほど塩分濃度の低いものがある。塩や昆布や唐辛子だけでなく調味液を用いて味に変化を持たせているものもある。そして僕の好みは「むかしながら」のそれである。
さて、今朝の白菜漬けが食べられるまでになるには、どれほどの日数がかかるだろう。早ければ来週の月曜日。遅くも火曜日にはいけそうな気がしている。
朝飯 スクランブルドエッグ、納豆、牛肉と椎茸のすき焼き風、椎茸と小松菜の炊き合わせ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと白菜の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 「やぶ定」の酒肴あれこれ、乳茸蕎麦、8種の日本酒(冷や)
2023.2.23(木) 納豆おじさんの会
2時台に目を覚まして3時10分に食堂へ出る。夜の深々と更けていく時間が大好きと言った人がいる。僕は夜の明けていく時間が1日の中でもっとも好きだ。もうひとつ、極端に早く起きると、日記をひとつふたつ仕上げても「まだ4時か」と意外に感じるほど時間に余裕がある。それがまた良いのだ。
実業で成功しているにも関わらず、TikTokのフォロワーはさっぱり増えない例が、このところは目立つ。原因はひとえに参入の遅さにある。そのTikTokで12万3千800人のフォロワーを持つ「けんじ納豆おじさん」が11時に来社をされる。アカウントが@kenjicampなのは、始めたときには一人キャンプや狩猟の動画をもっぱらとしていたからだ。それが納豆に変わったのは、キャンプをしながらの納豆食が視聴者に受けたからだろう。
納豆おじさんを隠居へご案内して店に戻り、しばらくすると、旅姿のお客様が入っていらして隠居の場所を訊ねられた。その、横浜からのお客様と共にふたたび隠居へ行くと、奥の間は随分と賑やかになっていた。そのうち最後のおふたりがお見えになって、皆様がお揃いになったことを家内に知らされる。
厨房の、人数分のお盆には、菠薐草と海苔のおひたし、山芋とめかぶのあわせ、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、鮭の焼きほぐし、牛肉のしぐれ煮、「なめこのたまり炊」の大根おろし和え、漬物の盛り合わせ、そして納豆が整っていた。土鍋のごはんは、家内と係のタカハシリツコさんがそれらのお膳を座敷へ運ぶあいだに蒸れた。僕はその様子を横目にしつつ、トマトのバターソテーを添えた目玉焼きと味噌汁の火の番をする。
今日のすべての料理、またお客様それぞれがご注文になった飲物すべてが座敷へ運ばれた頃合いを見計らって、ふたたび店に戻る。昼どきの店には事務係のカワタユキさんが応援に入っていた。
夕刻、今日の参加者ふたりを伴って、納豆おじさんが街から戻っていらっしゃる。ファン・ミーティングの開始から最後まで残られた方のお見送りまで、5時間以上の「つきっきり」である。「随分と頑張られたなー」と感心をする。参加者の皆様の、街歩きも含めての満足度はいかがだったろう。感想を承ることを、とても楽しみにしている。
朝飯 スクランブルドエッグ、揚げ湯波と小松菜と椎茸の炊き合わせ、納豆、「なめこのたまり炊」の大根おろし和え、胡瓜のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、メシ、ブナシメジと万能葱の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 巻湯波と菜花の炊き合わせ、山芋とめかぶの合わせ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、キムチ鍋、「原酒造」の「穂耀純米大吟醸」(燗)、杏仁豆腐
2023.2.22(水) 隠居のうちそと
デザイナーのうちひとりは、きのうの夜にクルマで帰京した。残ったひとりは今朝、様々な資料を長男から手に入れて、東武日光線の下今市駅へ向かった。ウェブ担当者は残り、9時より隠居に上がる。
隠居の建屋の裏手では、たまり漬を熟成させる冷蔵室の室外機を置く台が、きのうから造られている。座敷まで騒音の届くことはない。工事は今日までの2日間で一旦、中断され、金曜日に引き渡しと、責任者からは伝えられた。
ウェブ関係の話し合いは、昼食をはさんで13時30分に完了した。次は来月末に、今度はリモートによる会議が予定をされている。この担当者を採用してから伸びたインターネット経由の売上げは、以前のそれにくらべて3倍になるだろうか。
午後、その担当者が事務係のカワタユキさんと話をするあいだに「汁飯香の店 隠居うわさわ」のための食材が届く。僕はそれを台車に載せて隠居へ運ぶ。明日は営業日ではないものの、Tik Tokのインフルエンサーによるファンミーティングが控えている。主催者も参加者の皆さんも、日光での食事と街歩きを楽しんで戴ければとても嬉しい。
朝飯 酢蓮、鰤大根、揚げ湯波と椎茸と小松菜の炊き合わせ、納豆、胡瓜と蕪のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と菜花の味噌汁
昼飯 「日光鱒鮨本舗」の「鶏めし」、「上澤梅太郎商店」のフリーズドライ味噌汁”with LOVE”
晩飯 「食堂ニジコ」の胡瓜の辛子和え、皮蛋、豆腐サラダ、豆腐と海老の塩煮、海老春雨丼の頭だけ、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)
2023.2.21(火) 庭の白梅
きのう東京からデザイナーがふたり、富山からウェブ担当者ひとりが来た。9時から仕事を始めるための前乗りである。その3人と僕、そして長男の5人が、今日は9時より隠居に集まった。そして今年の、更には少なくとも5年間は保たせられる広告について、意見を出し合う。
隠居の、8畳と6畳の座敷は「汁飯香の店 隠居うわさわ」の営業のため、襖や障子は取り払ってある。古い日本家屋の常として、密閉性は高くない。よって3枚の暖房絨毯には、僕が朝のうちに電源を入れておいた。4台ある石油ストーブのうち3台には、長男が火を入れた。
庭の紅梅は、気づかないうちに随分と花の数を増やしていた。座敷の目の前にある白梅は、昨年の施肥が効いたか、ことしは沢山の芽をつけている。花はいまだ2輪のみだ。しかし半月もすれば、満開になりそうな気がする。
話し合いは来月から秋にかけての日程を決めて、18時前にようよう完了した。空は晴れている。星が明るい分、寒気はいよいよ厳しい。地面に膝をついて水道の元栓を閉めてから、隠居を去る。
朝飯 「なめこのたまり炊」のフワトロ丼、蕪と胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、厚揚げ豆腐と菜花の味噌汁
昼飯 「やぶ定」のたぬき玉子とじ蕎麦
晩飯 「やまだ宴楽」のお通しの春巻きと手羽先揚げ、刺身の盛り合わせ、蛸の唐揚げ、芋焼酎「三岳」(お湯割り)
2023.2.20(月) いつまで
昼は食事のため、店の人員は薄くなる。ところがご来店のお客様は、昼にもっとも多くなる。よって家族であっても昼食を共に摂ることはしない。僕の昼食は、外食をしない限り、自分で作って一人で食べる。その内容はどういうわけか、ひとつのものが一定のあいだ続く傾向にある。たとえば夏なら素麺ばかりが続き、冬ならラーメンばかりが続く、というようなことだ。
現在のパンとホットミルクも長い。これがいつから続いてるかを、この日記を遡って調べてみた。最初のそれは、正月も開けようとしてる先月の5日だった。以降、今日までの47日間に、同様の昼食を26回、食べていた。自分では延々と続いてきたように感じていたけれど、47日間に26回なら、それほどでもない気もする。
10年ほど前に”BRUITUS”の朝ごはん特集を読んだことがある。僕の目を引いたのはピーター・バカランのそれで、彼はベーグル、果物、ミルクティーの朝食を30年のあいだ続けているとあった。以降も変わっていないとすれば、今や40年間、おなじ朝食を食べ続けていることになる。それにくらべれば、僕のパンとホットミルクなどは、どうということもない。
現在の昼食は、バターを除けば塩分はほとんど含んでいない。一方、乳脂肪分はとても多い。ちなみにミルクに砂糖は入れない。いまの僕のからだがそういう食事を欲しているのかどうかは分からない。それにしても、この昼食はいつまで続くのか。そして春になれば、昼に外へ出ていくことが、また増えてきそうな気もする。
朝飯 クーブイリチー、生玉子、納豆、めかぶの酢の物、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、厚揚げ豆腐と万能葱の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 「和光」のお通しの鶏モツとじゃがいもの煮物、刺身の盛り合わせ、ドンゴロ鰯の素揚げ、烏賊のバター焼き、鹿の味噌焼き、漬物の盛り合わせ、麦焼酎「吉四六」(お湯割り)、ハイボール
2023.2.19(日) 夜のオムレツ
きのう製造部長のマキシマトモカズ君が、日光味噌粒みその次のロットを事務室に持ってきた。本職は、味噌の味は目で見ただけでおおむね分かる。「おおむね」から先のことは、鼻を舌を使って知る。今朝の味噌汁には、その味噌を用いてみた。
色は、京都の白味噌による味噌汁のようだ。大豆の香りの残っているところも、京都のそれを思わせる。上澤梅太郎商店が登録商標を持つ日光味噌としては、もうすこし寝かせる必要がある。しかし現在の低気温では、いくら寝かせても熟成はほとんど進まないだろう。「4月の末までは置きたいところだが」と考える。現在のロットがそれまで保つかどうかについては、明日以降に計算することにしよう。
8時40分、販売係のパートタイマーが出社をする前に、朝日の差す店の、細かいところを見てまわる。そして気づいた2、3の点につき、頭に刻み込む。
午前、僕のいないあいだに団体様の、12時30分の予約をいただいたという。それを受けて、販売係は昼休みの時間を繰り合わせた。僕の、14時からの昼食まで飲まず食わずでは腹が減る。牛乳くらいは飲んでおこうと、4階の食堂に上がる。そして冷蔵庫の扉を開けながらふと外に目を遣ると、濃いピンク色の大型バスがいつの間にか駐まっていた。時刻はいまだ11時10分。旅程に変更はつきものだ。即、冷蔵庫の扉を閉めて、小走りにエレベータへ向かう。
家内は家内で「汁飯香の店 隠居うわさわ」が忙しく、夕食はオムレツにて簡単に済ませることとする。家内は夜のオムレツには気の進まない様子ではあるけれど、僕は夜のオムレツは、むかしから大好物である。
朝飯 牡蠣の醤油煮、巻湯波と菜花の炊き合わせ、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、メシ、厚揚げ豆腐と万能葱の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 牡蠣のアヒージョ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ドライマーティニ、ハムと玉葱のオムレツ、ニンニクと唐辛子のスパゲティ、Chablis Billaud Simon 2018