2022.2.8(火) 新しいカバン
先月23日、一澤信三郎帆布に商品2点を注文した。確認書と専用の払込用紙は同月27日に郵送された。代金は当日のうちに振り込んだ。「納品までに1ヶ月前後お待ちいただく場合もございます」とページにはあったものの、当該の商品つまり「手さげ H-13 小」と「ショルダー S-02 小」は本日午前に配達をされた。注文から商品の到着まで16日なら、驚くべき速さと言わなくてはならない。特に手提げの方は、特注品だったのだ。
銀行、昼食、夕食、飲み屋。とにかく少しのものを持って出かけるときには、ここ数年はゴルフのラウンドバッグを使ってきた。そのジップの部分がほころびてきたことによる、今回の注文だった。ラウンドバッグはすぐに捨てた。一澤の手提げ袋は死ぬまで保つに違いない。
「ショルダー S-02 小」は薄いだけに、肩掛けの紐を縛って短くすると、胸にピタリと張りつく。この手のバッグはモンベルの薄く軽いものを持っている。しかし丈夫さはもちろん帆布に軍配が上がる。次に海外へおもむく際には、僕はこれを、現地用としてスーツケースに収めるだろう。
朝飯 鰤大根、菜花の榎茸のおひたし、納豆、蓮根の梅肉和え、胡瓜と蕪のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と若布と長葱の味噌汁
昼飯 「森友直売所スマイル館」で買ったオムライス、日光味噌と日光湯波のフリーズドライ味噌汁”with LOVE”
晩飯 ベビーリーフとコンビーフのサラダ、蟹と帆立貝とマカロニのグラタン、TIO PEPE、Chablis Billaud Simon 2015
2022.2.7(月) 馬鹿にならない
目を覚ますと両の手には木綿の手袋があった。きのうの夜は手に大量のメンソレータムを塗り込み、手袋をはめて寝たのだ。手袋を外すと、手にはいまだ油のベタつきが残っていた。「これじゃ何も触れねぇじゃねぇか」と考えながら起床する。
今月3日の日記に書いた理由により、目を覚ましても、枕の下からiPhoneを取りだし時刻を確かめることは、このところはしていない。起きて顔を洗いながら見た洗面所の時計は3時17分を示していた。
3日分の日記の3日目、すなわちこの2月7日の日記を書きつつ食器棚の時計に目を遣ると、時刻は4時35分。手のベタつきは完全に消えていた。自然と肌に吸収されたのだろうか。
手を保護するクリームは日本ケミファのモイスポリアホワイトが最強と、この日記にしつこく書きながら、今年はそれを使っていない。朝、それを手に塗り、ベタつきが消えるまで手を擦り合わせる、その時間が惜しいのだ。
クリームを塗らなければ手指にはアカギレが切れる。血が出ては仕事にならないからバンドエイドのキズパワーパッドを貼る。その代金が、この冬は馬鹿にならない。昨年11月からきのうまでの小遣い帳を「キズパワーパッド」で検索すると、その合計金額は23,860円と出た。
かかとのアカギレには小林製薬の「かかとちゃん」が非常に有効である。しかし僕はこの「かかとちゃん」を愛用するあまり、昨年は、アカギレは消えたものの、手強いあせもができてしまった。よって今冬はこれを使っていない。23,680円には、かかとのアカギレに貼る分も含まれているのだ。
そして今、思いついた。今夜はメンソレータムではなく、モイスポリアホワイトを手に塗って、手袋をして寝てみよう。さて明日の朝は、どうなっているだろう。
朝飯 生玉子、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、牛肉と玉葱と舞茸のすき焼き風、大根のぬか漬け、沢庵、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、じゃこ、メシ、若布とシメジの味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 もつ煮、めかぶと松前漬けの混ぜ合わせ、お好み焼き、焼きそば、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2022.2.6(日) かけ離れているものの
「カルダモンの香りがする」と長男の言った、正方形の断面を持つ線香は、数日前に尽きた。ひと箱あったそれはどれほど保っただろうかと、この日記に検索をかけてみた。その結果、使い初めは昨年の7月7日と知れた。つまり保ったのは7ヶ月、ということになる。
その前の、まるで竹ひごのように長い線香は1年と1ヶ月のあいだ保った。朝に供える線香の本数は2本と決めている。このことからすれば、おなじほどの大きさの箱に入った線香も、本数はまちまち、ということになる。
本棚の下の引き出しに保管した線香は、オヤジ、おばあちゃん、オフクロの、初彼岸や初盆にお供えとしていただいたものだ。それがいよいよ残りふた箱になった。線香は、来年の後半からは自分で買うことになるだろう。
二十代の前半、住んでいた甘木庵から春日通りに出て切り通し坂を下ると、天神下がちかくなるあたりの左側には金物屋と居酒屋があった。朝、その前を通り過ぎようとすると、いつも線香と味噌汁の香りが混じり合って聞こえてきた。線香と味噌汁の香りはかけ離れている。しかしその匂いの複合は、僕にはとても懐かしく感じられた。
現在、家の仏壇は応接間にあり、となりの食堂とは引き戸で隔てられている。線香を供えるのは起床の直後だから3時台とか4時台。できたての味噌汁を口にするのは6時45分ころ。線香と味噌汁の香りが混じり合って漂っていたのは二代前の家で、僕がせいぜい小学校5年生くらいまでのことだったと思う。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、めかぶの酢の物、納豆、ソーセージのトマト煮、大根のぬか漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 長葱と塩鰹のふりかけのスパゲティ
晩飯 もつ煮、沢庵、白菜と春菊と厚揚げ豆腐と豚肉の鍋、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2022.2.5(土) 高値の秘密
土曜日に届く日本経済新聞の、特に好きなところは読書面だ。週替わりの特集は、右上に「あとがきのあと」、右下に「半歩遅れの読書術」、左上に「この一冊」、そして中央上部左寄りのもっとも目立つところに、いかにもニッケーらしく「リーダーの本棚」が置かれている。
様々な分野で名を成した人たちによる「リーダーの本棚」には、その人の読書体験と共に、自身による短評つきで、6、7冊の愛読書が紹介される。そしてそこにはしばしば、自分も読んでみたいと感じる本が出てくる。
そんな本をインターネット上に検索すると、大抵は売り切れか、とんでもない高値が付いている。売り切れは、買い手が殺到したことによるものだろう。それでは高値については、どう考えるべきか。
1.書評欄を持つ新聞や週刊誌をいち早く取り寄せ、息せき切って書評に目を通し、そこに自分の出品している本があれば、即、その値段を高く設定し直すマメな古書店が多く存在している。
2.自店の在庫に高い需要が見こまれることを秘蔵の「古書AI」が察知し、瞬時にその本の値段を「適正値」まで自動的につり上げる。
3.「駄目で元々」と考えて、最初から高値を設定しておく。
上記の1.2.3.は僕の想像によるもので、実のところは分からない。
とうに売り切れていたり、とんでもない高値の付けられている本を、安く買う手は、しかし、ある。市場から消える前に、あるいは高くなる前に、買っておくのだ。
朝飯 納豆、めかぶの酢の物、煮奴、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「あづま」のカツあれこれ、同大根と胡瓜のぬか漬け、沢庵、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、孫が作ったチョコレートケーキ、Old Parr(生)
2022.2.4(金) しばしお別れ
「ウワサワさんの日記は、たびたび時間を明確にしてありますね」と言われたことがある。日記が長大な歳月の日割りなら、それを更に時間割にしたがるクセが、僕にはあるのかも知れない。
旅行の記録は面白い。今はインターネットがあるから、素人のものも含めて膨大な数のそれを読むことができる。そのような中で僕を不満にするのは、時間の経過を明らかにしていないものだ。
おとといときのうは家内が日本橋高島屋に出張をしたことにより、夕食はひとりで摂った。ひとりなら飲酒活動をしながら活字を追える。おとといから読み始めた「三島由紀夫紀行文集」は、冒頭からいきり僕の興味を惹く。1951年12月25日、26歳の三島は横浜から船でサンフランシスコを目指す。以下は出発翌日の日記の抜粋。
……
千夜一夜物語の筆法によると、この船の生活は一行に尽きるはずである。
「それから私たちは、十四日の航海を経て、バグダッドに着きました」
それはバグダッドでも、われわれのように桑港でも、変りはない。船客としての航海日記はほとんど意味がない。ここには行為が欠けているから、書く価値がないのである。
……
千夜一夜物語からの引用は、正しく「時間の経過を明らかにしていないもの」だ。しかし「書く価値がない」はもちろん三島の修辞に過ぎない。紀行文「アポロの杯」はますます面白くなるはずだが、今夜の食卓は3日前に戻って賑やかだ。本読みとは、しばしお別れである。
朝飯 春菊のおひたし、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、納豆、じゃこ、白菜漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、若布と長葱の味噌汁
昼飯 モンドオルチーズと柚のジャムを載せたトースト、コーヒー
晩飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、薩摩揚げの網焼き大根おろし添え、モツ煮、蕪と胡瓜の浅漬け、塩らっきょう、鯵の干物、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)
2022.2.3(木) 節分
目を覚まして真っ先にするのは、枕の下からiPhoneを取りだし、現在時刻を確かめることだ。それだけで済ませれば良いものを、ついウェブニュースのアイコンをタップしたりするから、時間を無駄にする。それが今朝は頭にあって、目を覚ますなり起床した。服を着て寝室の隣の洗面所へ行くと、腰よりすこし低い戸棚に置かれた時計は4時37分を示していた。
「忙しさにかまけて」と書けば言い訳になる。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の、僕に科せられたコンピュータ仕事には、昨年の11月なかばから1月末まで手を着けずに来た。今日は午前の遅い時間から気の散らない4階へ上がり、入力を始める。この仕事には結局のところ、209分間を要した。2ヶ月半分を溜めては流石にまずい。これからは月締めを守ることにしよう。
節分の豆まきは、嫁のモモ君と孫ふたりがしてくれた。僕はその様子を眺めているだけで、とても楽だ。大いに有り難い。夕食は、きのうに引き続いて、ひとりで摂る。
朝飯 めかぶの酢の物、紅白なます、納豆、白菜漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と春菊の味噌汁
昼飯 きのうの鶏と人参のスープ煮のぶっかけ飯
晩飯 モンドオルチーズと柚のジャムを載せたトースト、おとといのタッカンマリをきのう洋風に作り直した鶏と人参のスープ煮を更に作り直したモツ煮、TIO PEEP、Chablis Billaud Simon 2015
2022.2.2(水) 微力
試食用の楊枝をお母さんに持参して欲しい旨の、長男からの連絡が家族の同報LINEに入っていた。送信時刻は0時5分。僕が目にしたのは4時35分だった。
起きて洗面を済ませると、食堂に出て仏壇に供えるお茶のための湯を沸かす。普段であれば、沸いた湯を仏壇用と僕用の各々の湯飲みに満たして適温まで冷ます。しかし今朝に限っては電気ポットのスイッチを入れたまま即、エレベータで1階に降りた。そして店と蔵を繋ぐ廊下の棚に、楊枝の積み上げられた紙箱を見つける。そこからひとつを取って玄関に戻り、飾り戸棚の、かならず目に付く場所に置く。
本日2月2日から2月8日まで、日本橋高島屋S.C.本館地下1階の食料品売場で「老舗名店味紀行」が催される。上澤梅太郎商店も、そちらに出店をさせていただく。長男はきのうの夕方、販売主任ハセガワタツヤ君の運転するハイエースに乗って東京へ向かった。充分に点検をしたつもりだったが、楊枝だけを積み忘れてしまったのだろう。
朝食は、いつもより早く済ませた。もとより初日と2日目は現場に立つこととしていた家内は、07:03発の始発の特急に乗るべく、自転車で下今市駅へと向かった。
これからの1週間を実り多いものにすべく、僕も微力を尽くしたい。
朝飯 納豆、紅白なます、菠薐草のソテーを添えた目玉焼き、じゃこ、白菜漬け、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、蕪のぬか漬け、メシ、白菜と人参と牛蒡と揚げ湯波の味噌汁
昼飯 たまり漬「ホロホロふりかけ」と春菊のスパゲティ
晩飯 コールスロー、モンドオルチーズと柚のジャムを載せたトースト、きのうのタッカンマリを洋風に作り直した鶏と人参のスープ煮、TIO PEPE、Chablis Billaud Simon 2015
2022.2.1(火) これはちと強力
新品のクルマを買って、それをどこかにこすって傷をつければ、気分が損なわれることは確実だ。しかし、欲しくて堪らなかった古いクルマが予期せず自分のものになったとき、その表面にある塗装のはがれやこすれた跡は、むしろ頼もしい。それは向こう傷であり、また貫禄である。
本はほとんど古書でしか買わない。安い、ということもあるけれど、誰かが入ったあとの風呂の湯、とでも表現すべき柔らかさが好きなのだ。ヨゴレ、ヤケ、シミ、イタミ、書き込みなど、古書に特有の「難」も、まったく気にしない。
しかしながら、今回の「難」は、ちと強力だった。本は、日本ジャーナリスト専門学校という、今は無くなってしまった学校の図書室から市場に流れたものだった。裏の見返しに貼りつけられた貸出票の袋と貸出期限票、透明の粘着シートで固定されたカバーが見返しの地図を隠している。
カバーは、カミソリを使えば外せるだろう。しかし貸出票の袋と貸出期限票は、どうやら糊付けをされているらしい。参照すべき地図が見られなくては困る。とにかくこの本には、併せてインドシナの地図が必要だ。安く手に入れられれば幸いである。
朝飯 揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮を薬味にした納豆、紅白なます、菜花のおひたし、たたき牛蒡、胡瓜と蕪のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、白菜と人参と牛蒡と菠薐草と揚げ湯波の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 たたき牛蒡、白菜キムチ、菠薐草のナムル風、人参のサラダ、塩らっきょう、鶏と蕪と里芋のタッカンマリ、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)、2種のチョコレート、Old Parr(生)