2021.7.11(日) ナホライ
道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の売り場の掃除と検品を済ませて8時20分に、会社の目と鼻の先まで戻ってくる。お客様らしい方が、外の掃除をしている事務係のカワタユキさんに何やら訊ねている様子が、ホンダフィットの運転席から見える。カワタさんが隠居の方を指す。お客様はそちらの駐車場にクルマをお回しになった。
カワタさんに確認をすると案の定、そのお二人組は「汁飯香の店 隠居うわさわ」での食事をお望みとのことだった。即、厨房の家内に電話を入れる。ところが隠居は予約のお客様により既にして満卓。席に余裕ができるのは昼ごろだという。それをお伝えするため、8時30分の開店をお待ちの、先ほどのお客様のクルマに近づく。お客様は納得をされて、今日のところは買い物のみでお帰りになった。
ところで今日は八坂祭の日だ。東京オリンピックと同じく「無観客」の開催ではあるけれど、会所には瀧尾神社の宮司をはじめ当番町の自治会長や神社総代、神社世話人などが来てくれる。よって9時すこし前に町内の公民館へ行く。
宮司が祝詞を奏上し終えたのは9時25分。隣の住吉町へ向かう一行を見送ってから、お祭の飾りつけを外し、押入や倉庫に片付ける。と同時に蕎麦の「やぶ定」に電話を入れて、直会の席を11時30分から確保する。
朝に晴れていた空は、しかし午前のうちに曇り、午後の中ごろからは雨になった。夕刻には雷も鳴ったものの、派手さにはまったく欠ける。梅雨明けは、いましばらく後になるだろう。
朝飯 焼きおむすび、水茄子のぬか漬け、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、トマトと胡瓜の味噌汁
昼飯 「やぶ定」の冷やしたぬき蕎麦(大盛り)
晩飯 “Parrot”のチキンカントリー、Henry Fessy Beaujolais 2017
2021.7.10(土) 行きつけ
「行きつけの店」という随筆集が山口瞳にある。とても美しい装丁の本だ。奥付の「一九九三年七月八日初版第四刷」からして、手に入れたのもそのころだろう。当時はamazonなど無かったから、僕はこれを定価の2,500円で買ったはずだ。本屋は小倉町の玉藻文庫だった可能性が高い。今、その場所は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の駐車場になっている。
それはさておき今朝はこれを食堂の机に持ち来て何気なく開いてみた。鉢巻岡田の女将の接客についてのことが、そこには書かれていた。一読して「なるほどねー」と思わず声を漏らす。
行きつけの店には入りやすい。初見の店には入りづらい。初見で入りづらい随一は床屋ではないかと思う。
1982年から行きつけだった、住吉町の加藤理容所は2019年にオヤジさんが引退をして店を閉めた。以降は出張の折りなどに、学生のころにかかっていた本郷の床屋、あるいは新橋の大衆床屋で髪を刈った。また「コロナ以前」はタイへ行くたび床屋にかかった。しかし地元にも「行きつけ」を作らなければ、何かと便が悪い。
初見の店には入りづらいからいろいろと頭を巡らせるうち、オフクロが晩年に通っていた春日町2丁目のスティングが浮かんだ。初めてかかったのは今年の1月20日。今日で4回目になるだろうか。そして髪も髭も3ミリのバリカンによりさっぱりとして、10時13分に会社に戻る。
朝飯 めかぶの酢の物、納豆、豚薄切り肉とマッシュルームのクリーム煮、キャベツとベーコンの蒸し物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、キャベツの味噌汁
昼飯 焼き鮭、昆布の佃煮、梅干、ごぼうのたまり漬のお茶漬け
晩飯 トマトとマッシュルームのスパゲティ、2種のパンと生ハムのムース、Chablis Billaud Simon 2015、チーズ、Old Parr(生)
2021.7.9(金) 在庫
今月1日の「ひと手間」、5日の「ロンさん」、6日の「勝負」、7日の「七夕」、そして8日の「読書灯」は、日記とはいえ別段、その日にあったことはほとんど、あるいはまったく書いていない。つまり使おうとすれば、いつの日の日記としても使える。このようなものを在庫していると、書くことのない日にも困ることがない。
他には先月の中ごろに書いたひとつが公開されないままになっている。とはいえ特に先月28日の「カタツムリ」以降、日記は書けて書けて仕方がない。この7月9日の日記も実は、前日の8日に書いたものだ。よって上記の在庫がいつ必要になるかは分からない。
ところで仕事中は帽子をかぶり、更にマスクも付けているから目立たないものの、髪と髭が伸びている。僕のような坊主頭は、ひと月に1度は散髪の必要がある。しかし床屋には、ふた月ちかくも無沙汰をしてしまっているのではないか。そういう次第にて行きつけの「スティング」に電話を入れ、明日9時30分の予約を確定する。
朝飯 納豆、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、蓮根の梅肉和え、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 「汁飯香の店 隠居うわさわ」のトマトのすり流し、「汁飯香」、甘味
晩飯 茹でたブロッコリーと隠元豆、2種のパン、豚薄切り肉とマッシュルームのクリーム煮、Chablis Billaud Simon 2015、メロン
2021.7.8(木) 読書灯
活字中毒ではあるけれど、本は家ではほとんど読まない。それはなぜかと、今朝は考えてみた。
海外へでも行かない限り、僕に休日は、ほとんど無い。昼には仕事がある。夕食を摂ればすぐに入浴をしてすぐに寝る。自由になる時間といえば、深夜あるいは早朝に目覚めて朝食までのあいだが唯一だ。2013年の秋から冬にかけて自宅を大規模に改装した。その結果、もっとも居心地の良い空間は食堂になった。起きて洗面をして服を着れば、間違いなく食堂に直行する。
食堂の天井には照明器具が埋め込んである。明るさは、設計士のコバラマモルさんが公式に従って決めたものだろう。会社の研修のためホテルの部屋を借りる場合、それが会議室ではなく宴会場だったりすると、照度の不足により文字の読み書きに苦労をする。それがウチの食堂でも発生する。よって夜と朝のあいだから朝にかけてはいきおい、本ではなくコンピュータを開くことになる。それが、僕が家で本を読まない一番の理由と、今朝は分かった。
「だったら読書灯があれば、家でも本が読めるではないか」と思いついた。しかし電線を引き回す式の明かりは扱いが厄介だ。ある程度の大きさがあるだろうから、部屋の簡素さを損なう怖れもある。そこで検索エンジンに「充電式 読書灯」と入れてみた。するとどうだろう、良さそうなものがいくらでも出てくるではないか。中には折りたためばワインの瓶より小さくなるものや、煉瓦ひとつ分より小さくなるものもある。
ウェブ上を徘徊して数々の説明を読み、使用者による評価を読み「なるほどな」などと腹の中でつぶやきつつ、しかし今朝のところは購入を保留する。更に調べてみることにしよう。
早朝の仕事から上がって一服した現在は5時30分。雨は降っているものの、外は明るくなってきた。それに気づいて先ずは、きのう読み逃した日本経済新聞の第40面を開く。「私の履歴書」の、ブンヤシット・チョクワタナーの文章が良い。
朝飯 納豆、ジーマミー豆腐、茄子のソテー、キャベツと茗荷の浅漬け、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、キャベツと揚げ湯波の味噌汁
昼飯 弁当
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダ、スパゲティナポリタン、ドライマーティニ、TIO PEPE
2021.7.7(水) 七夕
「これほど涼しい7月は初めて」と、ベランダの鉢植えの画像と共にSNSに上げた人がいる。昨年も一昨年も長梅雨だった。よって昨年も一昨年も、7月のはじめは涼しかったのではないか。あるいは昨年は、気温だけは高かったのかも知れない。
早朝、というか夜と朝のあいだに目を覚ます。そして暗闇の中で、寝台の下に用意したポロシャツを着る。今朝は、その1枚だけではいかにも涼しすぎる。「木綿のセーターを重ねようか」と考え、しかし瞬時に打ち消す。そして「なるほど、オレにとって重ね着は、仕方なく、やむを得ずすることだったんだな」と気づく。薄着で育てられた人間は、たとえ寒くても、身につける服の数はできるだけ減らそうとするらしい。
身のまわりを整頓するため、Tシャツのほとんどを数年前に捨てた。すると今度は、また別のTシャツが欲しくなる。昨月は、僕としては倹約に励んだ。その結果、使った小遣いは予算の4割弱に収まった。「だったら新しいTシャツ、買うか」と勃興する気持ちを一方では抑え込む。Tシャツはいまだ、計7枚があったと思う。
きのうの夜に孫のリコが描いたらしい彦星と織り姫の絵が、食堂の柱に貼ってある。それを目にしてようやく、今日が七夕だったことを知る。
朝飯 納豆、干し海老を薬味にした菠薐草のおひたし、スペイン風目玉焼き、ジーマミー豆腐、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 焼き鮭、なめこのたまり炊、昆布の佃煮、梅干のお茶漬け
晩飯 孫が保育園から持ち帰ったピーマン、ガスパチョ、TIO PEPE、キャベツと人参のなますとたまり漬「鬼おろしにんにく」と同「刻みザクザクしょうが」によるソースを添えたビーフステーキ、菠薐草のグラタン、Chateau Leoville Las Cases 1984
2021.7.6(火) 勝負
知識と経験を以て老人が尊敬される時代は終わったという。知識、そして経験に裏打ちされた知見は、検索エンジンに答えを求めればすぐに知ることができるから、というのがその理由らしい。
線香は毎朝2本を仏壇に上げる。きのうは1本だけが線香立てに残った。よって今朝は例外的に、その1本のみを上げた。「きのうのうちに足しておけば良かったではないか」と問われれば、今朝までの線香は通常の倍ほども長い特殊なもので、次に控えているのは正方形の断面を持つ短いものだ、木に竹を接ぐわけにはいかない。
ところで今朝までの、まるで竹ひごのような長さの線香は、一体全体、どれくらいのあいだ使い続けたものだろうかと考えて、この日記に検索をかけてみた。使った語句は「線香 長さ」だ。すると果たしてその使い初めは昨年の5月7日と知れた。日に2本を使いながら1年と1ヶ月が保ったということは、1箱に800本ちかくが納められたいたことになる。
それではこの長い線香は、ひと箱に何把が納められていたか、それを知るために「線香 一把 本数」と検索エンジンに入れてみた。答えは「80~120本」と出た。
検索エンジンとはなるほど、何でも教えてくれる。これからの老人は知識や知見ではなく、人柄あるいは身についた技術で勝負をするしかないだろう。まさに、僕に欠けた部分である。
朝飯 菠薐草のおひたし、揚げ湯波の甘辛煮、ひじきの炒り煮、納豆、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、玉蜀黍の天ぷらと小松菜の味噌汁
昼飯 「十文字食堂」の地獄メン
晩飯 刺身湯波、胡瓜と茗荷の浅漬け、水茄子のぬか漬け、菠薐草のソテーを添えた鯛と帆立貝のバター焼き、茄子とパプリカの味噌炒り、「菊姫」の「山廃仕込吟醸」(冷や)
2021.7.5(月) ロンさん
僕にモノを売ろうとする人は、僕にそれを売ることはできない。何やら禅問答めくけれど、美空ひばりの「柔」の歌詞を引用すれば分かりやすい。「売ると思うな、思えば負けよ」である。
僕を訪ねてきて、あれこれ勧めるでもなく、しかしそのおっとりした風情により「この人からは、何か買ってあげなくては」と強く感じさせたのは、香港出身のワイン商ロンさんだった。結局のところ僕は、1996年の”Les Forts De Latour”半ダースをロンさんから買った。21年前のことだ。
ふたり目も名前はロンさん。こちらはカンボジア人。
2010年6月、栃木県味噌工業協同組合の親睦旅行でアンコールワットを訪ねた。超弩級の遺跡を2日間で見てまわるという、いかにも日本人の旅行にふさわしい無茶な日程の最終日に、僕は行きたいところがあった。インドシナが発展するにつれ消えつつある「カフェー」だ。カフェーとは、地元の歌手が舞台で歌い、客はそれを眺めながら食事をする、ひとつの飲食形態である。
ロンさんは「カフェー」という未知の言葉をようやく理解して、それをシエムリアップでは「ビアガーデン」と呼ぶことを教えてくれた。同行を募るとふたりが手を挙げた。夜の案内は、ロンさんの仕事には含まれない。心付けはいくら払うべきかと訊く僕に「それは、これから行くところで使ってください」と答えたロンさんに、僕を含む3人は計30米ドルを手渡した。
「柔」の2番には「人は人なり、望みもあるが、捨てて立つ瀬を越えもする」の文句がある。「仕事に恵まれるのは週に半分」と語っていたロンさんは、欲を捨てて30米ドルを得た。更に、ロンさんの人柄に惚れた僕は彼の電話番号を手帳に走り書きした。その携帯電話を2013年の初夏に日本から鳴らして、今度は個人旅行の案内を頼んだ。そして5日と数時間の働きに対して630米ドルを支払った。
いかにしてモノを売るか、という本が書店には満ち、インターネット上には動画があふれている。しかしふたりのロンさんのような売り方は、習得しようとしてできるものではない。
1996年の”Les Forts De Latour”には、いまだ手を付けていない。アンコールワットやバライはピラミッドに匹敵する遺跡ではあるけれど、あまりに巨大、あまりに濃すぎるから「3回は、どうかな」と感じている。もっとも昼はプールサイドで本を読み、夜はロンさんとビアガーデンに行く、そういう手はあるかも知れない。
朝飯 生のトマト、生玉子、刻みキャベツと肉団子、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 「ふじや」のタンメンバター
晩飯 トマトとコールスローのサラダ、カレーライス、らっきょうのたまり漬「浅太郎」、Old Parr(お湯割り)
2021.7.4(日) 会所つくり
iPhoneにはきのうのうちから、今日の9時50分に警告音を設定をしておいた。その音に促されて事務机を離れ、町内の公民館へ向かう。役員は8人ほどが集まっていた。先日、酒屋に頼んでおいた御神酒は既に届いて、祭壇に並べてあった。外へ置く一双の提灯台は、3人がかりでまたたく間に組み立てた。竹と榊はこれから届くらしい。その飾りは他の役員に任せて会社に戻る。
「2021年 関東 梅雨明け」と検索エンジンに入れてみるも、予報はどこにも見あたらない。きのうは熱海の市街地で大きな土砂崩れが起きて、信じがたい数の行方不明者が出ている。世界最速のコンピュータ「富岳」を使っても、梅雨がいつ明けるかの予想はできないのだろうか。
この日記に「梅雨明け」で検索をかけてみる。
2018年は「2度目の梅雨明け」が7月9日、2019年は「これで梅雨明け」が7月29日、2020年は「本当の梅雨明け」が8月11日。つまり直近は2年つづきの長梅雨だった。
今年の梅雨は、いつ終わるのか。充分に降ったのだから、早く明ければいいと思う。
朝飯 厚揚げ豆腐と白菜漬けと水菜の味噌鍋、メシ、蓮根の梅肉和え、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」
昼飯 弁当
晩飯 トマトとレタスとアボカドのサラダ、グリーンアスパラガスの玉子とじ、鮭のグラタン、Chablis Billaud Simon 2015、ジンジャーケーキ、Old Parr(生)
2021.7.3(土) コルカタでもダッカでも
忘れてならないことは、事務机左手のカレンダーに記入し、更にポストイットにも書いて、目に付きやすいところに貼る。今日の「19:00 公民館」も、そのひとつだ。
18時に店を閉め、明後日の釣り銭を準備する。それを終えても自宅へは戻らず、そのまま事務室にいる。そして18時55分がちかくなるころ通用口を出る。集まったのは町内の役員が15名ほど。報告や連絡や相談、そこに雑談を交えながら、帳面には以下を記した。
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7/04(日) 10:00 会所つくり
7/11(日) 9:00 渡御留守居役2名
7/11(日) 9:00~10:00 会所片づけ
7/12(月) 公民館フローリング工事
7/21(水) 小学校終業式
7/25(日)~7/31(土) 6:30 ラジオ体操(コンセント確認)
納涼祭は中止。
旅行は今秋または来春。
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「会所つくり」とは、八坂祭のための飾りつけを公民館の内外に施すこと。
「渡御留守居役」とは、八坂祭の当日、公民館の祭壇に祝詞を奏上する宮司を迎える役。
「公民館フローリング工事」は、先月22日の日記に書いた通り。
「コンセント確認」の「コンセント」とは、夏休みの朝の体操の際にラジオを繋ぐための、上澤梅太郎商店の駐車場に設けた電源。
「納涼祭」は、毎年8月上旬に行ってきた、子供を集めてのお楽しみ会。
「旅行」は、「コロナ」により昨春、今春と中止された役員の親睦旅行のこと。
旅行は2度も中止をされて、毎月ごとの積立金は、貯まりに貯まっている。コルカタでもダッカでも行けるだろうけれど、まぁ、いつものバス旅行になるだろう。
朝飯 蓮根の梅肉和え、めかぶの酢の物、冷や奴、牛肉と舞茸のすき焼き風、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、つまみ菜と揚げ玉の味噌汁
昼飯 「ニジコ」の冷やし中華
晩飯 蛸と胡瓜と若布の酢の物、南瓜の煮付け、生のトマト、揚げ春巻き、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、胡麻焼酎「紅乙女」(お湯割り)
2021.7.2(金) 柱
子供のころのある年、誕生日のプレゼントとして長男はあるゲームソフトを所望した。それを聞いて早速、僕は中古屋へ向かおうとした。しかし「誕生日に中古品を贈る者がどこにいるか」と家内に反対をされて、その足を止めざるを得なかった。「機能が同じなら、安い方が良いじゃねぇか」という考えが、僕には抜きがたくある。
個人で所有したクルマはのべ8台。そのうちの6台は中古で買った。この場合は「安いから」ではなく「それを新車で売っていたのは20年も30年も前」だから中古で買わざるを得なかった。
本はほとんど古書で買う。理由は「機能が同じなら安い方が良い」場合もあれば「いまや新品では買えない」場合もある。本日、孫のリコのためにメルカリで注文したマンガは「機能が同じなら安い方が良い」という理由によるもので、あまり威張れたことではない。
その孫が今日は保育園から帰るなり「隠居の柱に昇る」と言ってきかない。「泣く子と地頭には勝てない」とは、孫のためにあるような言葉だ。よってその小さな手を引き、雨に緑の洗われた隠居へ行く。孫は廊下の柱に5度、6度と昇ってようやく満足をした。マンガはいつ届くだろう。
朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、「なめこのたまり炊」のフワトロ玉子、生のトマト、蓮根の梅肉和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 「栃木軒」の中華そば
晩飯 レタスのサラダ、3種のパン、ブロッコリーとマッシュルームと鶏のソテートマトソース、チーズ、TIO PEPE、Chablis Billaud Simon 2015