2021.6.30(水) 弁当
年に何度、そのお店の品物をいただくか分からない和菓子屋がある。「仏様に」と持ってきてくださることもあれば、季節のものとしていただくこともあり、方便かも知れないけれど「作りすぎた」といただくこともある。いただくばかりでは申し訳ないから、あるとき何かのついでにお酒は嗜むかと、長男に訊いてもらった。「酒の名のつくものなら何でも」と、店主は相好を崩したという。以降、そのお店には毎年暮れに「酒と名のつくもの」を届けさせていただいている。
「弁当と名のつくもの」ならほとんど何でも、僕は好きかも知れない。思い出に残っているのは台湾の阿里山鉄道のどこかの駅で買った弁当だ。それは、主婦が家の台所で作って自分で売りに来た、という風情のものだった。中国系の人は、弁当でさえ冷えたものは好まないと聞いていた。その、ごはんの上に目玉焼きと青菜炒めと焼いた中華ハムの載った弁当も、もちろん作りたてらしく温かかった。そして美味かった。
京都の「志る幸」の利久辨當も好きなら、タイの駅で売っている20バーツのガパオ弁当も好きだ。残りものの総菜をメシの上に並べただけの自作の弁当も、また例外ではない。
上澤梅太郎商店が運営する朝ごはんの店「汁飯香の店 隠居うわさわ」は、月ごとに新しい弁当をお出ししている。その7月の弁当を今日は家内が試作し、長男が写真を撮った。
日光湯波の即席味噌汁が付いて税込1,000円のその弁当は、7月3日の土曜日から毎週土、日、月に販売の予定です。ご予約は前日の15時までに、電話番号0288-21-0002まで、お願い申し上げます。
朝飯 温泉玉子、納豆、牛肉と舞茸のすき焼き風、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と小松菜の味噌汁、桜桃
昼飯 「ふじや」の雷バターラーメン
晩飯 生の胡瓜、茹でたグリーンアスパラガスとブロッコリー、トマトと玉葱とベーコンのスパゲティ、Chablis Billaud Simon 2015
2021.6.29(火) 保養
「チチチチチッ」と鳥の啼く声がする。それが、いかにも夏の朝を感じさせる。通るクルマもないにもかかわらず、外にスクラッチノイズのような音がある。カーテンを巻き上げると、雨が降っていた。鳥は、夜が明けると共に啼く。雨の朝には、なぜか大きな鳥は啼かない。
製造現場へ降りるまでに、いささかの時間がある。しかしそれは、数十分とまとまったものではない。嵐山光三郎の「文人悪妻」を本棚から取りだし、そのうちの「泉鏡花の妻 泉すず」を読む。きのう包装係のヤマダカオリさんに言われたことに従って、製造現場へはいつもより1時間はやく降りた。
先週24日の木曜日、日本テレビ系列「ヒルナンデス!」にて上澤梅太郎商店が紹介をされた。小倉ヒラクさんの「世界の発酵食品3,000種類を食べ比べた発酵マニアがおすすめするお取り寄せ発酵食品ベスト3」において、上澤梅太郎商店の「らっきょうのたまり漬」が1位に選ばれたのだ。
また2日後の26日には、BS朝日「バトンタッチ!」にて、上澤梅太郎商店の持続可能社会への取り組みが紹介をされた。
特に前者による反響はすさまじいもので、社内各部は対応に追われている。折しも、夏の贈答時期の入りばなである。普段、地方発送は、ご注文をいただいた翌日には出荷をされる。その納期が今は10日ほどに延びている。それをお知らせするメールマガジを、16時に配信する。
朝の3時、4時に起きて窓を開け、鳥の声を聞く。それが現在の僕の「保養」である。
朝飯 南瓜の煮付け、納豆、菠薐草と榎茸のおひたし、ひじきとパプリカの炊き物、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、胡瓜のぬか漬け、メシ、油揚げと茄子とパプリカの味噌汁
昼飯 焼き鮭、揚げ湯波の炒り煮、昆布の佃煮、ごぼうのたまり漬、梅干のお茶漬け
晩飯 生の胡瓜、牛肉と榎茸のすき焼き風、ひじきとパプリカの炒り煮、玉子焼き、ホウレンソウの胡麻和え、鮪の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、肉団子、蒲鉾、刺身湯波、胡麻焼酎「紅乙女」(生)、梅干と塩鰹のふりかけのお茶漬け
2021.6.28(月) カタツムリ
毎週木曜日には「汁飯香の店 隠居うわさわ」の弁当の宣伝をSNSに上げる。金曜日にはおなじく隠居の朝ごはんの宣伝をSNSに上げる。弁当は月替わりだから、画像はひと月にひとつあれば足りる。朝ごはんの宣伝に用いる画像もそれにあわせてひと月にひとつとすると、これは見る人が飽きそうだ。そういう次第にて、隠居へはたびたび新しい写真を撮りに出かける。出かけるのは大抵、晴れた日だ。
と、ここまで書いて、子供のときのことを思い出す。小さなころには、なにもかもが大きく見える。隠居の庭も、子供には隨分と広く見えた。雨の上がったある日、その庭に、お手伝いさんとカタツムリを探しに行った。なかなか見つけられない僕に「デンデンムシムシの歌を歌いながら探すと、すぐに見つかるんだよ」と、お手伝いさんは言った。
お手伝いさんは、結婚が決まると引退をした。そうして僕が子供のときだけでも、お手伝いさんは何人も替わった。カタツムリを一緒に探したお手伝いさんが誰だったかは、今となっては思い出せない。
梅雨どきではあるけれど、今、隠居にカタツムリはとんと見かけない。見つからなくても構わないから、歌を歌うことはしない。
朝飯 鶏の幽庵焼き、ズッキーニと竹輪の天ぷら、納豆、茄子とパプリカの素揚げ、ホウレンソウの胡麻和え、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、油揚げと長葱の味噌汁、桜桃
昼飯 「大貫屋」の冷やし中華
晩飯 レタスとプチトマトのサラダ、カレーライス、胡瓜のピクルス、らっきょうのたまり漬「浅太郎」、Old Parr(ソーダ割り)、マンゴー
2021.6.27(日) 食べくらべ
きのう土曜日の売上金額は、年初来4番目の高さだった。そして今日のそれは、きのうより3割以上も落ちた。コロナ以前は、金曜日、土曜日、日曜日と、加速度的に増えていくのが売上げの相場だった。しかしコロナが世に蔓延して以降は、この常識の覆される週末が増えた。「台風の予報が出ていたからじゃないですか」と販売係のササキユータ君は推した。しかし天気に関係なくこの傾向の現れる週末もある。いずれにしても、現状に沿って、粛々と商売をさせていただこう。
夜は2種の素麺を食べくらべる。ひとつは国産の小麦によるもの、もうひとつはオーストラリア産の小麦粉によるものだ。結果は風味、歯ごたえ、舌ざわりとも、その場にいるおとな全員が一致して後者を「美味い」とした。もちろん、すべての用途において国産の小麦がオーストラリア産のそれに負ける、ということではない。
生姜について「長くたまりに漬ける場合、国産とタイ産とでは、諸々の点において、タイ産の方が圧倒的に優れる」と、製造顧問のフクダナオブミさんはかつて主張した。「そんなこと言っても、日本人は国産偏重だからなぁ」と、僕は答えた。現在、上澤梅太郎商店では、生姜は国産とタイ産の双方にて、ご用意をしています。
朝飯 昆布の佃煮、納豆、鶏の幽庵焼き、なめこのたまり炊、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、油揚げと胡瓜の味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 生のトマトと白菜漬け、大葉と薩摩芋の天ぷら、ピーマンと茄子の肉詰め焼き、国産の小麦粉による素麺、オーストラリア産の小麦粉による素麺、胡麻焼酎「紅乙女」(生)
2021.6.26(土) いつか、ギラギラする日々
四季のうち夏を最も好む僕が、夏至を待ち望まないわけはない。しかし今年のそれは、意識しないうちに過ぎてしまった。夏至は梅雨の最中に巡ってくる。それについては、どうにも納得のいかないものがある。河野典生の「いつか、ギラギラする日々」は、いまだ本棚にあるだろうか。「夏至」という言葉には、ギラギラと照りつける太陽こそが似合いと思うけれど、どうだろう。
予報によれば、今日は芳しい天気には恵まれない可能性が高かった。それでも早朝から空を眺めるうち雲は切れ、やがて日が差しはじめた。雨は夜にのみ降って夜明けと共に上がる、その理想が今朝は実現した。雨の後の日の光は殊に美しい。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」は本日、正午までご予約で埋まっていた。そのことは朝礼で皆に伝えた。
昼前に販売係のササキユータ君が「隠居、どうでしょう」と事務室に顔を出す。彼の行いは正しい。「無理を承知で訊くけれど…」と隠居に電話を入れる。早めにいらっしゃって早めにお帰りになったお客様がいらっしゃって、ちょうど席の空いたところだという。僕は喜んで、そのお客様を隠居までご案内する。
午後は、今秋より容器の意匠を一新する10種の商品についての、新しい惹句を考える。小一時間ほど考えて作ったそれらを電子メールで長男に送る。駄目を出すよう伝えたものの、長男はそれらにひと文字も加えず削らず、複数の取引先が出入りする電子会議室へ上げた。最終の意思決定は、いずれ面談の上で成されることになるだろう。
朝飯 酒の粕味噌漬け焼き、鶏の幽庵焼き、めかぶの酢の物、「なめこのたまり炊」の冷や奴、油揚げの網焼き、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 きのう「食堂ニジコ」から持ち帰ったソース焼きそば
晩飯 トマトとモッツァレラチーズとベイジルのサラダ、2種のパン、オムレツとラタトゥイユを添えた鱈のバター焼き、Chablis Billaud Simon 2015、メロンと桜桃
2021.6.25(金) 人流
きのうは「緊急事態」をどうにか乗り切るべく、夕刻より社内の各方面と対策を協議した。その話し合いにより導き出された様々なことが、今朝から始められる。電話によるご注文は、カワタユキさんが発送伝票にしている。ウェブショップからのご注文は、ツブクユキさんが発送伝票にしている。ふたりの手を休ませないため、電話連絡の必要なお客様には、長男がその任に当たる。
午後もなかばに至るころ、きのうウェブショップで承ったご注文のすべてに、ツブクユキさんが返信を送り終える。返信には納期を記入する必要がある。よってこの仕事には、荷作り係との意思の疎通が欠かせない。その荷作りには、販売係からひとりが配置転換をされている。
夕刻、明日に出荷する分の発送伝票が箱にまとめられる。その量に、ふたりの事務係は驚き、笑い声を上げた。こう書けば何やら景気が良さそうに思われる。しかしコロナ以降、人の流れはさっぱりだ。観光のお客様は、いつ、日光に戻るだろう。
外では強い雨が、降ったり止んだりしている。
朝飯 めかぶの酢の物、スペイン風目玉焼き、菠薐草のソテー、納豆、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、なめこの味噌汁
昼飯 焼き鮭、梅干、ごぼうのたまり漬、なめこのたまり炊のお茶漬け
晩飯 「食堂ニジコ」の酒肴盛り合わせ、青椒肉絲、トマトと玉子と海老の中華風、牛薄切り肉のたたき、3種の日本酒(冷や)
2021.6.24(木) 緊急事態
目を覚ましたのは2時台、起きたのは3時台だった。5時台に仕事のため製造現場へ降りながら「今日は日記が書けなかったなー」と、声を出さずに独りごとを言う。
午前10時より取引先とのZOOM会議が予定されている。今朝は先ず、その取引先に求めた修正が資料に正確に反映されたかどうかの確認をした。しかしそれに取られた時間は、そう長くもなかった。以降はきのう読み終えた本田靖春の「現代家系論」の、後藤正治による解説を読んでいた。そうするうち5時を過ぎてしまったのだ。
製造現場から戻って以降は「一戔五厘の旗」のしおりを挟んだページを開き、読みさした「重田なを」を読み終える。
正午前より環境を整えた事務机に着く。
小倉ヒラクさんは「発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ」や「日本発酵紀行」の著者であり、また「発酵デパートメント」の代表でもある。その小倉さんが日本テレビの「ヒルナンデス」で「らっきょうのたまり漬」を発酵食品の日本一として推薦してくださることは、すこし前に知らされていた。youtubeの同時配信で同番組を見ながら、その時を待つ。「らっきょうのたまり漬」が紹介され始めたのは12時30分ころ。その直後より、電話が鳴り止まなくなる。
電話は、2本の回線が埋まれば「お話し中」になる。ウェブショップには、その制約が無い。まるで瀧の水のように、注文が入り続ける。緊急事態である。
夕刻、事務係のカワタユキさんとツブクユキさんから状況を聞く。それを受けて、社内の各方面と対策を協議する。そして本日ご注文くださったお客様への「らっきょうのたまり漬」は、何としても、今月末日までに出荷することを決める。
朝飯 木須肉丼、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、若布とキャベツの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のスーラーメン
晩飯 空心菜の豆豉炒め、鴨のコンフィ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、蒸し焼売、「飯沼名醸」の「杉並木無濾過原酒純米吟醸」(冷や)
2021.6.23(水) “UD”
昨年の夏まで愛用した汁椀は、2012年8月30日に手に入れた。
その日、日本橋タカシマヤでは「バーナード・リーチ展」が開かれていた。これを観た僕は、おなじ階の「民藝展」へと回った。会場を歩くうち目についたのは、漆器の売場にあった”UD”の2文字だった。責任者らしい人に問うと、それはユーティリティデザインの略で、体の機能の衰えた人にも使いやすい設計と、教えてくれた。
生来の不器用によるものか、あるは粗忽な性格によるものか、僕は手に持ったものを落としやすい。味噌汁の入ったお椀もまた、例外ではない。僕はその”UD”と表示のあるお椀を手に取り、その感触を確かめて、赤と黒の2色を買った。
お椀は手によく馴染み、文字通り手放せないものになった。赤も黒も自分の専用とし、その日の気分により使い分けた。そして8年が経つと、流石に「くたびれ」が見えてきた。”UD”の意味を教えてくれたイワダテタカシさんの名刺は、食器棚に大切に保管しておいた。
岩手県二戸市浄法寺町漆沢の「漆工房やまなみ」に2客を送ったのは、昨年の8月3日だった。イワダテさんによれば、塗りは若い女の人がする。その人はいま山に入って漆かきをしている。納品は来年の春になるだろうとのことだった。僕は、上質のものを修理しながら長く使うことを好む。待つことは厭わないと、イワダテさんには伝えた。
先月10日、塗師のヤマザキナミコさんから電話が入った。念には念を入れて、仕事をしているらしかった。次の電話は本日に入った。納品は明日とのことで、同時に伝えられた代金は、仰天するほど安かった。
この日記の公開ボタンをクリックするのは明後日。よって塗り直しの完了したお椀の画像は、ここに載せることができるだろう。
朝飯 納豆、春雨サラダ、菠薐草のおひたし、生のトマト、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐とキャベツの味噌汁
昼飯 「ふじや」のタンメンバター
晩飯 蓮根の梅肉和え、榎茸と菠薐草のおひたし、蕪と胡瓜のぬか漬け、鯛の煮付け、茄子とパプリカと牛肉の味噌炒め、「飯沼名醸」の「杉並木無濾過原酒純米吟醸」(冷や)
2021.6.22(火) 融通無碍ではあるけれど
道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の商品の売れ具合を確認しながら、ふとお墓のことが気にかかる。関係者用通用口のそばに駐めた自転車を、目と鼻の先の、如来寺に乗り入れる。そのまま真っ直ぐに進んで水場のちかくにそれを駐める。閼伽桶に水を汲み、そこから先は歩いてお墓へ向かう。花立ての水は、果たして半分くらいのところまで減っていた。その水を捨て、新しい水で満たす。花は、おとといの朝より増えていた。多分、叔母が新たに加えたものだろう。
13時45分、事務机の引き出しの中でiPhoneが鳴る。左手に提げたカレンダーの「15:00 公民館」の覚え書きを見て、今度は14時45分に警告音を設定する。
公民館にはウカジシンイチ自治会長、イケダツトム公民館長、会計係の僕、イケダ建築のイケダミツヒロさんが集まった。そして現在の畳を木張りにするための打合せをする。
総鎮守瀧尾神社は春に2回、夏に1回、秋に1回のお祭を持つ。人口が減っていく今後、そのお祭をどのように維持していくかの話し合いは、各町内の公民館を会場として、数年に亘って続けられた。このとき畳に座布団を敷いて座る式の公民館の、今やほとんど淘汰されたことを我が町内の面々は知った。
和室の便利さは、融通無碍なところにある。しかし座って何かするには机と椅子が圧倒的に楽だ。工事は八坂祭の翌日の7月12日から始められ、数日で完了の予定だという。
朝飯 目玉焼き、納豆、菠薐草のソテー、竹輪とズッキーニの天ぷら、生のトマト、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と長葱の味噌汁
昼飯 朝のおかずを流用した弁当
晩飯 菠薐草のナムル、春雨サラダ、キムチ冷や奴、白花豆の甘煮、木須肉、芋焼酎「妻」(生)
2021.6.21(月) トマトサラダ必勝法
「草野球必勝法」という文章が山口瞳にある。これを今朝は読んだ。登場するのは坂根進や柳原良平など、寿屋における山口の同僚だ。しかし社名は「東西電気」と仮のものになっている。山口瞳は熱血の人だ。その熱血漢が、同時に冷徹な目も持ち合わせている。その綾が面白い。
それはさておき先日「トマトサラダ必勝法」とでも呼ぶべきものを発見した。文字にすれば以下になる。
1.トマトを賽の目に刻む。種の苦手な人は真横から半割にし、種を除いてから賽の目に刻む。
2.それをボウルにとる。
3.塩、油、酢を振って箸で混ぜる。
4.塩と油と酢の馴染んだトマトをひとかけらずつ箸で器に盛る。
要点はひとえに「箸で器に盛る」ところにある。そうすればドレッシングの過剰分やトマトの水分はボウルに残り、一方、器に盛られたトマトの歯ごたえ、舌ざわりは良好なまま保たれる。
「なんだそんなことか」と嗤わば嗤え、だ。「職人はちょっとしたことを出し惜しんで人に伝えない」と、むかし街の真ん中にあった蕎麦屋「糸屋」のオヤジさんは言った。なぜ出し惜しむか、それはその「ちょっとしたこと」こそが勘所だからに違いない。
朝飯 鶏の幽庵焼き、納豆、トマトサラダ、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、昆布の佃煮、メシ、長葱の味噌汁
昼飯 焼き鮭、ごぼうのたまり漬、しその実のたまり漬、なめこのたまり炊のお茶漬け
晩飯 「食堂ニジコ」の胡瓜の辛子和え、ネギメンマ、ピータン、エビチャーハン、冷やし中華、麦焼酎「二階堂」(お湯割り)、家に帰ってからのエクレア、Old Parr(生)