2021.5.11(火) パクチーどころではない
きのういち早く、新型コロナウイルスワクチンの接種予約済ませた。その理由は、市民としては地域のため、経営者の立場からすればお客様と社員のため、そして極私的にばタイの最北部で寝転がっているため、となる。
「タイの北部は山ばかり。アンダマン海に浮かぶ宝石のような島々こそ楽園ではないですか」と言われれば、そういうところは”Let’s enjoy”と、元気溌剌とした人に絶えず声をかけられているような気がして、それほど好みでないのだ。「オレの勝手にさせてくれ」である。
タイといえば、おととい街のベトナム料理屋から長男が持ち帰った数々は、その香りによりタイを思い出させてくれた。ベトナム料理は香草を豊かに使いつつ、日本人には馴染みやすい。さらに南下してインドネシアの料理はどうかといえば、これまた驚くほど日本人の舌に親和する。「何だ、これは」という違和感、良く言えば異国情緒は、インドシナでは圧倒的にタイのそれだと思う。
チムジュムを生まれではじめて食べたのは、2009年8月24日。ミントの強烈な香りに思わずのけぞった。湿熱の土地で食べる鍋料理は、ことのほか美味い。
朝飯 菠薐草と榎茸のおひたし、納豆、若竹煮、胡瓜と茗荷の酢の物、揚げ湯波の甘辛煮、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと大根とズッキーニの味噌汁
昼飯 バターとママレードとらっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」のトースト、ミルク番茶
晩飯 ラタトゥイユ、コーンポタージュスープ、刻みキャベツと茹でたブロッコリーを添えたコロッケ、TIO PEPE、Chablis Billaud Simon 2015、西瓜の寒天寄せ
2021.5.10(月) 9分
日光市役所による「新型コロナウイルスワクチン予約について」というページを8時58分に開く。そして別窓に開いたウェブ時計が9時になると同時にキーボードの”F5″を押して、画面にリロードを加える。するとそれまでは見えていなかったURLが現れた。すかさずそれをクリックする。
新しい画面の中央には、混雑を示す丸い線が回り続けている。「さすがに初日の開始直後は混み合うようだな、2、3日経ってから、また試してみるか」と考えつつも、そのまま放っておく。画面はしかし、数分の後に次のページへと遷移をした。
自分の生年月日を示す8桁、接種券番号の10桁など、必要な数字はあらかじめエディタに保存をしておいた。それらを、次々と現れるテキストボックスにコピー&ペーストで入力していく。自分のメールアドレスは、何十年も前から辞書に登録済みだ。
そして1回目の接種は5月24日、2回目は6月14日と、もっとも早い日に予約を確定することができた。9時ちょうどから9分が経っていた。後からの確認は可能としても、接種日、接種時間、接種場所は画面に残らない。受付完了を報せるメールにも、それは記載されない。申込みに際しては、役所から届いた書類と共に、紙とペンを用意しておくと便利だろう。
2度の接種を終えたときには、申込書に添えられた接種済証明を複写して、蛍光ペンで縁取りをしよう。そして仕事中は、それを首から提げようと思う。
朝飯 刺身湯波、アスパラ菜の天ぷら、揚げ茄子、なめこのたまり炊のなめこおろし、生のトマト、ごぼうのたまり漬、メシ、ブロッコリーの味噌汁
昼飯 バターとフォアグラとママレードとらっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」のトースト、ミルク番茶
晩飯 生のトマト、マカロニサラダ、カレーライス、Old Parr(お湯割り)
2021.5.9(日) 新春山見弁当(其の二)
普段は日が改まらないと寝に就かない家内が、きのうは僕より早く寝室に入った。そして今朝は4時に起き、ひとりそそくさと朝食を済ませて5時に隠居へと去った。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の規模からすれば少なくない数の弁当を作るためだ。
7時55分からの朝礼を終え、外へ出ると、駐車場の北側に、オートバイをお駐めのお客様がいらっしゃった。よって声をおかけし、開店前の店にご案内してお買い物をしていただく。
朝の仕事の一段落をしたところで隠居へ行ってみる。厨房では長男が、弁当の盛りつけをしているところだった。家内は開店直後よりお入りになったお客様に、食後の甘味をお出ししようとしている。
5月の「新緑山見弁当」は、本職の指導による。いざ本番に臨んでみると、2段重ねの弁当は当たり前のことながら、1段にくらべて倍の手間を要することが分かった。「さばき」に長けた本職ならともかく、朝食のお客様を座敷にご案内しながらの、この弁当のお作りは中々に大変だ。とはいえ31日の月曜日までは、とにかくこのままでいく。お陰様で、評判が良いのだ。
弁当のご提供は、毎週土、日、月の3日間。ご予約は前日の15時までに、0288-21-0002へお電話ください。どうぞよろしく、お願い申し上げます。
朝飯 なめこのたまり炊、生玉子、刺身湯波、焼き鮭、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根とズッキーニの味噌汁
昼飯 「ふじや」の野菜麺
晩飯 男体山漬け、トマトと玉子のスープ、「アオザイ」のサラダ、生春巻き、蒸し春巻き、揚げ春巻き、バインセオ、鶏と豚の鹵味、芋焼酎「妻」(前割のお燗)、チェー
2021.5.8(土) 新春山見弁当(其の一)
「来年は3連休だ」と、小学生のころ、クラスの誰かが気づいて皆で喜び合った記憶がある。当時の5月に祝日は、3日の憲法記念日と5日のこどもの日のふたつがあるばかりだった。西暦元年だろうが西暦5,000年だろうが、その月のカレンダーを見ることのできる命令を、コンピュータに与えてみる。「来年は3連休だ」は果たして1967年のことと分かった。小学5年生の5月、僕は何をして過ごしたのだろう。商売をする家の子供だから、行楽に出かけていなかったことだけは確かだ。
今年の5月は、1日の土曜日も入れれば5連休。大きな工場などは、6日と7日の木金も休みにして9連休としたところもあったかも知れない。上澤梅太郎商店は「ほぼ年中無休」で商売をしている。よってコロナ禍が去っても、引退をしても、働く社員のことを慮って、僕がこの時期に会社を空けることは無いだろう。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」には明日、これまでになかった数の弁当の予約をいただいている。「新緑山見弁当」と名付けた5月の弁当は2段でひと組。よって先月までの1段の、倍の量を作る必要がある。有り難いことと、感謝をしなければならない。
朝飯 納豆、炒り豆腐、揚げ湯波とアスパラ菜の炊き合わせ、トマトとブロッコリーとベーコンのサラダ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、白菜とズッキーニの味噌汁
昼飯 バターとフォアグラとママレードとらっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」のトースト、ミルク番茶
晩飯 刺身あれこれ、鶏そぼろと夏野菜の冷やしかけ素麺、「小林酒造」の「鳳凰美田純米吟醸生酒」(冷や)
2021.5.7(金) 不要不急
新型コロナウイルスの、いま以上の蔓延を防ぐための、3度目の緊急事態宣言が発令をされたのは4月25日。対象地域は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県。期限は5月11日までの17日間。それが愛知、福岡の2県を加えて5月31日まで延長されることになった。
第1次オイルショックは、1973年秋に勃発した第四次中東戦争による。当時、僕は高校1年生。寮の食料や用度品を確保するため、学校がどれほど苦労したかは知らない。呑気なものだった。しかし銀座の地下道の電飾看板が、すべて電源を落とされ真っ暗だったことは覚えている。
「酒は出すな、そして営業は20時までとせよ」と現在、東京の飲食店は都から要請をされている。僕が直近で東京へ行ったのは4月15日。このとき東京都は蔓延防止等重点措置、いわゆる「マンボー」の実施中ではあったものの、飲食店は、いまだ酒を売ることを許されていた。
現在の東京は、一体全体、どのような具合になっているのだろう。第1次オイルショックのときとおなじく、街は相当に暗くなっているのだろうか。
「不要不急」とは「潤い」とか「余裕」の別名だろう。「潤滑油」と言っても良いかも知れない。とすれば「不要不急」は「必需品」ということになる。「不要不急」はいつ、街に戻ってくるだろう。
朝飯 揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、納豆、菠薐草のおひたし、若竹煮、スペイン風目玉焼き、ごぼうのたまり漬、メシ、大根とズッキーニの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の冷やし中華
晩飯 胡瓜とサラダ菜とキウイとブロッコリーのサラダ、3種のパン、フォアグラ、リングイネと鶏とベーコンのグラタン、チーズ、Chablis Billaud Simon 2015、西瓜
2021.5.6(木) 今日わかったこと
このところ、週に1度は宇都宮の本屋へ行く。本を買うためではなく、クルマを駐めるために行く。その本屋は、かかりつけのカイロプラクティックのちかくにある。併設の喫茶店で何かを飲めば、駐車代はタダになる。本はほとんど、amazonの古書でしか買わない。
先日、この本屋に興味を惹かれる本があった。いつものように書名を覚え、帰宅してからamazonに検索をかけた。案に相違してその古書は、本屋のそれより5割も高かった。刷り部数は少なく、しかし求める人は予想外に多かった、それゆえの価格だろうか。
その「恥ずかしい料理」は7日を経た今日も、売れずにそこにあった。即、棚から取り上げて帳場へ持っていったことは言うまでもない。喫茶店では、買ったばかりの本は開かず、持参したものを読んだ。タリーズコーヒーでコーヒーは頼まない。いつも紅茶ばかりである。
家に帰って、それを食べていることは家族にも隠したいほどの「恥ずかしい料理」が自分にはあるかと、考えてみる。梅干の種の「仁」は好きだが、あれは料理ではない。魚の煮汁の煮こごりなら、かろうじて料理と言えるかも知れない。しかし別段、それを食べて恥ずかしい、ということはない。
僕は何でも食べてしまう、いわゆる「乞食腹」である。そういう人間に「恥ずかしい料理」はなかなか思いつかない、ということが今日は分かった。
朝飯 鮭の味噌漬け焼き、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、納豆、菠薐草のおひたし、炒り豆腐、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、キャベツの味噌汁
昼飯 カレーライス、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」
晩飯 トマトと春雨のサラダ、男体山漬け、水餃子、キンミヤ焼酎にTIO PEPEチョロリ
2021.5.5(水) 鯉のぼり
黄金週間も終わり間近のきのう、鬼怒川温泉方面へ向かおうとするクルマは、いまだ会津西街道に多く見られた。その光景から「ことによると昨日、今日に続いて明日も忙しくなるかも知れない」と感じた。テレビのニュースは「晴れの続かないゴールデンウィーク」と伝えている。しかしそれは限られた地方での夕立などによるもので、日光の上空はおおむね穏やかだ。
「あのー、隠居は5日は営業してないですよね」と数日前に電話を下さったお客様が、食事を終えられて、昼すぎに店にいらっしゃった。「汁飯香の店 隠居うわさわ」を1日から5日まで通しで営業したことは、お客様にとってもウチにとっても良かった。隠居は木、金と休んで、土曜日からまた通常どおりの営業を再開する。端午の節句は旧暦では6月14日でも、床脇の鯉のぼりの額は、他のものに掛けかえる必要があるだろう。
定時を30分すぎてもお客様が途切れなかったきのうとは異なって、今日は17時30分に店を閉められた。連休の賑わいは、やはり昨日までだったらしい。
明日からは、いつも通りの週日が戻ってくる。それに先だって、商談の電子メールを新しい取引先へと送る。
朝飯 炒り豆腐、納豆、キャベツとベーコンのソテー、揚げ湯波とアスパラ菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根とズッキーニの味噌汁
昼飯 「やぶ定」のカレー南蛮蕎麦、「久埜」の柏餅
晩飯 豚汁、アスパラ菜のおひたし、生のトマト、胡瓜のぬか漬け、男体山漬け、浅蜊とアスパラ菜の酒蒸し、天ぷらあれや、これや、キンミヤ焼酎にTIO PEPEチョロリ
2021.5.4(火) 大したもの
2013年の秋に、中味ごといくつも箪笥を捨てる断捨離をした。大きな改装を住まいに加え、生活は一気に快適になった。2014年の秋にオフクロが亡くなった。それを機に、オヤジの分も含めて2トン車で5台分のモノを捨てた。
住まいが簡素になれば、身辺も整理したくなる。自分の本当に好きなことを突き詰め、それは美味いメシと酒、本読み、南への旅の3つと分かった。そして学生のころから40年ちかく在籍した日本クラシックカークラブを辞めた。前の年に入ったばかりの日本ブガッティクラブも辞めた。するとクルマ関係の情報はほとんど入ってこなくなった。
ウスイベンゾーさんの追悼記事がカーグラフィックの2021年5月号に載っていると、きのう、誰かがfacebookに上げていた。即、そのCGをamazonに注文した。本日、早くも届いたそれを夕刻に開く。
ウスイさんが”BUGATTI T37″を、オヤジが”BENTLEY 3L”をマカオ・グランプリのエキシビション・レースに送ったのは1978年。ふたりは共に1930年の生まれだから、当時の年齢は48歳。大したものだったな、と思う。
朝飯 揚げ湯波とアスパラ菜の炊き合わせ、納豆、温泉玉子、炒り豆腐、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 揚げ湯波とアスパラ菜の炊き合わせ、梅干、ごぼうのたまり漬、塩鰹のふりかけのお茶漬け
晩飯 長芋、厚焼き玉子、生のトマト、豆腐となめこの味噌汁、鮪の刺身の「にんにくのたまり漬」和え、カジキマグロのソテー「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」がけ、「片山酒造」の純米吟醸「素顔」(冷や)
2021.5.3(月) 楽な仕事
朝は、日中にも増して時間に制約が多い。よって腕に時計を着けて「汁飯香の店 隠居うわさわ」へ行く。厨房には、保温機能つきの鍋に網状の布がかけられている。甘味のための甘酒を仕込んでいるらしい。隠居は普段は土、日、月の週に3日の営業のところ、この連休中に限っては、1日の土曜日から5日の水曜日まで、通しで開けられている。そのための作り増しだろう。
床の間の室礼を確かめてから庭に出る。そして会社のfacebookページに載せるべき写真を撮って事務室に戻る。
連休中はまた、店のショーケースの中味も通常とはすこし変えている。山へ遊びにいらっしゃるお客様のための、たまり漬や「たまり」や味噌を使ったローストビーフ弁当、サンドイッチ、野菜スティック、更には夜の団欒のためのステーキソースなども販売をしているのだ。
ところで上澤梅太郎商店は、繁忙が予想されても商品の作り置きはしない。針の穴を通すような数量予測を立て、それに従って「いま食べごろ」の品を毎朝、蔵出ししている。本日、閉店の17時30分に残った「らっきょうのたまり漬」は1袋。「あー、売り切れなくて良かった」と販売主任のハセガワタツヤ君が安堵の溜息をつく。ところが直後に「まだ大丈夫ですか」と入っていらっしゃったお客様により、その最後のひと袋も売れてしまった。
その売り切れを受けて、明日の朝は4時より蔵出しの準備を始めるよう、包装主任のヤマダカオリさんに言われる。行楽地の渋滞に閉じ込められているよりは、よほど楽な仕事である。
朝飯 ソースかつ丼、トマトのサラダ、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、大根とズッキーニの味噌汁
昼飯 「ふじや」のタンメンバター
晩飯 “Parrot”のチキンカントリー、HENRY FESSY Beaujolais 2017
2021.5.2(日) 得意分野
目を覚まし、枕の下からiPhoneを取り出す。時刻は02時37分。少なくない雨の、天空から垂直に落ちる音が聞こえ続けている。眠気が訪れないのは、睡眠が足りている証拠だろう。そう考えながら起床する。
雨は、明け方に上がった。裾に雲をまとって朝日を浴びる鶏鳴山が、映画「南太平洋」のバリ・ハイ島に見える。われに五月を、である。
もっとも現在、東京、大阪、京都、兵庫には緊急事態宣言が発令をされている。4月25日から5月11日までの17日間は、できるだけ外へ出るな、帰省などはもってのほかとの、政府や4都府県の大合唱だ。なぜ大合唱かといえば、言うことを聞かない人が多いからだ。
僕はといえば毎日やすみなく、会社か、またはそこから半径数キロメールの範囲内にいて、仕事をしている。それで一向に、不満は無い。今朝は「汁飯香の店 隠居うわさわ」のおかずのための筍を、森友地区の直売所まで買いに行った。
引きこもりは元より得意分野だ。コロナ禍が収まったら、そのときにはタイの最北部に出かけて外こもりをしたい。
朝飯 揚げ湯波とアスパラ菜の炊き合わせ、納豆、ベーコンエッグ、大根葉のマヨネーズ和え、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、大根葉の味噌汁
昼飯 「カルフールキッチン」のソースカツ弁当
晩飯 オールドイングランド、鶏のソテーとレタスのサラダ、トマトとケイパーとブラックオリーブのスパゲティ、TIO PEPE、Chablis Billaud Simon 2015、「こけし屋」のマドレーヌ、Old Parr(生)