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清閑 PERSONAL DIARY

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2019.11.20(水) 陽だまり

JR上野駅の不忍口を出て、むかし聚楽のあった側に道を渡る。そこから指呼の間にある公園口を目指そうとして、工事現場のガードマンに止められる。仕方なく広小路方面にすこし戻って京成上野駅脇の階段を昇り、西郷さんの銅像を右に見ながら北へ歩く。

そのあたりにはコワモテの石原慎太郎が都知事の時代にも、付近の電柱から電線まで引き込んだ、段ボールとブルーシートによる小屋がたくさん建っていた。ふと気づくと、いまやそれらはどこにも見あたらない。一掃をしたのは、あるいは徐々に減らしていったのは、誰が都知事のときだったのだろう。あるいはそれは、台東区の仕事だったのだろうか。

結局のところ、上野駅から1キロちかくを歩いてようやく、上野公園内のスターバックスコーヒーが見えてくる。外の席は陽だまりになっている。そこに、きのうの夜も一緒にいたふたりおよび長男が集まる。そしてきのうの夜よりすこし具体的な話を数時間ほどもする。

浅草13:30発の下り特急スペーシアは、それほど混んでいなかった。日光方面への紅葉狩りは、ようやく峠を越えたらしい。夜は4階の応接間に社員たちと集まって、年末の繁忙を前にしての食事会をする。


朝飯 「スターバックスコーヒー」のハム&マリボーチーズ石窯フィローネ、豆乳ラテ
昼飯 「まぐろ人雷門出張所」の鮨あれやこれやそれや、浅蜊の味噌汁
晩飯 ラタトゥイユ南瓜と薩摩芋のサワークリームがけレタスとベビーリーフのサラダ鶏のコーンフレーク揚げ炊き込みごはんペンネと牛挽き肉のグラタン牛カツピッツァ其の一ピッツァ其の二ピッツァ其の三ピッツァ其の四退職したアオキマチコさん差し入れの鶏の唐揚げ、Petit Chablis Billaud Simon 2016


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2019.11.19(火) 夏には平気でも

喉の痛みは消えて無くなった。

午前、大井町の駅から日影を選びつつ歩いてソーマ歯科室に至る。素肌に薄い木綿のセーターを着て、毛のアンコンジャケットを重ねている。その2枚しか身につけていないにもかかわらず、暑いのだ。ソーマ歯科室の診察は丁寧で、およそ55分を要した。

午後は夕刻までに2度もシャワーを浴びる。インドシナを旅しているときと変わらない頻度の水浴びである。気温は20℃に達しようとしているのではないか。

ハンガーに掛けて室内に干した木綿のセーターは、小一時間を経ても汗のしみが乾かない。明日のための、おなじ木綿のセーターをザックから取り出し、それに袖を通す。ジャケットは着ない。代わりにポシャギのような薄いスカーフを首に巻いて外へ出る。夏の汗は平気でも、冬のそれはなぜか不快で我慢がならない。

17時30分に、六本木の交差点ちかくで長男と待ち合わす。それから1時間数十分ほども、あれこれについて話す。19時すこし前に、指定された店へ行く。今度は総勢6名にて、上澤梅太郎商店が今後すべきことの摺り合わせをする。


朝飯 「カフェーパウリスタ」のモーニングセット其の一其の二
昼飯 「菊三八」のあこう鯛定食
晩飯 「和韻」のあれやこれや、他あれこれ、ドイツのリースリング、アメリカのピノノワール


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2019.11.18(月) 季節外れの

オヤジの祥月命日である明後日、僕は東京にいる。

昼すぎにようやく時間ができて花を買う。今月10日の日記に書いた、色とりどりの可憐な菊は、いまだ変わらずお墓の花立てにあった。それを忍びがたく感じつつ外して花立てを洗う。そこに白い菊を差し入れる。線香は一対の線香立てに3本ずつ。献仏不假香多、である。

このところ、どこへ行っても咳の途切れない人が必ずいる。鬱陶しいからマスクはしない。出かけるころになって喉の右奥が痛み始める。何とかしなくてはならない。旅へ出るたびに持参し、いつも使われないまま持ち帰る、龍角散のもっとも小さな缶を小物入れに納めて会社を出る。

下今市16:05発の上り特急スペーシアの中で、龍角散の缶のフィルムを剥がす。そして浅草に着くまでに2度、これを服用する。喉が痛ければ龍角散、腹をこわせば正露丸、熱が出ればアスピリン、すべて僕の”default”である。

銀座には季節外れの生暖かい風が強く吹いていた。酒はもちろん冷酒、である。


朝飯 ほうれん草のおひたし、納豆、鰤の煮つけ、紅白なます、ふきのたまり漬、メシ、けんちん汁の具を流用した味噌汁
昼飯 「大貫屋」のチャーハン
晩飯 「鮨よしき」の肴あれやこれやそれや鮨あれやこれやそれや酒あれやこれやそれや


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2019.11.17(日) それもまた真実

あるときある人に味噌汁のだしについて訊かれた。「水100ccに対して煮干し1尾です」と断言した。「えっ、そんなに少なくていいんですか」と、その人は目を丸くした。

味噌汁は自分で作る。それは面白く、楽しい行いだからだ。

先日、煮干しを変えた。ここ数年ほどは長崎産の大きなものを使っていた。それをおなじ長崎産ながら小さなものに変えた。僕の味噌汁づくりは変わらない美味さを持続させることではなく、あれこれ試すことが目的だからだ。

煮干しは水に対して重量比で5パーセントを使うべし、という定石に従って新しい煮干しをタニタのキッチン計りで計る。今度のそれは「1尾、2尾」と数えられる数ではない。ここで僕は「えっ、そんなに少なくていいんですか」と声を上げた人のことを思い出した。

「水100ccに対して煮干し1尾」とは、まったく客観性に欠けていた。もっとも長男は「味噌が美味けりゃダシなんて要らない、ダシは具からも出るし」と言う。それもまた、真実といえば真実である。


朝飯 紅白なます、ほうれん草のおひたし、鰤の煮つけ、納豆。ふきのたまり漬、メシ、けんちん汁の具を流用した味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 町内の役員会に出かける前の薄切りベーコン、Old Parr(お湯割り)、町内の役員会より戻ってからの油淋鶏、鯛飯、大根の千枚漬け風、麦焼酎「ひゅうが晴」(お湯割り)


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2019.11.16(土) 恵比須講

この週末は、紅葉狩りの観光客がもっとも多く日光鬼怒川に詰めかけるはずだ。その土曜日の本日にはまた、10時30分から、市役所職員による地震と家屋についての出張講座が町内公民館で開かれる。11時には取引先の来訪が予定されている。更に今夜は恵比須講のため、家内はその料理にかかりきりで店にはなかなか出られない。重なるときには重なるものだ。

11時すこし前にiPhoneが震える。取引先が来たことを報せる、事務係カワタユキさんからの電話だった。出張講座を中座することは、町内役員や市役所の人にはあらかじめ断ってあった。即、会社に戻る。事務室では取引先と長男が、既にして商談を始めていた。

農家では五穀豊穣を祈り、商家では商売繁盛を祈る恵比須講を、ウチは旧暦で行う。旧暦の方が感じが出る、ということもあるし、新暦では年末に当たって余計に忙しい、ということもある。

閉店は17時30分。18時までの30分間は、掃除や後片付け。それから15分も過ぎればすべての社員は帰宅する。18時45分に自宅へ上がる。その和室の床の間には、既にしてお膳が整っていた。一対の蝋燭に火を点し、家族5人で二礼二拍手一礼をする。

これでひと安心。明日も忙しい1日になるだろう。


朝飯 納豆、冷や奴、白菜漬け、ふきのたまり漬、メシ、缶詰の鯖と万能葱の味噌汁
昼飯 3種の佃煮、大根の千枚漬け風、ふきのたまり漬によるお茶漬け
晩飯 鰤の煮つけ、ほうれん草のおひたし、紅白なます、けんちん汁、麦焼酎「ひゅうが晴」(お湯割り)、「廣尾瓢月堂」の「六瓢息災」、Old Parr(生)


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2019.11.15(金) 大抵のことは個々に帰する

「悪りぃと思って訊かなかったけど、カラダ、大丈夫」と、店に来た町内のタケダショージさんは僕の表情をうかがった。「大丈夫ですよ」と答えると「いや、ここんとこ、ずいぶん痩せたように見えるからさ」と、タケダさんは付け足した。

自分の体重は63キロが最上と考えていた。このときのBMI値は22.3である。2014年の正月にいささか食べ過ぎの感を覚えて久しぶりに体重計に乗ってみた。体重は案に相違して61.5キロに減っていた。その後も体重は漸減し、現在のそれは知らない。家にあるバネ式の古い体重計をここ数年は信用せず、年に1度か2度、温泉旅館などの浴場にあるそれを使うのみだったからだ。

先日、家内がタニタの最新式の体重計を買った。これを本日、風呂上がりに使ってみた。最新式だから、ただ乗れば良い、というものではない。試行錯誤しつつあちらこちらのボタンを押し、ようやく示された数字は57.7キロだった。

検索エンジンに「BMI 計算機」と入れて現れたページにそれを入れてみる。結果は「BMI20.44、適正体重62.9kg、適正体重より-4.39キロ」というものだった。

加齢と共に太る人がいる一方、痩せる人もいる。昨年、業界の旅行のときにこの話題を出したところ、両者の数は半々で拮抗していた。傾向としては、太る方はそれを嘆き、痩せる方は恬淡としている例が多いように思われた。太る、痩せる、変わらないのうち、いずれがもっとも健康的かは、個々に帰することだろう。


朝飯 大根の千枚漬け風、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、牛蒡のきんぴら、秋刀魚の梅煮、ふきのたまり漬、メシ、きのうの鍋の残りによる味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 トマトとアボカドとベビーリーフのサラダ長葱のコンフィとラタトゥイユを添えたハムのステーキたまり漬「鬼おろしにんにく」によるガーリックライスPetit Chablis Billaud Simon 2016自由学園のクッキー、Old Parr(生)


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2019.11.14(木) 人生史上最強の

宇都宮のカイロプラックティックでの、ことし1月11日から数えて39回目の今日は治療日だ。治す場所は背中の右側、左の肩ときて、現在は右膝に集中している。

右膝の不調に気づいたのは2013年の7月、カトマンドゥ郊外の低山シヴァプリに登って下りた直後だった。右膝に、外側から押されてX脚になったような感触を覚え、且つ痛んで、階段の上り下りが不自由になった。痛みは1週間か10日で去って、以降は放置をした。それを、背中の痛みのために訪れたカイロプラクティックで見事に見抜かれた、というわけだ。

右膝の周辺およそ7ヶ所に9,000ボルトの電子ペンを押し当てられると、皮膚が破れるのではないか、思われるほどの痛みを感じる。その痛みは、固まりきった筋が緩むに従って和らぐ。この治療を2週間に1度の割合で、先月の末までにどれほど続けただろう。快方に向かってはまた元に戻ることを繰り返すうち業を煮やしたのか、前々回から先生は攻撃の矛先を、膝から右太ももに転進させた。

電子ペンによる痛みには無言で耐えられる。しかしこの、右太ももの筋肉や靱帯をヒジで攻めていく施療には悲鳴を上げて七転八倒した。7日間は蹲踞もできなかった。正座ができるまでに10日もかかった。その2週間後の責め苦には何とか耐えられた。今日の攻撃も、痛いことは痛かったが、何とか逃げずに受け通せた。先生によれば、膝は徐々に、快方に向かっているらしい。

右の膝は、年内には復旧するのではないかと、希望を伴いつつ観測をしている。腰痛などは数十秒の、頸骨の調整だけで雲散霧消させる、人生史上最強の治療院なのだから。


朝飯 牛蒡のきんぴら、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、大根の千枚漬け風、秋刀魚の梅煮、ふきのたまり漬、メシ、里芋と万能葱の味噌汁
昼飯 “COCO’S”のカキフライランチ
晩飯 だし巻き玉子、大根の千枚漬け風、ふきのたまり漬、柿の葉すし肉団子と白菜の鍋、麦焼酎「ひゅうが晴」(お湯割り)、


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2019.11.13(水) 3回くりかえして

下りの始発特急の乗車率は、いつも2割くらいのものだ。だからその特急券の買えるウェブページには、地下鉄千代田線が北千住に着いてからアクセスした。ところが今日に限っては6両編成に、片手で数えられるくらいしか席が空いていない。即、意に沿わない通路側の席をひとつ確保する。

大きなスーツケースを曳く人たちと団子のようになりながら、浅草から来た特急スペーシアに乗り込む。指定された席には、窓際に座った人のカバンとコートがあった。「すいません」と声をかけても、相手はスマートフォンに指を滑らせることに熱中している。「すいません」を3回くりかえしたところで「外国人だろうか」と不審に思う。その瞬間「あら、スミマセン」と、女の人はようやく通路に立ちつくす僕に気づいた。

鉄橋の骨組みが、目に留まらない速さで過ぎていく。それを透かして青い空と枯れた草と利根川の黒い流れが見える。乗客のほとんどは、日光へ向かう紅葉狩りの観光客だろう。「晴れて良かったね」と腹の中で言う。「でも混んでるぞ」と、これまた腹の中で言う。

日光、鬼怒川の行楽地は、今週末に混雑の頂点を迎える。そして来週末の連休まで賑わう。それが過ぎれば冬へ向かってまっしぐらだ。10月の災害を思えば、例年どおりの繁忙は、いかにも有り難い


朝飯 「小諸蕎麦」のたぬき蕎麦、ライス
昼飯 ラーメン
晩飯 2種の茸のスパゲティラタトゥイユとベビーリーフと茹でたブロッコリーを添えたビーフステーキ無花果の赤ワイン煮Cateau Puygueraud Haut Cote de Bordeaux 2010自由学園のクッキー、Old Parr(生)


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2019.11.12(火) 焼き鳥屋修業

練習しなければ上達しない、というものが苦手だ。子供のころピアノを無理やり習わされていた。それが原因かも知れない。例外は文章である。文章に対してだけは、指導を受け、それに従い、向上する意欲がある。

2週間ほども前の夕刻、facebookから飛んだ先で、文章についての教室のあることを知った。参加の申込みは翌早朝にした。人見知りの僕にしては素早い判断だった。

地下鉄新宿線の市ヶ谷から地上へ出る。時刻は18時15分。iPhoneにgoogleマップを開く。指定された場所は、見知った書店や喫茶店の入るビルの上階だった。会場の長机には、お茶のペットボトル21本が並べられていた。すなわちそれが、今夜の参加者の数なのだろう。最前列かつ中央の席に着く。

定刻の19時に講師の下川裕治が登壇する。最初の30分間は「これで最後まで話が保つのだろうか」と案じたものの、それは杞憂だった。研修に含まれるワークショップは大抵、鬱陶しくて好きでない。しかし今夜のそれは例外だった。予定の21時30分を過ぎても、講師と参加者による質疑応答はしばらく続いた。結論として、今夜の勉強会は、とても身になった。

遅い夕食の最中に鴨志田穣の紀行文を開く。あらためて読むその文章は、先ほど教えられたばかりの「定石」に見事に一致をしていた。鴨志田穣が修業をしたのは焼き鳥だけではなかった。それをこれまで気づかずに来てしまったのは、勿論、僕の不覚による。


朝飯 牛蒡のきんぴら、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、秋刀魚の梅煮、生のトマト、大根のぬか漬け、ふきのたまり漬、メシ、若布と揚げ湯波と万能葱の味噌汁
昼飯 「セブンイレブン」の2種のおむすび
晩飯 「三幸園」の皮蛋木須肉、紹興酒「古越龍山銀龍」(常温)


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2019.11.11(月) 豆腐

目を覚ますと時刻は2時26分。起きるにはいかにも早すぎる。iPhoneでウェブニュースを読んだり、それに疲れて闇の中でひっそりと休んだりして、ふたたびiPhoneのホームボタンを押すと時刻は4時56分になっていた。2時間半のあいだ目を覚ましたままとは、いくらなんでも考えづらい。気づかないうちに眠ったり目を覚ましたりを繰り返していたのだろう。5時を過ぎての起床は僕に著しい「損した感」を覚えさせる。即、掛け布団を跳ね上げ床に足を降ろし、着替えを始める。

おとといの日記のための画像を食堂で加工しながら、外を走るクルマの、路面の雨水を切る音を聞く。「週末は、よく天気が保ってくれたな」と、有り難く感じる。しかしいつまでその水の音を愛でているわけにはいかない、製造現場へ降りて、きのうのうちに用意しておいた白衣を身につけ、不織布による帽子をかぶり、マスクをして朝の仕事に従う。

今朝のお膳には冷や奴がある。朝の冷や奴、つまりごはんのおかずにするそれは好きだ。しかし夜に酒の肴として冷や奴を口にすることはない。夜のお膳には、豚肉と共に煮られた豆腐があった。酒の肴には、暖かい豆腐が似合う。その肉豆腐を孫のリコは食べない。訊けば「豆腐は味噌汁が好きなんだよ」と言う。

豆腐ひとつをとっても、人の好みには、色々と難しいものがあるらしい。


朝飯 秋刀魚の梅煮、2種の茸のソテー、冷や奴、生のトマト、茹でたブロッコリー、ふきのたまり漬、メシ、シメジと若布と万能葱の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 刺身湯波、牛蒡のきんぴら、肉豆腐、鮪の付け焼き、ふきのたまり漬、メシ、なめこの味噌汁、麦焼酎「ひゅうが晴」(お湯割り)


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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