2019.5.21(火) 大雨の予報
東京では特に昼ごろに風雨が強まると、テレビの天気予報が伝えている。正にその時間、僕は大井町の駅から1キロほどのところにあるソーマ歯科室に予約を入れている。雨靴は持っていない。登山靴で代用する手はあるものの、それは街にはあまり適さない。ゴム草履では、気温が落ちてから風邪をひく心配がある。考えあぐねて結局は、普段履きのメレルのジャングルモックを履く。
いつもは自転車で向かう駅に、今朝はタクシーを頼む。大雨の予報にもかかわらず、東武日光線には遅延が出ていなくて助かった。
京浜東北線を大井町で降り、外へ出る。強いのは雨ではなく風だった。傘の壊れないのが不思議なほどの強風で、その風に煽られた雨滴が全身を襲う。ソーマ歯科室に着くころには、木綿のセーターは湿り気を帯び、ズボンの特に膝から裾までは満遍なく濡れて、ひどい有様になった。替えのズボンは持ち合わせていない。
午後は仕事に必要な資料を得るため、秋葉原と銀座を歩く。雨は18時がちかくなるころにようやく収まって、8丁目の鮨屋に落ちつく。
朝飯 蓮根と人参のきんぴら、納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、巻湯波の淡味炊き、ひじきと人参の甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、ふきのとうのたまり漬、メシ、若布と茗荷の味噌汁
昼飯 「デリフランス大井町店」の4色サンドイッチ、コーヒー
晩飯 「鮨よしき」のあれや、これや、それや。「天吹酒造」の”I lOVE SUSHI”(冷や)、「山本合名」の「ロイヤルストレートフラッシュ」(冷や)、「笑四季酒造」の「恋をするたびに… 最終話・夢が覚める前に」(冷や)
2019.5.20(月) 一気呵成の
僕が20代の半ばで家に戻ったとき、旅館やホテルの調理場に納める以外の日光味噌は、白だし、赤だし、粒みそ、ひしおの4種類だった。オヤジが亡くなった2005年以降、それらに、日光産のタチナガハあるいはサトノホホエミに日光産のコシヒカリを組み合わせた梅太郎白味噌と梅太郎赤味噌、更には唐辛子を加えた辛ひしお、カレー風味のカレーひしおを加えて、計8種類に増やした。
そのうちの白だし、赤だし、粒みそに用いてきた袋が今年の夏にも尽きそうなところから、以降はどのような容器で販売するかが、ここ数ヶ月の懸案になっていた。それが先般の場長会議、そして本日の長男との話し合いによって、ようやく決まった。決まったからには即、動かなくては、気の短い僕は気が済まない。
時刻は既にして16時30分になりかかるところだったが、頼みつけのデザイナーに電話を入れ、17時までに行く旨を伝える。そして現行の袋と新しい袋を手渡し、当方の大まかな希望を伝える。たたき台は今週中に上がるという。また来月の半ばに予定されている写真撮りに際しては、実物は間に合わないものの、撮影用のそれは手作りで完成させるとの確約を得た。
僕は気が短いゆえの失敗も数々してきたけれど、それでも一気呵成の仕事運びには爽快なものがある。味噌の、新しい袋の出来を、僕は大いに楽しみにしている。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、鮭の昆布巻き、ひじきと人参の甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、ふきのとうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と茗荷の味噌汁
昼飯 「ふじや」の味噌ラーメン
晩飯 ほうれん草の海苔のおひたし、蓮根と人参のきんぴら、銀鱈の西京焼き、巻湯波の淡味炊き、大根と胡瓜のぬか漬け、塩らっきょう、孫に浅蜊をすべて譲って万能葱ばかりになった味噌汁、「松瀬酒造」の「松の司特別純米」(冷や)、チーズケーキ、”TIO PEPE”
2019.5.19(日) 阪納誠一メモリアル走行会(初夏の部)
東京から日光に移り住み、古典車の修復家として一時代を築いたバンノーセーイチさんを追悼する「阪納誠一メモリアル走行会」には、2006年から2016年まで欠かさず出走をしてきた。しかし2017年と2018年は、その開催日が「日光の美味七選」を出荷する12月30日に重なったため、やむなく参加を見送った。
この走行会には初夏の部も設けられているものの、行楽の季節に忙しい仕事柄、こちらについてはハナから出るつもりは無かった。しかし1926年製の、オヤジが遺したクルマを動態保存しようとすれば、長く空白を置くことは望ましくない。そのような理由から、今回は申込書の「参加」を丸で囲んで事務局のキクチキヨタカさんに返送した。
年末の走行会は、ツインリンクもてぎの西コースで行われる。一方、今日のそれには北ショートコースが指定をされていた。普段はミニバイクあるいはカートのレースに用いられるここは、1周が982メートルで、レーシングカーを思い切り走らせられるところではない。
本日の出走は、ビンテージクラスが10台、50~60年代クラスが10台の計20台。それらを操縦する参加者が8時30分にコントロールタワー下の部屋に集まって、ミーティングが開かれる。「ジンシャ共に元気で帰るということが、レースの鉄則でございます」との、いつもこの席で解説を務めるツツミトモヒコさんの言葉に会場から笑いが漏れる。僕も笑い声を上げたひとりではあるけれど、これ以上無い至言であることは間違いない。
9時から、その北ショートコースに出て行く。4速に入れられるのはバックストレッチのみ。しかし4速に上げて数秒のうちに3速に落とさなければ、次の左コーナーを曲がれない。最終のS字カーブでは2速に落としたいものの、グランプリブガッティは、レースでの走行中に2速に落とすことは想定していないはずだ。H型のシフトパターンに加えて、1速と2速の中央にシフトバーがバネで固定されないこの時代の設計では、3速から2速への減速は、しごくしづらいのだ。
エンジンは絶好調だ。しかしブレーキの効き具合に気持ちの悪さがある。それを確かめてもらうため、維持修復係のタシロジュンイチさんにも試走をしてもらう。ライニングは、次の機会までに貼り替える必要があるだろう。
9時から16時前までに6回の走行を果たす。今年末の走行会が何日に設定されるかは不明ながら、日程さえ合えば、この青いクルマを、次は広い西コースで思い切り走らせたい。
16時27分にツインリンクもてぎの北ゲートを出て、店には17時50分に着いた。即、帽子をかぶり、名札を首から提げて、閉店のための作業に当たる。終業後はあらかじめ作り置いた、先般の町内役員旅行の決算書10部を持って家を出る。そして小倉町の居酒屋へと急ぐ。
朝飯 「ホテル若葉」の朝のお膳
昼飯 「GTカフェ」のビーフカレーライス、ミニサラダ
晩飯 「和光」のお通しのもやしのナムル風、刺身の盛り合わせ、お新香の盛り合わせ、豚タンの網焼き、エシャロット、他あれこれ、麦焼酎「和光」(ソーダ割り)
2019.5.18(土) 新たに植えることはしない
下り特急スペーシアの中で一眠りしたせいか、昨夜はなかなか寝付かれず、そのあおりを受けて、今朝は流石に眠かった。いつもよりすこし遅い5時すぎに製造現場へ降りて、軽く仕事をする。
隠居の、枯れた百日紅と紅葉を伐り、地面の下を這った藤の蔓を掘り出す植木屋の仕事は、きのう1日で完了した。その様子を確かめるため、朝、味噌蔵のある庭に入る。枯れた木は、伐ればそれで事が済む。しかし藤の蔓については、毎年、掘り出すことを繰り返す必要があるだろう。
伐られた紅葉は庭の奥の、滝をかたどった岩の脇に、なかなかの枝振りで大きく育っていた。それが無くなってみると、辺りの景色は一気に風情を失った。しかしここに、新たな紅葉を植える気はしない。こと家の庭に限っては、意匠を凝らしたそれは、もともとあまり好きでないのだ。手入れが面倒、ということもある。
16時30分、BUGATTI35Tを載せたトレーラーをホンダステップワゴンで牽引しながら、EB-ENGINEERINGのタシロジュンイチさんが迎えに来る。その助手席に収まって、一路、茂木を目指す。
朝飯 鮭の昆布巻き、鮭の麹漬け、大根の濾紙を添えた厚揚げ豆腐の網焼き、生のトマト、胡瓜のぬか漬け、ふきのとうのたまり漬、メシ、若布とほうれん草の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「蘭」のステーキセット、“LES TANNES en Occitanie CABERNET SAUVIGNON 2017”
2019.5.17(金) 同窓会
3日あれば台北と香港とソウルにそれぞれ1泊ずつしてくるような多動性のあったオヤジは、夕方から東京へ行って、その夜のうちに帰るということを、しばしばしていた。目的地にいる時間より往復に要する時間の方が長いという、僕なら仕事を除いては決してしたくない時間配分である。しかし今日は社内に人手が足りず、図らずも、僕もおなじように動かざるを得なくなった。
下今市16:05発の上り特急スペーシアに乗ると、池袋には18時すこし過ぎに着く。同窓会の始まる時刻は18時30分だが、どこかに寄り道をしているひまは無い。18時10分に指定の店への階段を降りようとしているところに後ろから声をかけられる。振り返ると、声をかけたのはノリマツヒサト君。イリヤノブオ君とウィルソンアキラ君も一緒だった。
今回の日程は、いくつかの条件により決められたものだが、そのひとつは、ダラスに住むウィルソン君の一時帰国に合わせて、というものだ。ウィルソン君は、中学3年生の夏休みにアルバイトをした婦人之友社を、今は同社の社長になったイリヤノブオ君に、午後から案内をしてもらっていたはずだ。
居酒屋の個室には、我々が一番乗りだった。「日本に帰ったら食べたいと思っていた」とウィルソン君の言う鰊の塩焼きは品書きに無かったから、その代わりとして鰯の丸干しを注文する。ウィルソン君はビールよりもチューハイが飲みたいという。鰊の塩焼きもチューハイも、彼が自由学園のサッカー部にいたとき慣れ親しんだ味なのだ。
同級生たちは次々に集まって、遂には18名に達した。その宴たけなわの20時10分に、僕は中座をする。そして北千住21:13発の下り特急に乗り、23時がちかくなるころ家に戻る。
朝飯 たぐり湯波の淡味炊き、納豆、生のトマト、カキ菜のおひたし、切り昆布の炒り煮、ふきのとうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と大根の葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし味噌ラーメン
晩飯 「鞍」のお通しのこんにゃくの甘辛煮、冷やしトマト、鰯の丸干し、鰹の刺身、他あれこれ、「三和酒類」の麦焼酎「いいちこ」(ソーダ割り)
2019.5.16(木) すべては個人化に向かうか
すこし前までは、観光バスにはカラオケと「寅さん」の映画、そして綾小路きみまろの漫談のビデオは必須の常備品だった。今回の、町内役員の積立による旅行で使ったバスには「カラオケ禁止」の張り紙があった。人の吐いたタバコの煙を僕が嫌うこととおなじく、人の歌声は聞きたくない、という人がいるのだろう。映画についてもしかり、ビデオにおいてもしかり、だ。
今回の旅行の2日目、車内での飲酒は朝の9時30分から始まった。しかし「カラオケ禁止」に鑑みれば、観光バスの車内では、そのうち飲酒も禁止されるだろう。シラフの僕も含めて、とにかくオヤヂ連中は賑やかだ。これが他の乗客に嫌われている可能性は充分にある。
飲酒の次は「アイツの食ってる〇〇が臭せぇ」という理由から、飲食も禁止になるだろう。更には「カラオケ禁止」とおなじ理由から、会話も禁止になるだろう。そしてそこまで「他人のすることがいちいち気に入らねぇ」という時代になれば、団体旅行も観光バスも、この世から消えるだろう。
少数意見の尊重は民主主義の基本ではあるけれど、急増、多発する苦情によりやむなく作られた決まりに従わなければならない世の中は、なかなかに住みづらそうだ。僕が好んで行くタイの田舎も、そのうちそんな社会になってしまうのだろうか。
朝飯 ほうれん草とジャガイモのオムレツ、納豆、大根おろしを添えた厚揚げ豆腐の網焼き、切り昆布の炒り煮、胡瓜のぬか漬け、ふきのとうのたまり漬、空豆の甘煮、メシ、浅蜊と万能葱の味噌汁
昼飯 サンドイッチ、紅茶
晩飯 カキ菜のおひたし、大和芋と「しいたけのたまり炊」と牛肉のすき焼き風、「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」を注した刺身湯波、空豆の甘煮、大根と胡瓜のぬか漬け、塩らっきょう、なめこと万能葱の味噌汁、「松瀬酒造」の「松の司特別純米」(冷や)
2019.5.15(水) full of green
「立夏も過ぎたのに、杉菜はないんじゃない」と、朝、ご予約をいただいているバスの到着を待ちながら、長男に言われた。それは僕も感じていたので「次は萬緑だ」と答えた。店舗に向かって右側の、季節が変わるごとに掛けかえる、季節の書についての会話である。
僕は即、2階の倉庫へ急ぎ、丸めて筒にしたいくつもの書の中から「萬緑」を取り出し、それを事務室へ置く。そして店の前に回って「杉菜」の書を挟んだアクリル版を壁から外し、事務室へ戻ってその中身を「萬緑」に入れ替えた。
「萬緑」は英語で”full of green”とは、自由学園の同級生スズキマサカズ君が、いつかfacebookに上げていた英文から知ったことだ。そのとき僕は既にして還暦を超えていたと思うけれど、この”full of green”は即、憶えることができた。新緑の季節は真夏に続いて好き、という僕の好みが、そうさせたのかも知れない。
日光宇都宮道路の今市I.C.方面から到着したバスを駐車場にご案内し、次々と降りていらっしゃるお客様にご挨拶をし、以降は店で販売の手伝いをする。ご一行は少なくない買い物をしてくださって、次の目的地へ向かわれた。
ひと息ついて事務机のコンピュータを開き、念のため季節の書の一覧を呼び出す。するとそこには「杉菜」の次は「麦笛」とあった。それに気づいても、もう遅い。「萬緑」は「麦笛」を飛び越えて、6月の末までは、壁に架けられているだろう。
朝飯 空豆の甘煮、切り昆布の炒り煮、スクランブルドエッグ、納豆、生のトマト、胡瓜のぬか漬け、ふきのとうのたまり漬、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 「丸亀製麺」のわかめうどん(揚げ玉と刻み葱は無料)、梅干のおむすび
晩飯 玉葱のスープ、ポテトグラタン、キャロットラペとグリーンアスパラガスのソテーを添えたビーフステーキ、“Almaviva 1997”、パイナップル、”TIO PEPE”、2種のチョコレート、”Old Parr”(生)
2019.5.14(火) 欲求の漸減と消滅
「自分へのご褒美」とは、なかなか優れた惹句だと思う。贅沢と思われる品も、この魔法のことばを頭に浮かべれば、清水の舞台から飛び降りることができそうだ。
僕は、自分に褒美を与えられるような人生は歩んでこなかった。しかしとにかく馬齢を重ねておととし還暦に至った。褒美は無理としても、還暦祝いなら贈れそうだ。自分がみずからに与える還暦の祝いには何が欲しいか。ひとつはライカQだった。
必要に迫られれば仕方なく一眼レフを使うものの、本来、レンズが交換できる式のカメラは好まない。レンズは広角が好きだ。更には僕は、食べ物を超近接で撮ることが多い。だったらライカの”Q”ではないか。
あるとき泰明小学校のちかくのライカを訪ねて”Q”を触らせてもらった。当然のことながら、質感は申し分ない。しかしこれはハナから分かっていたことだけれど、携帯をするにはいかにも大きく、そして重い。大荷物や重い荷物を嫌う僕がこれを持てば、使う機会はほとんど家の中に限られるだろう。そんな自分には、カメラはリコーGRDで充分だ。そう考えて、ライカQに対する欲求は漸減の後に霧消した。
欲しいもののもうひとつは、グランドセイコーの時計だった。モノは、修理をしながら長く使いたい。これまで「ブランドを引き継いだだけで、以前とは会社が違う」とか「既に部品の供給が止まっている」などの理由により時計の修理を断られてきた経験から、僕は「長く使うならセイコーの三針だ」という結論に至っていた。いまグランドセイコーの時計を買えば、死ぬまで使うことができるだろう。欲しいグランドセイコーは、もっとも低い価格帯の簡素なものだ。
4丁目の服部は敷居が高いから、池袋のビックカメラに行った。そしてグランドセイコーを置いた一角に近づくと、20万円台のそれと50万円台のそれとでは、高級感に極端な差のあることに気づいた。50万円台のそれを目にしてしまうと、これまで欲しかった20万円台のクォーツ式は、いかにも見劣りがする。しかしいくら高級感に満ちているとはいえ、道具としての時計に50万円台の機械式を選ぶ気もしない。そうしてグランドセイコーへの欲求も、ライカQに対するそれとおなじく、徐々に萎んで消えた。
そんな日々から2年と数ヶ月を経た先日、セイコーがソーラー電波修正式の、それも伝統的で簡素な意匠による品を出していたことを知った。しかしその”SBTM159″は既に廃番になっていて、市場にはいくらも残っていない。迷っている時間は無い。そしていまだ在庫を持っているらしいふたつのウェブショップを入念に見くらべながら、遂に購入ボタンをクリックした。
当該の時計は先週の金曜日に届いた。それを今日は街の時計屋”LOOKS”に持ち込んで、ベルトの長さを僕の手首に合わせてもらった。自分の還暦祝いは結局のところ35,800円と、当初の予定の20分の1以下に収まった。セイコーの三針とはいえソーラー電波修正式であれば、死ぬまでは保たないかも知れない。それでも僕は、今回の買い物に、極めて満足をしている。
朝飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、スペイン風目玉焼き、切り昆布の炒り煮、海ぶどうの酢の物、キュウリのぬか漬け、ふきのとうのたまり漬、メシ、揚げ湯波と若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 肉団子鍋、芋焼酎「白金乃露」(お湯割り)、いちごの杏仁豆腐、”TIO PEPE”
2019.5.13(月) この上なく楽しい旅行
朝、道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の在庫しらべと売り場の掃除をするため三菱デリカを走らせていると、昨日おとといと一緒に旅行をしたイケダツトムさんが黒い背広を着て出勤する姿が見えた。帰りに春日町の交差点まで来ると、おなじくクロスカオルさんが市役所のクルマを運転して鬼怒川方面へと去って行った。皆、仕事に戻ったのだ。
旅行中に使った公金の領収書を事務机に並べ、決算書を作る。今回の旅費は例年より高かったこともあり、できるだけ切り詰めたにもかかわらず、12,450円の赤字が出た。この赤字は今年の積立から補填し、来年の旅行はすこし地味にする必要があるだろう。
今市市立今市小学校の1968年度の修学旅行は、浅草から隅田川を船で下って浜離宮で昼食、羽田空港を見学して帰る、というものだった。その旅行から戻って数日が経ったころ、担任のエダタダシ先生が来年度に備えてのことだろうか「今回の旅行で、もっとも楽しかった場所はどこでしたか」とお訊きになった。
小学生のことだから「ハイ、ハイ、ハイ」と、教室のあちらこちらで手が挙がった。圧倒的に多かったのは「行き帰りの電車の中」という答えだった。そのときのエダ先生の困惑されたお顔は、いまだに忘れられない。
キング牧師の夢とくらべれば隨分と卑小なものになるけれど、僕は、春日町1丁目の役員とチェンライへ行きたい。僕は朝から夕方までプールサイドで本を読む。みなは街の食堂でおかずを買い、それをホテルの部屋に持ち帰って酒を飲む。夕方になったらナイトバザールへ出かけ、イサーン鍋を囲んで宴会をする。毎日、それだけを繰り返す。この上なく楽しい旅行になることは、僕が保証する。
朝飯 切り昆布の炒り煮、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、鮭の親子漬け、胡瓜のぬか漬け、ふきのとうのたまり漬、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 盛りラーメン
晩飯 昆布と鰹節の自家製ふりかけ、グリーンアスパラガスの白和え、鰤大根、大根と胡瓜と茄子のぬか漬け、ズッキーニと玉葱の味噌汁、空豆の網焼き、「新政酒造」の「平成三十一年己亥二月四日」(冷や)
2019.5.12(日) 町内役員の親睦旅行(2日目)
05:00 起床。
05:30 入浴。
07:30 朝食。
08:55 湯神子温泉の旅館「ゆのみこ」を出発。
09:05 立山I.C.から北陸自動車道に上がる。
09:30 町内役員のうち自治会長と僕を除くほとんどがビールを飲み始める。
09:50 北陸自動車道を金沢森本I.C.で降りる。
10:02 兼六園着。
11:02 兼六園の敷地内にある物産店で昼食。参加できなかった5名へのお土産を調達。
11:58 兼六園を出発。
13:15 白川郷着。快晴と新緑による景色は素晴らしいものの、我々はここへは2009年と2014年に来ているため、見物はせず、体力の温存を図ってパラソルの下でソフトクリームを舐めつつバスの同乗者が戻るのを待つ。
14:19 白川郷を出発。
15:42 ドライブイン「赤蕪の里」に到着。
16:11 ドライブイン「赤蕪の里」を出発。
17:40 松本I.C.から長野自動車道に上がる。
17:43 梓川P.Aで小休止。ドトールでミラノサンドAとコーヒーを買ってバスに戻る。
18:00 バスの車内にて夕食を摂る。
18:31 信越自動車道に入る。
19:23 上信越自動車道の横川S.A.に到着。
19:43 横川S.A.を出発。
20:15 いつの間にか関越自動車道に入っている。
20:24 いつの間にか北関東自動車道に入って伊勢崎I.C.を通過。
20:50 岩舟JCT.から東北自動車道に入る。
21:13 大谷P.A.に到着。
車内で添乗員がアンケート用紙を配る。春日町1丁目役員の分は、僕が代表で記入をする。
「今回の旅行で、もっとも楽しかった場所はどこでしたか、それは、行き帰りのバスの中と、夜の宴会です」と、いかにもアンケートに答えるようにして言うと、皆から笑いが漏れた。その笑いとは「アホなこと言いなさんな」という、漫才のいわゆる「つっこみ」にあたるものではない。「なるほどそれは事実だ。とすれば、わざわざ遠くまで出かけて、人混みの中で疲れる意味って、何だろう」という、みずからへの問いかけによる失笑に他ならない。
21:20 大谷P.A.を出発。
21:25 宇都宮I.C.で東北自動車道を降りる。
21:28 下金井駐車場で、やしお観光のバスを降りる。
21:35 ウカジシンイチ自治会長のトヨタプリウスとウチの三菱デリカに7名が分乗して日光を目指す。
21:52 上澤梅太郎商店の駐車場に到着、解散。
明朝の味噌汁の準備を整え、入浴して即、就寝する。
朝飯 「ゆのみこ」の朝のお膳
昼飯 「寄観亭」の昼のお膳
晩飯 「ドトール梓川P.A.店」のミラノサンドA、コーヒー