2019.4.30(火) 通説の信憑性
ウェブ上には様々な宣伝が溢れている。今朝、ブラウザを立ち上げると「男の胃袋を掴む五大料理とは、味噌汁、ハンバーグ、肉じゃが、カレー、唐揚げです」という文字が目に飛び込んできた。「男の胃袋を掴む」とはいえ、その中の肉じゃがと唐揚げ、これは鶏の唐揚げを指すものと思われるが、そのふたつには、僕は興味を持たない。
肉じゃがは炭水化物の固まりだから、メシのおかずにはならない。甘いので、酒の肴にもならない。僕にとっては、どうにもつぶしの効かない料理である。鶏の唐揚げについては、僕は外ではおおむね食べないが、銀座の洋食屋「キャンドル」のそれは、閉店する前にぜひ食べておきたかった。しかしもう間に合わない。鶏の唐揚げは外では食べないものの、嫁のモモ君の揚げるそれは美味い。
ところで肉じゃがのジャガイモを里芋に換え、豚肉を牛肉に換えると、急転直下、好きなおかずに変身をする。「しいたけのたまり炊」や糸こんにゃくを加えてすき焼き風に煮るのだ。そろそろまた常備菜として、家内か長男に作ってもらうかも知れない。
朝飯 細切り人参の炒り煮、切り昆布の炒り煮、若竹煮、ほうれん草のおひたし、「ふきのとうのたまり漬」を添えた生玉子、胡瓜のぬか漬け、メシ、三つ葉の味噌汁
昼飯 「丸亀製麺」のわかめ野菜天うどん
晩飯 モッツァレラチーズの「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、”TIO PEPE”、ジャガイモやツナのサラダ、パン其の一、鰯の丸干しのトマトと胡桃のソース、パン其の二、“Petit Chablis Billaud Simon 2016”
2019.4.29(月) もつ焼き
ガラスの格子窓から店の混み合う様子が見えたため、取り急ぎ事務室から移動をして接客に当たろうとする。すると、若い男の人が親しげに笑みつつ近づいてきた。飲食店を経営する方で、お店でウチの漬物を扱って下さっているという。そんな関係から、ぜひ一緒に写真を撮りたいとおっしゃる。僕は即、事務室に戻り、長男を呼ぶ。その若い方とは犬走りの金看板を背に、長男も含めた3人で写真に納めさせていただいた。
お店の最寄り駅は東西線の落合、業態はもつ焼きだという。
「日本の食べ物で、いちばん好きなものは何ですか」とタイ人に訊かれて「もつ焼きですかねー」と答えたことがある。モツを意味するタイ語をカタカナで表せば「クルアンナイ」だが、この発音が難しい。だから僕は、その「クルアンナイ」のタイ文字をインターネット上でコピーし、印刷をして、旅行中に持ち歩くノートに貼りつけている。通じなければこれを見せる手、である。
本日のお客様のお店には、かならずお邪魔をしたいと考えている。
朝飯 切り昆布の炒り煮、納豆、若竹と菜の花の炊き合わせ、ふきのとうのたまり漬を添えた生玉子、胡瓜のぬか漬け、メシ、若布と三つ葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の野菜麺
晩飯 細切り人参の炒り煮、ほうれん草の胡麻和え、ブロッコリーのサラダ、鶏のつくね焼き、らっきょうのたまり漬、筍御飯、梅干し、麦焼酎「黒麹道」(お湯割り)、イチゴの杏仁豆腐
2019.4.28(日) 備えあれば憂いなし
むかしamazonで買った本が、何かのきっかけからまたブラウザに現れる、ということがある。googleやamazonが巧妙に仕組んだアルゴリズムによるものと思う。「情報は1冊のノートにまとめなさい完全版」も、そんな1冊だ。「〇〇しなさい」という、いかにも偉そうな書名は、小山昇の著作に目立つ。あるいはそれよりも前に、このような書名で本の売れることに気づいた編集者がいたのかも知れない。
僕は活字中毒ではあるけれど、いわゆるハウツー本やビジネス書は読めない。本を読むことによってなにがしかの利益を得ようとした途端、脳のどこかがピシャリと閉まって一切、その内容が頭に入ってこなくなるのだ。しかしてまた、そのような本であっても、黄表紙まがいのものと脳が認識をしてくれれば読める。
「情報は1冊のノートにまとめなさい」を、メイラーの「通信販売」というフォルダに検索すると、僕はこれを2008年6月23日に買っていた。そしてまぁ、読んだわけだけれど、もちろん僕のことだから、ただ読んだだけで、書いてあることを実行したわけではない。実行はしなくても、覚えていることの二つや三つはある。そのうちの一つが「1,000円札1枚をノートに挟み込んでおく」というものだ。
僕は、街うちに出かけるときには財布を持たない。手提げに入れれば片手がふさがり、ポケットに入れればポケットが膨れて不快だからだ。出かけた先では欲しいものに頻繁に出会う。出会っても財布は持っていないから、それを買うことはできない。
「情報は1冊のノートにまとめなさい」を読んでから実に11年目の本日、「非常用」と書いたビニール袋に500円玉2個を入れ、それをホンダフィットのハンドルの下に格納した。1,000円あれば、季節の野菜やサンドイッチくらいは買える。備えあれば憂いなし、である。
朝飯 大根おろしを添えた油揚げの網焼き、納豆、スペイン風目玉焼き、鮭の昆布巻き、ふきのとうのたまり漬、メシ、シジミと万能葱の味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注)
晩飯 菜の花のおひたし、鮭の麹漬け、らっきょうのたまり漬、若竹煮、鶏もも肉の照り焼き、胡瓜のぬか漬け、麦焼酎「黒麹道」(お湯割り)、武平饅頭、「不二家」のイチゴのショートケーキ、”Old Parr”(生)
2019.4.27(土) 続・朝の納品
いつもより1時間ほどはやく朝食を済ませ、6時15分に仕事場に降りる。そしてきのう製造係の数名が用意した商品をホンダフィットに積み、6時30分に会社を出る。JR宇都宮駅までの行程は45分と予想をしていた。しかし実際には35分後の7時5分に着いた。出張先の東京から戻った長男と7時15分に落ち合って、クルマを南へ向ける。
四半世紀ほども付き合いの途絶えていた福田屋百貨店さんとは、ひょんなことから取り引きが再開し、今月の9日にはFKD宇都宮店さんに初めての納品をさせていただいた。それに続いて今日は、FKDインターパーク店さんにも納品をさせていただくことになっている。約束の時間は8時だったが、現場には7時41分に到着した。
僕は、割り当てられた棚にアルコールを噴霧し、磨き上げることを繰り返す。長男は商品にシールを貼り、それを棚に並べていく。本日の納品は、小一時間で完了した。帰りは、いまだ開店前のFKD宇都宮店さんに立ち寄って、売り場の様子を見る。
10連休の初日から新しい仕事ができて、大いに嬉しい。
朝飯 切り昆布の炒り煮、納豆、目玉焼き、ポテトサラダ、薩摩揚げの淡味炊き、ふきのとうのたまり漬、メシ、ほうれん草と玉葱の味噌汁
昼飯 「CoCo壱番屋」のポークカレー、野菜サラダ
晩飯 らっきょうのたまり漬、カレー南蛮鍋、トンローのローカルスーパーマーケット「杜泰興」で買った長寿麺をカレーの鍋で煮て「百德食品公司」の豆板醤で和えたもの、麦焼酎「黒麹道」(お湯割り)、どら焼き、“Almaviva 1997”
2019.4.26(金) 大事を取って
来るべき10連休に備えて、釣り銭の両替を水曜日、木曜日と行った。なぜ2日に亘ったかといえば、1度では重くて持ちきれなかったからだ。更に今日は最後の調整として、いまいちど両替を行った。一銭にもならない仕事を引き受けてくれる近所の信用金庫に対しては、何やら申し訳ない気分を感じている。
釣り銭用の紙幣や硬貨は、小口現金と混じり合わないよう、別の場所に置いている。釣り銭を納めた金庫は、今のところは汗牛充棟に見える。これがまたたく間に減って、顔が青ざめるくらい、10連休が忙しくなれば有り難い。
ところでこのところの暖かさから急転直下、今日は気温が下がった。山沿いには降雪の予報すら出ている。夕刻、店の外に寒暖計を置くと、色は赤いから水銀柱とはいえない、とにかく気温は10度を下まわった。
夜は、僕が書記を務める、日本酒に特化した飲み会「本酒会」の例会にて、大谷川の向こうまで出かける。明日は大切な用事があるため徒歩や自転車は避け、往きはホンダフィット、帰りは代行車を頼んだ。21時すぎに帰宅してしばし製造現場に入り、明日のための商品を確認する。
朝飯 切り昆布の炒め煮、薩摩揚げの淡味炊き、納豆、トマトのスクランブルドエッグ、ふきのとうのたまり漬、メシ、大根と大根の葉の味噌汁
昼飯 「ふじや」の広東麺
晩飯 「天幸」のあれや、これや、それや、他あれこれ、4種の日本酒(冷や)
2019.4.25(木) ミャンマーの葉巻
春夏秋冬、年に4本のタバコまたは葉巻を吸う。なぜ吸うか。このようなドラッグまがいのものを国は国民に許している、そのいい加減さが面白いから吸う。なぜ年間4本に限るか。タバコはマリファナとは異なって、1日に1本、それを1週間ほども続ければ立派な中毒患者になれる。そして元の世界にはなかなか戻れない。それを嫌っての年に4本である。
2016年6月にミャンマーの田舎で買った安葉巻が、事務机の引き出しに1本だけ残っていた。それを今日は夕食後に外で吸った。
タバコ代とは畢竟、時間代と、僕は感じている。空中に様々な模様を作る煙を、何も考えないまま目で追う、その静かな時間を、タバコを仲立ちとして買っている気がする。ミャンマーの葉巻は、風味こそその安値に似合ったものではあったけれど、とにかく数十分は持ちこたえた。
年に4本とはいえ、昨年も、また一昨年も、実際には3本しか吸わなかった。春夏秋冬でいえば、冬には吸わないことが多い。吸えば血管が縮んで即死するような気がするからだ。
朝飯 切り昆布の炒り煮、大根おろしを添えた薩摩揚げの淡味炊き、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、ふきのとうのたまり漬、らっきょうのたまり漬、メシ、浅蜊と万能葱の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のサンラーメン
晩飯 玉子サラダ、牛肉のトマト煮、自分で作るサンドウィッチ、“TIO PEPE”、“Almaviva 1997”
2019.4.24(水) 道具を見送る
むかしオートバイで山の中を走る会に入っていた。会に入るためにはオートバイを手に入れる必要がある。その会では、オートバイは、ある特定の店で買うことになっていた。しかし僕は、その店ではオートバイを買う気がしなかった。店の裏庭には工具が散らばっていて、オーナーはその工具をタイヤで踏みつけながら、オートバイに乗る練習をしていた。
一方、東京から日光に移り住み、古典車の修復家として一時代を築いたバンノーセーイチさんは、毎年、大晦日にはスナップオンの工具を箱に整頓し、酒を注いで感謝の意を表していた。
たまり漬の袋の口を、それまでの輪ゴムから針金で結束する形に変えたのは、大阪万国博覧会の前夜、つまり1969年のことと記憶する。以来、その形態はことしの3月31日まで、実に半世紀のあいだ続いた。真空包装機が導入されたことにより使われなくなった結束機は9台。そのうちの2台は取り置き、残りの7台は、これまで維持管理をしてくれてきたエスワイ産業に譲ることとした。
蔵の奥にズラリと並べられた7台の結束機には、僕が酒を注ぎ、長男が塩を盛った。そうしてエスワイ産業のサイトータケシさんの先導により、集まった社員たちと、その7台に二礼二拍手一礼をした。
サイトーさんは真新しいトラックに7台の結束機を載せ、北方に去った。蔵の中は隨分と片付いて、気分は大いに悪くない。
朝飯 塩昆布、塩鮭、梅びしお、たまり漬「刻みザクザクしょうが」、ふきのとうのたまり漬、らっきょうのたまり漬による雑炊
昼飯 「大貫屋」の味噌ラーメン
晩飯 冷や奴、春雨サラダ、「百德食品公司」の豆板醤を添えた水餃子、文旦、チューハイ
2019.4.23(火) くすのき
家内の母の十七回忌、および父の三回忌のため、広尾の駅を降りて南部坂を上がる。ホテル王の夫婦が住む、高く反り返った鉄柵で囲まれた、まるで要塞のような家を過ぎれば、山の上の禅寺は目と鼻の先に迫っている。朝のニュースでは、今日の気温の高いことを気象予報士が伝えていた。僕は夏用の背広を着て、しかし汗はかかない。
今日の法事は、これまでのそれとは異なって、ごく内輪で行った。よってその後の食事もちかくの懐石料理屋ではなく、麻布十番のラーメン屋で摂ろうと考え、仙台坂を下る。十番商店街を北上しつつクルマの窓から左手にその店を確かめると、しかしそこには「火曜日定休」と書かれたシャッターが降りていた。即、方向を転じて鳥居坂を上がる。
空が晴れていさえすれば、景色は大抵、美しい。国際文化会館のコーヒーショップでサンドイッチをつまみつつ「ビールの好きな人なら、飲まずにはいられない環境だ」と考える。僕は酒は好むがビールはほとんど口にしない。昼酒も、つき合い以外では飲まない。夜に白ワインを飲んだら良さそうな気もするが、折角の庭は闇に沈んでいるだろう。
前回、ここに来たのはある団体の設立総会のときで、それは4年前の4月の夜だった。その集まりからは「自分の本当に好きなことは何か」と考えた結果、すぐに抜けた。
浅草16:00発の下り特急に乗って終業直前の会社に戻る。閉店の作業をして社員を送り出し、夕食の後は入浴をして早めに就寝する。
朝飯 納豆、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、目玉焼き、大根おろし、ふきのとうのたまり漬、らっきょうのたまり漬、梅びしお、メシ、豆腐と三つ葉の味噌汁
昼飯 “THE GARDEN”のクラブハウスサンドイッチ、レモングラスティー
晩飯 だし巻き玉子、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、素麺の吸い物、鮨あれや、これや、「新政酒造」の「純米大吟醸生原酒ナンバー6」(冷や)、蓮根菓子「西湖」
2019.4.22(月) 花見
味噌蔵のある庭の隠居には数年前まで、実生のものも含めて少なくない数の桜があった。それに対して「育ちすぎれば倒木による被害を避けるため、鉄筋コンクリートの塀を壊し、重機を入れて処分する必要がある。しかし今なら梯子とチェーンソーだけで伐れる」と出入りの植木屋に言われ、惜しげなく減らした。その結果、現在は山桜、染井吉野、枝垂れ桜の3本のみになっている。咲く順番は、いま書いた通りで、最後に残るのが、庭のほぼ真ん中にある枝垂れ桜である。
きのう清楽亭寄席を開いた座敷で、今日は終業後に社員を集めて花見を行う。花見は一時期「花より団子」とばかりに街の飲食店ですることもあったけれど、ここしばらくは元の形に戻して続けている。
花見の日には毎年、10年、20年、30年の永年勤続表彰をする。今年は包装係のタノイチカさんが入社20年を迎えたものの、彼女は4人の子持ちで、だから途中、産前産後と育児休暇を5年ちかくは取っているはずだ。よって5人目の子供を産まなかったとしても、表彰は5年後になるだろう。
皆で穏やかに飲んで食べて、20時30分に散会する。
朝飯 モッツァレラチーズの「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬けとトマトのサラダ、納豆、豆腐の卵とじ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、らっきょうのたまり漬、メシ、ほうれん草の味噌汁
昼飯 「ふじや」の味噌バターラーメン
晩飯 キャベツのサラダ、冷やしトマト、カキ菜の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け、だし巻き玉子、ジャガイモとズッキーニとパプリカの素揚げ「日光味噌梅太郎白味噌」和え、たまり漬「鬼おろしにんにく」と同「刻みザクザクしょうが」を薬味にした鰹のたたき、おむすび、焼き鳥各種、チューハイ
2019.4.21(日) 清楽亭寄席
味噌蔵のある庭の隠居で「清楽亭寄席」を開くようになって、今年で4年になる。寄席の名は、築150年の建物の六畳にかかっていた額による。企画は長男、準備のほとんども長男。12時からの昼席と14時30分からの夕席の各々の中入りには、たまり漬を使ったおむすびとらっきょうのたまり漬と味噌汁を、お客様にお出しする。僕の仕事は、味噌汁の出汁を前夜から引くこと、本宅と隠居のあいだの食器の移動、当日の受付と給仕である。
「清楽亭寄席」に出演する噺家は、原則として瀧川鯉白。長男のこだわりは、そこに必ず色物を加えるところにある。今年は音曲の桂小すみ先生。「先生?」と不思議に感じる人もいるかも知れないが、色物の芸人につける敬称は「先生」と決まっている。
今年の「清楽亭寄席」も、街うち、あるいは県内、遠くは東京からのお客様に恵まれて、無事に完了した。長男と僕と家内が隠居に詰めているあいだ、週末の忙しい店を守ってくれる社員のいることが有り難い。
夜は春日町1丁目の会計係として、町内の総会に臨む。
朝飯 キクラゲと鱈子の佃煮、塩鮭、梅干し、塩昆布、ふきのとうのたまり漬によるお茶漬け
昼飯 「しその実のたまり漬」と「刻みザクザクしょうが」によるおむすび、揚げ湯波とカキ菜の味噌汁
晩飯 マカロニサラダを添えた鶏の唐揚げ、”ABSOLUT VODKA”(ソーダ割り)