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清閑 PERSONAL DIARY

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2017.7.21(金) IoT

定時に店を閉め、夜間警備の警報を設定する。そこから2つの扉を施錠しつつ自宅に戻る。そして釣り銭のための手提げ金庫とコンピュータを入れたトートバッグをいつもの場所に置く。

しばらくして、製造現場の冷蔵庫に忘れ物をしたことに気づく。自宅からそこまでは、これまた2つの扉を解錠する必要がある。ところが先ほど使ったばかりの鍵が見あたらない。

洗面所、仏壇、本棚、食堂と、店から自宅に戻って以降に歩いた動線に沿って探すも鍵は見つからない。なにしろ狐につままれた状態のため、意味の無いことと知りつつ、家内の鍵を借りて先ほど施錠したばかりの扉を次々と開き、店や事務室の中を探し回っても、もちろん、鍵のあるわけはない。

製造現場の冷蔵庫に立ち寄りながら、さきほど解錠したばかりの扉を施錠しつつ自宅の食堂に戻る。人の良い家内が「すべての場所を疑うべき」という感じで食器の入った引き出しをふたつみっつ開ける。それを目にして僕も、エアコンディショナーのリモートコントローラーや調理用のタイマーを納めた引き出しを開けてみる。果たして鍵は、そこにあった。1年365日のうち、その引き出しに鍵を仕舞うことは1度もない。不思議なこともあるものである。

このところよく目にする”IoT”とは”Internet of Things”の略で、すべてのモノがインターネットに繋がり、相互に情報交換のできることをいうらしい。僕が切に願うのは、自分の身のまわりのモノすべてが自動的にインターネットに繋がり、それを自分のコンピュータで制御できる世の実現、である。

鍵を見失ったらスマートフォンに「店の鍵」と入力をする。するとディスプレイに自宅食堂の見取り図が現れ、軽い音と共に、ひとつの引き出しにフラッグが立つ。そんな仕組みをgoogleあたりが作ってくれれば幸いである。


朝飯 たまり漬「青森県田子町産のにんにくです。」の玉子かけごはん、生のトマト、胡瓜のぬか漬け、豆腐と揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、エノキダケと水菜の酢の物、胡麻豆腐、ひじきと人参と揚げ湯波の甘辛煮、胡瓜のぬか漬け、「夏太郎らっきょう」鶏の網焼きの「ひしお」のせ、「寳焼酎極上」と麦焼酎「のんじょくれ」の混合(ソーダ割り)

2017.7.20(木) 実力制名人

「私は、碁は芸である、と考える。芸を磨くことがプロのつとめである、と思っている。勝ち負けは結果にしかすぎない。芸が未熟なら負ける。相手より芸がまさっていれば勝つ。ただ、それだけの話である」と、かつて藤沢秀行は、日本経済新聞の「私の履歴書」に書いた。

今や人間は、囲碁でも将棋でも、コンピュータに勝てない。ということは「人間よりコンピュータの方が、より芸を磨いた」ということなのだろうか。

「実力制名人」が文字通りの「実力制」なら、現在以降の名人は、人間ではなくコンピュータがその座に着く可能性が限りなく高い。「棋士とコンピュータとの闘いは、陸上選手とクルマとの競走と同じで、それを論じることに意味は無い」という意見がある。しかし僕の感覚からすると「頭脳」と「運動」を一緒にすることはできない。

ところでこんなことを書きながら、僕の将棋の力は非常に弱い。駒の動かし方を覚えたばかりの子供にも負けるかも知れない。囲碁に至っては石の置き方すら知らない。しかし囲碁将棋についての本を読むことはとても好きだ。そして今日もそれに関係する、しかし佐藤天彦名人が”DENSO”のロボットアーム「電王手さん」に「負けました」と頭を下げるなどは思いもよらなかった古き時代の本3冊を買う。


朝飯 たまり漬「栃木県壬生町産のしょうがです。」の玉子かけごはん、胡瓜のぬか漬け、豆腐と揚げ湯波と万能葱の味噌汁、キウィ、
昼飯 ラーメン
晩飯 ツナと長芋とルッコラのサラダトマトとマッシュルームと牛肉のスパゲティ“Petit Chablis Billaud Simon 2015”メロン

2017.7.19(水) 朝のあれこれ

0時30分に目を覚ます。起きるにはいかにも早すぎる。闇に横たわって静かにしているも、眠気はまったく訪れない。よって今度は敢えて時間は確かめずに服を着る。南東に面した廊下を伝って食堂に行く。紺色の空には金星、そして旧暦5月28日の月が煌々と照っている。

おとといときのうの、2日分の日記を書き上げる。食堂の床の、汚れたところを磨く。エアコンディショナーがランプの点灯で掃除をうながしているフィルターを水で洗う。時刻は5時17分。窓からは日が眩しく差しはじめた。

ふと、ここ1週間ほどの懸案が気になって外へ出る。そして自転車で日光街道を下る。半袖シャツを着た二の腕が風を切って少し寒い。ウチの、如来寺にある古い方のお墓を訪ね、南から北へと時代を経るごとに並んだ墓石のうちの、ふたつを軽く検分する。そこから「ついでに」と言えば叱られそうではあるけれど、新しい方のお墓にも自転車を乗り付け、妹の祥月命日に供えた花を捨てて花立てを洗う。また湯飲みの水を新しくする。

食堂に戻ると時刻は5時38分。レンジの下からミルクパンを取り出し、味噌汁の準備に取りかかる。


朝飯 「かんぴょうのたまりだき」の玉子かけごはん、生のトマト、胡瓜のぬか漬け、豆腐と若布とサラダ菜の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のスーラーメン
晩飯 茄子とピーマンの素揚げ、「なめこのたまりだき」の冷や奴、生のトマト、夏太郎らっきょう、素麺、「寳焼酎極上」と麦焼酎「のんじょくれ」の混合(ソーダ割り)

2017.7.18(火) モリタ君

朝、事務室で商談をしていると、駐車場に旭川ナンバーの四輪駆動車が入ってきた。その運転席から降りた人物を見て「ことによると」と、商談の席を抜け出し店に行く。商談は長男が進めているもので、僕はその横に座っていただけだから、抜けてもどうということはない。

「ことによると」と直感した人物はやはり、自由学園で3年後輩のモリタユーイチ君だった。モリタ君にはfacebookで友達申請を受けていたけれど、facebookにもかかわらず、そのプロフィール画像にみずからの顔写真を使っていない人とは、僕は「友達」にはならない。モリタ君のプロフィール画像は木製の椅子である。

それではなぜ今朝の人物がモリタ君と分かったかといえば、モリタ君のfacebookはセキュリティをそれほど厳しく設定していないため、他の写真で現在の顔が分かっていたのだ。

モリタ君は以前は富良野で演劇に関する大工仕事をしていて、それを自由学園の「同学会報」への寄稿で読んだことがある。訊けばここしばらくは中禅寺湖で、最大乗船人数456人の遊覧船「男体」の船内艤装をしていたという。

諸方にたまり漬を送る注文をしてくれたモリタ君は、東京の省庁から請け負った次の仕事のため、四輪駆動車で日光街道を下っていった。38年ぶりに会った後輩と記念写真を撮らないあたりが、僕のダメなところである。そしてモリタ君を見送って事務室に戻り、即、モリタ君からの、facebookの友達申請を承認する。


朝飯 3種のおむすび、トマトと揚げ湯波と茗荷の味噌汁
昼飯 盛りラーメン
晩飯 マカロニサラダ、胡瓜のぬか漬け、皮蛋、空心菜のソテー、3種の焼売、餃子、白酒「老龍」(生)

2017.7.17(月) 早起きは

5時台に目を覚ますと「あー、寝過ごした」と、いかにも時間を無駄にした気持ちになる。4時台に目を覚ますと「グズグズしていると5時が過ぎるぞ」と、気分がせわしない。3時台の目覚めでようやく、心に余裕を持って服を着ることができる。今朝は4時台に目が覚めた。

この秋から年末にかけて、どこかで使うらしい宣伝媒体の校正をするよう、長男に言われていた。このような仕事は、仕事場ではできない。仕事場で仕事ができないとは面白い話だが、自宅と仕事場がおなじ場所にある自営業者の事務室は大抵、仕事のできないようにできている。つまり僕は、事務仕事をしようとすれば早起きをせざるを得ないのだ。

早朝、というよりも夜中の続きのような時間から活動を始めれば当然、夜は早くに眠くなる。「昼夜逆転」とは、夜はいつまでも寝ず、朝はいつまでも起きない人を指す言葉らしいけれど、僕はその逆の、やはり昼夜逆転である。

ところで「早起きは三文の得」という言葉がある。これを僕は「早起きをしても、得をするのはたかだか三文くらいのもの」と解釈をしている。早く起きただけで儲かるほど、世の中は甘くないのだ。


朝飯 「しいたけのたまりだき」の玉子かけごはん、胡瓜のぬか漬け、生のトマト、揚げ湯波とサラダ菜と茗荷の味噌汁
昼飯 盛りラーメン
晩飯 胡瓜と若布と蛸の酢の物、「なめこのたまりだき」によるなめこおろし、蕗の佃煮、「夏太郎らっきょう」、空心菜とキクラゲのソテー、銀鱈の西京焼き、「寳焼酎極上」と麦焼酎「のんじょくれ」の混合(ソーダ割り)、「久埜」の夏のお菓子

 

2017.7.16(日) いまだ踏んだことのない土地

列島の各所で記録される猛暑日や、熱中症への注意を呼びかける声が、テレビのニュースでかまびすしい。海抜400メートルにあるウチの近辺でも、知った人と顔を合わせれば「暑いですよねぇ」と声をかけられる。僕も子供ではないから「そうですねぇ」と返事をする。しかし実際には、暑さは感じていない。

街に自転車を乗り出すときには、7月の晴れた日の、いまだ梅雨の明ける前の空気に体がさらされる。その瞬間はいつも「今日も暖かくて気持ちが良いな」と、心の中でつぶやく。

夕方ちかくに店の駐車場を掃除して戻ると、事務室の入口に、社員の誰かが出したらしい温度計が見えた。気温は29.5℃だった。

そういう僕が「さすがに暑いな」と感じるのは、真夏の晴れた日の、東京の大きな交差点に立っているときだ。そこには熱風が吹く。その熱い風さえ僕には好もしい。そして「アフリカの北部に吹くサハラ砂漠からの風も、こんな感じなのだろうか」と、いまだ踏んだことのない土地のことを想う。

九州は既にして梅雨明けをした。関東の梅雨明けは、いつになるだろう。店舗入口の季節の書は「萬緑」のまま、かけかえられていない。


朝飯 ふきのたまり漬の玉子かけごはん、生のトマト、胡瓜のぬか漬け、メシ、揚げ湯波と万能葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の冷やし中華
晩飯 野菜スープトマトと玉葱とレタスのサラダ人参のなますとジャガイモの素揚げを添えた、たまり漬「刻みザクザクしょうが」と同「鬼おろしにんにく」のタレによるビーフステーキたまり漬「青森県田子町産のにんにくです。」によるガーリックライス“Charmes Chambertin Armand Rousseau 1983”

2017.7.15(土) 例外中の例外

千代田区神田東松下町の会場に10時までに着くには、下今市07:45発の上り特急スペーシアに乗れば間に合うと「乗り換え案内」は示している。しかしこの場合、神田の駅から目的の場所には歩きではなく、走ることが要求される。走ることは厭わない。しかし汗をかくのは嫌だ。そういう次第にて下今市07:03発の始発に乗る。

神田ではiPhoneのグーグルマップを使ってもドトールコーヒーが見つからず、仕方なく目の前のスターバックスに入って30分ほども本を読む。僕は活字中毒ながら、本は自宅ではほとんど読まない。日常から隔絶された環境でないと、なぜか本を開く気が起きないのだ。

勉強仲間というよりは先輩と認識しているまじゅろさんが講師を務める研修は、ミクロネシアの地理の解説から始まった。それに続く、1986年2月22日にまじゅろさんがウォークマンで録音した小林茂の講演を聴きつつ、それを西順一郎先生が文字に起こした講演録を目で追う講座は論語の素読に似て、何やら勉強をした気になった。小林茂の話の内容は、僕の中では橋本左内による「啓発録」のうちの「立志」に通じる。

仲間うちの研修には、その後に交流会を伴うものが多い。しかし僕はこの集まりにはほとんど出ない。それは主に「夜は眠い」「脳を使った後はひとりで頭を冷やしたい」という、ふたつの理由による。しかし今夜は例外中の例外にて、その交流会に参加をする。そして浅草21:00発の下り最終にて帰宅の途に就く。


朝飯 3種のおむすび
昼飯 研修会場に出前の弁当
晩飯 「おきばり屋」のあれやこれやそれや。チューハイ、それを濃くするためのナカ

2017.7.14(金) 八坂祭(渡御)

総鎮守・瀧尾神社の夏のお祭である八坂祭は、今日が最終日だ。我が春日町1丁目に限って言えば、日光街道に沿った家々に注連縄を張り巡らしたのが今月1日だったから、町内には2週間も、お祭の気分が漂っていた。好きな人には、心の浮き立つ日々だっただろう。

朝、所用により小倉町から春日町へ向けて自転車で日光街道を遡上していくと、神社を背にして渡御の行列の下りてくるのが見えた。遠目にもひときわ目立つのは、今日は台車に載せられた、6日前の千貫御輿である。

会社に戻り、しばらくしてから「そろそろか」と外へ出てみると、しかし行列は、先ほどの場所からそれほど動いていないように見えた。宮司は、各町内の会所に立ち寄り祝詞を上げる。また一行は、各町内の接待を受けつつ小休止を繰り返す。よってその歩みは決して早くない。

ふと気づくと、その行列が春日町の交差点を過ぎようとしている。当方はいささかのんびりしすぎたのだ。用意したニコンの一眼レフを掴んで外へ出る。赤信号に阻まれて、行列には住吉町でようやく追いついた。

町内の有志および役員は15時に公民館に集まって、2週間前に飾った祭壇および町内の注連縄を片付ける。店の前の4張りの提灯は、閉店の直前に取り外した。仕事の関係上、18時30分からの直会には出ずに、家で夕食を摂る。


朝飯 しその実のたまり漬の玉子かけごはん、胡瓜のぬか漬け、生のトマト、豆腐と揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 盛りラーメン
晩飯 ビーツとブロッコリーのサラダ夏野菜の南蛮漬け鱈とトマトのスパゲティ“Petit Chablis Billaud Simon 2015”お菓子もろもろグラッパ

2017.7.13(木) 検査の結果

本日は妹の祥月命日である。何年経ったのかと朝食の前に家内に訊かれ、暗算をする。

妹が病没をしたのは、僕が高校1年生のとき。それが西暦何年だったかは、サイゴンが陥落した1975年から3を引くという、ややこしいことをして1972年と先ずは算出をする。自分が高等学校に上がった年を、僕は覚えていないのだ。

今年は2017年。そこから1972年を引けば45年。もう45年も経ってしまったとは、にわかには信じがたい事実である。

パートタイマーの出勤により販売係の人数が充足した9時に、家内、長男夫婦、孫の5人で如来寺のお墓を訪ね、お参りをする。

バンコクにいた先月24日の夜に微熱を発し、同時に胃が痛み始めた。熱は数日で去ったものの、胃痛は1週間ほども続いた。その原因を突き止めるべく、帰国して数日の後に、胃カメラによる検査を宇都宮のサクライ消化器科内科に予約をした。病院と僕の予定の一致したのが、すなわち今日である。

長く待たされることを覚悟して受付をしたものの、呼び出されたのは約束の11時より前だった。現在の胃カメラは鼻から入れる細いものにて、喉から入れるむかしの太いものより隨分と楽だ。胃カメラを体内に入れられていた時間は多分、10分以上15分未満だろう。検査の結果は「食道にも胃にも十二指腸にも異常はなく、ピロリ菌もいない」というものだった。

会社を出てから2時間ほどで、ふたたび会社に戻る。電話などかからない環境でゆっくりしたかったため、ファミリーレストランの”Parrot”へ行く。そして本を読みつつサンドイッチを食べる。


昼飯 “Parrot”のクラブハウスサンドイッチコーヒー
晩飯 胡麻豆腐、金目鯛の煮こごり、茄子と豚肉の「たまり漬・刻みザクザクしょうが」炒め、胡瓜のぬか漬け、「松瀬酒造」の「松の司特別純米」(冷や)、メロン

2017.7.12(水) 降ったり止んだり

月曜日の夜に誤って噛んだ舌先は、きのうの痛さが今朝は痺れくらいのところまで回復をしてきた。セキネ耳鼻科の処置、また処方した薬が効いているものと思われる。

今回は初めて、物を食べながら舌の先を噛んだ。そこで考えるのは、生まれつき舌が長くて「さしすせそ」の発音が英語の”th”になる人についてだ。舌が長い分、舌の先を噛むことも多いのではないか。あるいはそのあたりについては、子供の頃から自然に訓練をされているのだろうか。

午後の中ごろより雨が降り始める。その雨はいくらも経たないうちに、まるで夕立のように強くなった。軒下のノレンを事務室の中に取り込み、また八坂祭の提灯も柱から外して畳む。驟雨が長く続くことはない。その勢いの弱くなったところでふたたび、ノレンと提灯を本来の場所に戻す。

八坂祭の渡御はあさっての金曜日に催行される。それに付き従う町内三役の麦わら帽は、既にしてウカジシンイチ自治会長の家に届けてある。ウェブ上の予報によれば、炎天になる可能性は、それほど高くはないらしい。


朝飯 たまり漬「おばあちゃんのふわふわ大根」の玉子かけご飯、生のトマト、胡瓜のぬか漬け、メシ、豆腐とオクラの味噌汁
昼飯 盛りラーメン
晩飯 小松菜の鶏スープ煮、鮭の麹漬け、蕗の佃煮、ひじきと人参と揚げ湯波の甘辛煮、豆腐と茄子の揚げだし、胡瓜のぬか漬け、金目鯛の煮付け、「松瀬酒造」の「松の司特別純米」(冷や)

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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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