2017.1.11(水) 春燐
おととしから昨年にかけて、20名の社員のうち5名が妊娠をした。そのうちの3名は出産を経て産休中、あるいは退職という非常事態である。やがて産休中だったうちのひとりが復職をし、パートタイマー3名を採用したけれど、人のやり繰りは依然として厳しい。
そのやり繰りの厳しさにより「今月は11日を除いては、父親の見舞いに行ける日は無い」と、かねてより家内の決めていた今日に「子供の具合が悪い」と、仕方のないことながら2名の欠勤者が出る。
本日11日はまた鏡開きにて、社内の鏡餅をすべて降ろす。門松を除いた正月飾りも降ろす。店内の「謹賀新年」の額は拭いて袋に入れて倉庫に仕舞う。店舗入口右側に掲げた「賀正」の書は「春燐」に換えた。そうするうち社会保険労務士のオカザワセキヤさんが約束の時間に来社をして、今年の昇給についての話し合いを持つ。
水神祭が明日に迫っている。銀行へ行きながら、このお祭に必要な供物を、あちらのお店、こちらのお店と回りつつ揃えていく。
帰社したら駅まで送っていこうと考えていた家内は、しかし既にして出発をしていた。以降は店舗に2名、事務室に1名という、本日出勤の少人数を助けつつ夕刻に至る。
朝飯 ひじきと人参の甘辛煮、揚げ湯波の淡味炊き、ほうれん草の胡麻和え、すぐき、「なめこのたまりだき」のフワトロ玉子、らっきょうのたまり漬、メシ、トマトとピーマンの味噌汁
昼飯 「大貫屋」のオムライス(ケチャップはかけないでね特注)
晩飯 里芋と烏賊の煮付け、鱈の白子と胡瓜の酢の物、鶏肉の鉄板焼き、「宇都宮酒造」の「四季桜貴酒」(冷や)、かんころ餅
2017.1.10(火) 冬時間
普段の営業時間は朝8時15分から夕方18時までのところ、成人の日を含む連休も過ぎた今日から彼岸の入りにあたる3月17日までは冬時間により、朝8時15分から夕方17時までの営業になる。そのことを示す看板は、きのうのうちに倉庫から事務所へと持ってきてあった。それを今朝は、これまでの看板と交換して店舗入口の正面に出す。
タイマーにより照明の点灯する看板はふたつある。このうち蔵の脇にあるものは消灯時間をきのうまでの18時から17時に変える。国道121号線をへだてて店の反対側の駐車場にある看板については、電源を落としてしまう。この電源をふたたび入れるのは、秋分の日を過ぎて、体育の日のころになるだろう。
今月は「なめこのたまりだき」の仕込みがあり、春に入社する新入社員にしてもらう仕事の段取りがあり、社員研修がある。2月には高島屋東京店での出張販売があり、それが完了すると全社的な環境整備が待っている。閉店が1時間繰り上げられたとはいえ、冬ごもり、というわけにはいかない。
朝飯 厚揚げ豆腐の炊き物、ひじきと人参と揚げ湯波の甘辛煮、「しいたけのたまりだき」と長葱の玉子焼き、春菊の胡麻和え、すぐき、らっきょうのたまり漬、メシ、大根と長葱の味噌汁
昼飯 「セブンイレブン」のサンドイッチ、ホットミルク
晩飯 レタスと2種のピーマンのサラダ、にんにくとからすみのスパゲティ、“TIO PEPE”、「久埜」の水羊羹
2017.1.9(月) 一段と優れた蔵出し
国産のどんこしいたけを日光味噌のたまりで炊いた「しいたけのたまりだき」は、これまで半世紀以上ものあいだビン詰めで販売をしてきた。それが今日からは、袋詰めに変わった。加熱殺菌を経ていないため、風味はこれまでより一段と優れた蔵出しになった。
ウチのビン詰め商品は残るところ「かんぴょうのたまりだき」と「なめこのたまりだき」の2品のみになった。「かんぴょう」は、桜の咲くころには袋詰めに変わっているだろう。「なめこ」は新春の仕込みから、お客様の取り扱いがより楽なビンに変える。
このことによりウェブショップとパンフレットの画像も更新しなければいけないところだけれど、上記の3品および、より優れた器を昨夏から採用した「おうちたまてばこ」については、いまだ新しい包装形態による画像を撮っていない。関係方面に連絡の上、できるだけ早く行動をしたい。
夜は会社の新年会にて、終業後に社員たちと焼肉の大昌園へと移動をする。そして家内の考えたマンダラビンゴなどをして大いに盛り上がる。
朝飯 納豆、ひじきと人参の甘辛煮、揚げ湯波と焼き葱の炊き物、蓮根と三つ葉の酢の物、春菊の胡麻和え、メシ、豆腐と玉子と三つ葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「大昌園」のあれや、これや、それや。眞露(オンザロックス)、生ビール
2017.1.8(日) 組長新年会
町内のいわゆる「向こう三軒両隣」の連絡や町費の集金を担うのが組長で、我が春日町1丁目には現在、18人の組長がいる。今日はその1年の労をねぎらう新年会が公民館で開かれる。役員には10時30分の集合が呼びかけられていた。
僕は会計係として、きのうウカジシンイチ自治会長が伝票を切ったあれこれの経費を個別の封筒に収め、それを手提げに入れて公民館におもむく。
組長新年会は、僕の記憶が正しければ一昨年までは夜に行われていた。しかし年明け間もなくの夜は寒く、足元の悪いときもある。よって昨年からは開催の時間を昼に移し、以降その形で続いている。
その新年会の席で今日は思いがけず、ビンゴによるくじ引きの行われることが大膳のシバザキトシカズさんから告げられた。刺身やオードブルを買ったスーパーマーケット「かましん」が、オマケとして玉子をくれたことによる急遽の出しものだという。玉子だけでは彩りに欠けるため、お祭に上がった酒やジュースなども押し入れから取り出され、それも賞品として供された。
僕はクジ運が悪い。よってこのような場で自分が何かを引き当てることはハナから諦めている。しかし今日ばかりはどうしたことか、酒は先行する人たちに獲られたものの、とにかく玉子とジュースには間に合った。更にはその後のジャンケンにも勝って、余った鮨一人前も持ち帰れることになった。
そうして夜はその鮨を肴に温め酒を飲みつつ「そろそろ雪の降ってくるころだろうか」と、外の音に耳を澄ます。
朝飯 納豆、蓮根のきんぴら、ひじきと人参の甘辛煮、ツナとトマトとルッコラのサラダ、鮭と昆布のはさみ漬け、生玉子、らっきょうのたまり漬、メシ、豆腐と万能葱の味噌汁
昼飯 スーパーマーケット「かましん」の刺身、同オードブル
晩飯 ごまめの炒りつけ、津軽漬け、蓮根と三つ葉の酢の物、黒豆、厚焼き玉子、焼き葱と揚げ湯波の炊き物、スーパーマーケット「かましん」の鮨、「宇都宮酒造」の「四季桜貴酒」(燗)
2017.1.7(土) 雪の予報
昨年の師走から年明けのつい先日までは気味が悪くなるほどの暖かさだった。それがここへきて急に、寒さが厳しくなった。
いくら寒くても旧市街、つまり瀧尾神社と追分地蔵尊のあいだを繋ぐ800メートルの日光街道と、そこから奥に入る枝道の範囲内であれば、徒歩あるいは自転車で移動をする。
今朝も「道の駅日光街道ニコニコ本陣」まで自転車を走らせ、その商業棟にあるウチの売り場を布で拭いたり、あるいは検品をしたりする。「毎朝、自転車に乗って、運動になるね」などと声をかけてくれる人もいるけれど、往復でもせいぜい7、800メートルでは、運動のうちには入らないだろう。
天気は晴朗ながら、明日は雪の降る可能性もあると、テレビの天気予報は伝えている。夕刻の空に、しかし雪の気配はみじんも見られない。
朝飯 ひじきと人参の甘辛煮、蓮根のきんぴら、納豆、レタスと炒り卵のサラダ、鮭と昆布のはさみ漬け、メシ、揚げ湯波と昆布とトマトの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のラーメン
晩飯 春雨サラダ、叉焼ともやしの和え物、焼き餃子、「紅星」の「二鍋頭酒」(生)、イチゴと杏仁豆腐
2017.1.6(金) 旅の予約
「飛行機の切符は早く買うほど安いのでしょうか、それとも高い安いは、その時々によるのでしょうか」ときのう、贔屓の旅行社「トチギ旅行開発」のサイトーユカリさんに電話で訊いた。「空いているうちは安いです。混んでくると高くなります。ですからやはり、早い方がお得でしょうね」というのがサイトーさんの答えだった。
それを受けて3月の上旬から中旬にかけての、羽田とバンコクの往復航空券をメールで注文した。サイトーさんはすぐにタイ航空に予約を入れてくれた。税金や手配手数料を加えた価格は70,640円だった。
タイ北方の街プレーからバンコクのドンムアン空港まで戻るノックエアの航空券は、自分で手配した。ノックエアのウェブサイトでは、手続きが進むにつれ、諸経費の費目が変わって困惑したけれど、とにかく1,115.96バーツ、邦貨にして3,500円ほどの合計金額は一貫していたから、細かいところには目をつぶって購入ボタンをクリックした。
プレーの、旧市街を囲む城壁に設けられた門のうち、もっとも大きなそれに面するホテルも予約した。チェンライでは景色の良さと朝食の豊かさにより街から離れたホテルを定宿にしている。しかしそれはチェンライに限った例外で、利便性を優先すれば街の中心に泊まりたい。帰りに2泊するバンコクではタクシン橋にほど近い、これまた定宿になりつつあるホテルを予約した。
羽田からバンコクに着いた早朝、ファランポーン駅から出る列車の切符だけはインターネットで予約ができない。取りあえずはタイ国鉄のウェブサイトから時刻表のみを印刷した。旅の目的はいつもと変わらず「何もしないことをしに行く」である。
朝飯 納豆、油揚げの網焼き、「なめこのたまりだき」のフワトロ玉子、ほうれん草とベーコンのソテー、べったら漬け、メシ、揚げ湯波とほうれん草の味噌汁
昼飯 「ふじや」の広東麺
晩飯 「ユタの店」のピータン、ネギワンタン、海老ブリブリ春巻き、チャーハン、「鏡月」(お湯割り)、帰宅してからのバナナケーキ、”Glenfiddich”(生)
2017.1.5(木) 粒食と粉食
大晦日以来、5日ぶりの味噌汁を作って飲む。ホッとする。米のメシはおせち料理の押し鮨を除けば5日も食べていない。こちらついては明日を待たなければありつけないらしい。餅は嫌いではないけれど、日本にいる限り、朝はなぜか米のメシが食べたくなるのだ。
粒食と粉食のどちらが好きとは一概には言えない。米とパンなら口内食感の点で米の方が断然、好きだ。しかし夜になると、むしろ進んでパンに手が伸びる。それはひとえに、パンとワインの相性が良いことによる。
粉食をパンと麺に分ければ、これまた口内食感の点で麺、それも小麦によるそれが圧倒的に好きだ。イタリア料理屋でロングパスタとピザのふたつの選択肢があれば、僕は例外なく前者を選ぶ。
しかしそこにワインさえあれば、パンもピザも、また悪くはない。すべては葡萄酒の有無にかかっているのだろうか。そして夜はきのうに引き続いてスパゲティを肴に白ワインを飲む。
朝飯 「なめこのたまりだき」によるなめこおろし、雑煮の具、べったら漬け、焼き餅、豆腐と揚げ湯波と三つ葉の味噌汁
昼飯 カレー南蛮うどん
晩飯 リンゴと京人参のサラダ、からすみと魚醤のスパゲティ、“Qué bonito cacareaba2013”
2017.1.4(水) ことしの暦
年末28日に掃除をし、だから年の途中にあれこれの御札やお供えの増えていく神棚は、いまださっぱりとしている。そこにことしの暦の載せられていることに気づいた。よってそれを手に取り、自分の九星である八白土星のページを開く。
「今日までの不安定な気運から抜け出て気分的にも安定して来る年」とは多いにありがたい。「準備は段取りよく運び仲間の協力も得られます」も嬉しい限りだ。
「やり過ぎたり張り切り過ぎては思わぬ伏兵に遭うので注意」はまぁ、大丈夫だろう。生来の怠け者につき、やり過ぎたり張り切り過ぎたりすることは無い。しかし更に振り返ってみれば、外務省が渡航禁止勧告を出している地域にサンダル履きで旅をするなどは、これに当たるかも知れない。
「自信のあることでも焦らず確実に答えを求めておくことです」は耳が痛い。「地道に着実に」とか「千里の道も一歩から」は苦手な性分である。
「また、周囲との交流はまめにして情報は広く集め」と言われても、ひとり気ままにしていることを好む性格は、いかんともし難い。
「時流に合ったプランを立てて運ぶと思わぬチャンスに恵まれます」は、幼児期、子供時代に受けた教育のせいか、どうも、できない。
「ただし、忙しさからのうっかりミスや誤解、勘違いからの思い込みにも注意が必要」とは、まるでどこかから僕の行いを観察しているような、正鵠を射た「お叱り」である。
「時には耳の痛い忠告や意見を聴ける心の余裕が求められます」と言われても、それができれば苦労は無い。
最後に「転職開業、改築、建築建墓凶」とあるから、今年しようとしていたお墓の整備は止めておくことにする。
朝飯 「しその実のたまり漬」を搗き混んだ餅、お雑煮の汁、バター、焼き海苔、イチゴ
昼飯 「大貫屋」のキムチタンメン
晩飯 “Moët & Chandon Brut Impérial”、トマトとほうれん草とコンビーフのスパゲティ、“Qué bonito cacareaba2013”、花林糖、”Glenfiddich”(生)
2017.1.3(火) 同窓会
深夜とおぼしき時間に応接間の電話が鳴る。「誰だ、こんな夜中に」とベッドから降りようとすると、その呼び出し音は2回で切れた。枕頭のiPhoneを見ると時刻は1時31分だった。しばらくするとまた電話が鳴った。今回も2回で切れた。夜遊びをする誰かのポケットの中で、携帯電話がたまたまウチの番号を発信してしまったのかも知れない。
はじめの電話から2時間が経っても二度寝はできそうにない。3時36分に起床する。
「おとといの日記ができていないと焦燥する」とは、ここにしばしば綴ることだ。今朝は仕方なしの早起きを僥倖として、おとといときのうの日記を一気に書く。そしてその勢いを以て、今日の日記の前半までも書いてしまう。
聖ヨゼフ幼稚園から今市中学校まで、おなじクラスになったり、また離れたりしながら付き合い続けたイトーカツユキ君から連絡を受けたのは12月なかばのことだった。「中学卒業時の同窓会を企画している。ついてはそれに来られるか」というのがその電話の内容だった。幹事を買って出てくれたイトー君の苦労には報いなければならない。出席する旨の返事をして今日の日を待った。
ウチは、人が休んでいるときこそ忙しい商売である。更には昼ごろが一番、店は混む。正午からの同窓会に20分ほど遅れて駆けつける。会場には想像していたよりも多い、僕を含めて15名が集まった。前回の同窓会は何と25年前の開催だったという。はじめは中座しようと考えていたけれど、そういうわけにはいかない。結局は最後までいて、しかし2次会には参加せず、タクシーで帰社する。
中学生時代、またその数年後に催された同窓会の写真を自分のアルバムから複写し、各自に配るまでしてくれた幹事のイトー君には厚く御礼を申し上げたい。
普段は優れたフランス料理屋でも、年始めの2日から4日まではカレーライスかハヤシライス、という”Finbec Naoto”を夜、家内と長男との3人で訪う。そして薄桃色のテーブルクロスのかけられた席に着いて「正月の夜は静かなことが一番」と、しみじみ感じる。
朝飯 雑煮
昼飯 「奴寿司」の宴会膳、日本酒(冷や)
晩飯 “Finbec Naoto”のフォアグラのテリーヌ、エスカルゴのオーブン焼き、サラダ、オニオングラタンスープ、カレーライス、チーズの盛り合わせ、ワインリストのロワールの白ワインのうち2番目に安かった”Pouilly-Fumé”、アップルパイ、コーヒー
2017.1.2(月) 初売り
普段よりも早く、7時に朝食を食べ終える。雑煮は作り置いた汁を温め、焼いた餅を投入するだけで完成するから、忙しいときにも向いている。家族全員で1階に降り、初売りの準備に当たる。出社してくる社員たちと新年の挨拶を交わす。店舗の花はカワムラコーセン先生により、開店の30分前に整った。
そのころにはまた、早めのお客様がいらっしゃる。ウチは開店の前でも、お客様がお望みになるなら店に入っていただき、買い物をしていただくことにしている。そして毎年、その年の最初のお客様には地元「片山酒造」のお酒を進呈する。
開店前のお客様は、おひとりだけではない。朝はやくからご来店をいただいて、有り難い限りだ。
夕刻に締めたレジの数字は、昨年の初売りのそれよりも良かった。しかし元日が日曜日という今年の正月は、商売においてはいかにも曜日の並びが悪い。明日も頑張って店に立ちたい。
夜はさすがに雑駁な味を舌が欲し、しかし家内に作れとは流石に言えないため、インスタントのラーメンは自分で煮る。
朝飯 雑煮
昼飯 「コスモス」の出前のハンバーグステーキ(デミグラスソース)、ライス
晩飯 おせちあれこれ、牛薄切り肉のソテー、「松瀬酒造」の「松の司特別純米」(燗)、ラーメン