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お買い物かご

清閑 PERSONAL DIARY

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2025.2.19(水) 見学会

上澤梅太郎商店は毎月、その中ごろの水曜日にお休みをいただいている。外から見える店は休みでも、その内側ではほぼすべての社員が出勤し、整理整頓や大掃除、什器の移動、また研究や話し合いなどをしている。2月の店休日である今日はいつもの例には従わず、他社の見学をさせていただくこととしていた。

道の駅「日光街道ニコニコ本陣」に納品を済ませて戻ってくると、きのうの日記に書いた旅行社の手配したバスが、店の駐車場に入っていこうとしているところだった。そのバスに本日出勤の社員たちと乗り込み、8時55分に会社を出発する。

先ず目指したのは館林。正田醤油館林東工場には10時17分に着いた。教室で動画に従って種々の説明をしてくださったのは工場長のモトムラトシアキさん。続いて2階の通路に上がる。75,000平方メートル、つまり22,727坪の敷地にある製造棟は東西に500メートルの長さがあり、まるで軍艦である。その500メートルを往復しながら見たり聞いたりして驚き、感心したことは多々あるものの、日記が長くなるから、また勿体ないからここには記さない。正田さんの工場を出たのは12時8分。たっぷりの見学だった。

足利のココ・ファーム・ワイナリーには予約した時間に40分ほど遅れて13時ちかくに着いた。テント張りの明るい食堂は心地が良く、酒肴を兼ねたランチのセットは品が良かった。代表のイケガミシュンさんによる案内は詳細を究め、歩く先々では異なるワインを勧められて、昼から充分に酔った。ワインの醸造所を備えた農場を出たのは15時15分。午前に続いてこちらでもまた、充実した時を過ごすことができた。

午前の正田さん、午後のココファームさんを見させていただいて特に感じたのは、日々の向上およびその継続、ということだ。ローマは一日にして成らず。これからは折に触れて、今日のことを思い出すだろう。そして来年も、社員たちと良い見学をしたい。


朝飯 切り昆布の炒り煮、納豆、焼き葱、目玉焼き、なめこのたまり炊、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豆腐と若布と長葱の味噌汁
昼飯 「ココ・ファーム・ワイナリー」のデッキランチ、赤ワイン「農民ロッソ」、白ワイン「農民ドライ」、コーヒー
晩飯 豚肉と白菜と厚揚げ豆腐と椎茸の鍋らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)


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2025.2.18(火) 終わり良ければ

きのう大田原で食品衛生指導員の講習を終え、ホンダフィットの運転席に戻ったところで馴染みの旅行社から着信のあったことに気づいた。折り返すと、5月のタイ行きの航空券の、発券の準備が整ったという。よって帰社し次第、届いているメールに返信する旨を伝えた。

そのメールに記された、タイ航空による羽田バンコク間の航空券の明細は以下だった。

エコノミークラス運賃 53,300円
羽田空港施設利用料 3,180円
国際観光旅客税 1,000円
燃油サーチャージ 16,940円
現地空港税 3,760円
海外航空券発券手数料 5,500円
計 83,680円

この83,680円を、今日は午前のうちに先方の銀行口座に振り込んだ。いつもニコニコ現金払い、である。「ウェブで買った方が安いだろうに」と問われれば、指定した座席を確保してくれる他にも、その旅行社とは特別な関係にあるから、多少の金額には拘らないのだ。

昼を過ぎたところでホンダフィットの運転席に着き、きのうとおなじくiPhoneに目的地を設定する。向かう先は宇都宮で、きのうこなしたほどの距離ではない。昼食は帰宅後に摂り、すると時刻は14時を過ぎたから、朝のうちに頼んでおいた釣銭のための紙幣と硬貨を受け取るべく銀行へと急ぐ。

15時のご予約をいただいていた大型バスの団体様は、14時50分にいらっしゃった。僕は添乗員に乞われて「たまり漬」の説明をさせていただく。ご一行は有り難くも少なくない買い物をしてくださって、今夜の宿泊場所である川治温泉へと向かわれた。

17時を過ぎたところで「買うか買わないか分からないけれど、日光からタクシーで向かうから、閉店時間を過ぎても店を開けておくように」との電話をいただいたと、事務室にいた家内より店番の僕に連絡が入る。そのお客様も、結局のところは少なくない買い物をしてくださった。終わりよければすべて良し。悪くない一日だった。


朝飯 干し柿と春菊の白和え、スクランブルドエッグ、切り昆布の炒り煮、白菜漬け、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 カプレーゼ2種のパンエリンギとグリーンアスパラガスのソテーを添えたハムステーキチーズChablis Billaud Simon 2018rindo 2006いちご


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2025.2.17(月) 遠出(とおで)

「食品衛生指導員」という資格を持っている。これを維持するには数年おきに「再委嘱予定者講習会」を受ける必要がある。日程表が送られてきたのは先月。日光地区のそれは3月5日の開催となっていた。しかしその日、僕はタイの最北部にいる。もういちど日程表を吟味して、結局は2月17日の、大田原での受講を決めた。

栃木県内ではあるものの、大田原は未知の場所である。そこへ行くなら道の駅「明治の森・黒磯」へ寄りたい。というのは、先月ある集まりでその施設について聞くことがあり、興味を覚えたからだ。

Googleマップによれば、そこまでの所要時間は1時間15分と出た。そういう次第にて11時50分にホンダフィットの運転席に着く。

途中、矢板市の郊外で東北道に乗るようGoogleマップに指示をされ、すべて一般道を使うつもりだったものの、仕方なく進入路に向けてハンドルを切った。するとそこはスマートI.C.という、ETCカードを持つクルマしか入れない乗り口だった。ホンダフィットにETCは設定していない。よってゲートは開かない。進入路は一車線だから、後ろに気をつけつつ延々と後退して進入路を脱出する。後続車がいれば、面倒なことになっていただろう。

道の駅「明治の森・黒磯」には13時13分に着いた。施設内は、ただただ洒落ていた。ダイニングの供する食べものは上質。その窓から望める「旧青木家那須別邸」は大いに見学をしたかったものの、今日は時間が足りない。昼食代を支払うときには「ここの食事は美味しいねー」と、係のオニーチャンに伝えておいた。

その道の駅「明治の森・黒磯」を13時52分に出る。またまたGoogleマップに頼って講習会が開かれる「那須野ヶ原ハーモニーホール」の駐車場には14時25分にすべり込んだ。駐車場からホール正面までは結構な距離があり、2階の受付カウンターに着いたのは14時29分だった。係の女の人は既にして後ろ姿を見せていた。それを呼び止め、本日最後の登録者として階段教室状の会場に入る。

14時30分からの講習は2時間と伝えられていたものの、16時2分に終了した。駐車場を出たのは16時12分。帰りの道のりは40キロメートルで所要時間は59分と、Googleマップは示している。

それにしても今日の天気はめまぐるしく変わる。場所を移動したせいもあるけれど、雲の低く垂れ込めるところもあれば、青空に白い雲の浮かぶところもあった。日光を目指しつつ塩谷町に入ると、今度は風花が舞い始めた。

上澤梅太郎商店には17時24分の帰着。即、通常の仕事に戻る。


朝飯 若布の酢の物、生玉子、冷や奴、納豆、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、白菜とハムの味噌汁
昼飯 経産牛ハンバーグデミグラスソース、サラダ、スープ、ライス
晩飯 「食堂ニジコ」のキュウリのカラシ和えピータン麻婆豆腐鶏の唐揚げエビチャーハンあんかけ焼きそば麦焼酎「二階堂」(お湯割り)家に帰ってからのカステラ、Old Parr(生)


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2025.2.16(日) 898グラム

昨年9月30日の、チェンライでの日記に「(午後の日の)直射を受ける太腿から下にバスタオルを掛けて、それ(ドナルド・キーン著「百代の過客」上巻)を読み始める」とある。翌月4日のバンコクでの日記には「百代の過客の上巻は12時12分に読み終えた」とある。平安期から鎌倉期までの有名無名の日記を集めた275ページを、つまりは丸4日間で読み終えた、ということだ。

今月末からのタイ行きの日程は全11日。「百代の過客」は下巻に加えて「続百代の過客」の上巻と下巻が控えている。2冊を持参すれば充分と考えていたものの、上記に照らせば3冊すべてを持つ必要がある。

その3冊を本棚からとりだし、カバーを外してTANITAのキッチン秤に載せると液晶の数字は898グラム。その重さは軽視できない。しかし旅の最中に活字が途絶えれば焦燥は募るばかりだ。

他の持ち物を減らそうにも、僕の荷物はミニマリストを自称する人たちのそれよりよほど少ない。ステンレス製のコップを省いて146グラムの減量。タイのどうしようもない歩道に対して危険性は増すものの、KEENのWINEAをHABANANASのゴム草履に替えて141グラムの減量。レッツノートの電源コードをANKERの充電器に替えれば更に107グラムの減量になるものの、その冒険は避けたい。スーツケースは、本体も含めて8キログラム台に抑えたいのだ。


朝飯 生玉子、納豆、日光味噌「ひしお」を使った肉味噌、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、白菜とハムの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 ルッコラを添えた3種の茸とベーコンのスパゲティ干しぶどうと胡桃のパンTIO PEPE


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2025.2.15(土) 朝のしごと

早朝に家内を「汁飯香の店 隠居うわさわ」へ送り、母屋へ戻って自分の朝食を整える。7時40分の直前に事務室に降りて出勤してくる社員のためにシャッターを上げ、8時からは朝礼、次いで道の駅「日光街道ニコニコ本陣」への本日最初の配達に赴く。8時30分の開店は、長男が8日間の東京出張から水曜日に戻ったから、木曜日以降は楽になった。

9時に販売係のパートタイマーが出社をすれば、僕は店を離れて事務机に着ける。そうしてメーラーを回すと「汁飯香の店 隠居うわさわ」に明日の予約が複数入っている。予約は隠居の電話でも承るから、いわゆる「ダブルブッキング」になってはいけない。即、その予約を紙に出力し、それを手に隠居へ急ぐ。

隠居の座敷には冬の日が溢れていた。床の間の花はレンギョウ、オオデマリ、そしてピンクと黄色がマーブル状に混じったチューリップ。花のまわりこそ春めいているものの、屋内にはストーブが3台も焚かれ、外の気温はいまだ低い。

来週の月曜日には、床の間の室礼をかえたい。しかしその日は既にして満席を戴いているから日中は動きづらい。お客様がいらっしゃる前に、何とか片を付けてみようと思う。


朝飯 生玉子、納豆、日光味噌「ひしお」による肉味噌、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豚汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 白菜と厚揚げ豆腐と茸と豚薄切り肉の鍋、、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)


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2025.2.14(金) ツバメ

このところの夕刻の日の延び方には驚くほどのものがある。一方、夜明けの徐々に早まっていくことについては、それほどの実感を覚えない。それでも今朝、南東の空へ向けて撮った画像の時間を調べてみると、2月4日のそれが6時10分だったのに対して、10日後の今日のタイムスタンプは5時58分だった。

10日で12分とすればひと月で約30分、ふた月で約60分と、夜明けは早くなる。夏至のころには3時台から明るくなり始めるわけで、僕はそのような日を待ちわびている。できれば四六時中夏至、という場所に住みたいものの、それは無理だ。赤道直下では、年間を通して日の出と日の入りの時刻は一定で、それはそれで、面白いものでもない。

荷風の文章に頻繁に出てくる「晡下」を検索エンジンに当たると「晡は申の刻つまり七つ。下がりは過ぎの意。現在の午後四時過ぎ。または夕暮れ」と出る。この「晡下」の、いまだ昼のように明るい季節が好きだ。ということはやはり、夏を措いて他には無い。燕はいつ来るだろう。


朝飯 生のトマト、玉子焼き、揚げ湯波の甘辛煮、切り昆布の炒り煮、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、けんちん汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 トマトとベビーリーフのサラダ生のトマトと茹でたブロッコリーとケチャップスパゲティを添えたミートローフ、ポテトグラタン、Chablis Billaud Simon 2018、rindo 2006「久埜」のうぐいす餅、Old Parr(生)


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2025.2.13(木) 商売っ気

“JAPAN BLUE JEANS”の、ウエスト33インチのパンツが緩くなったため、32インチのものを新たに買ったとは、先月10日の日記に書いたことだ。またおなじく先月27日には、神宮前の”FULL COUNT”でジーンズを買った。このときはウエスト32インチから試着を始め「いかにも緩い」、「まだ緩い」とサイズを落としつつ28インチで落ち着いた。

“JAPAN BLUE JEANS”のパンツはウエスト32インチでちょうどよく、”FULL COUNT”のジーンズは28インチがちょうどよく感じた。その差は4インチ。実に10センチメートルである。はじめてのメーカーの服や靴は、絶対にウェブで買うべきではない。また、たとえばヨーロッパのある有名なメーカーのカットソーなどは、それを売る店の人でさえ「おなじサイズでも時により大きさはまちまち」と言うのだから、どうにもならない。

セレクトショップで靴を買うときには、よほど自分を強く持つ必要がある。セレクトショップの人は、靴屋の人ほどは、客の足の心配をしないからだ。

物を買うときには、売る気にはやる人からよりも、商売っ気の無い人からの方が、後々の結果は良い。値の張るものほど、そんな気がする。


朝飯 切り昆布の炒り煮、菠薐草のおひたし、めかぶの酢の物、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豚汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 巻き鮨と押し鮨あれこれらっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、「柏露酒造」の「越の四季超特選大吟醸」(燗)、チョコレートケーキ、Old Parr(生)


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2025.2.12(水) いつもと変わらず

5月のタイ行きについては、田舎へ飛んでから首都に戻るか、あるいは首都に居続けるかのどちらにすべきかを決めかねていた。航空券は早く買った方が得ということを聞いていたため、先ずは羽田とバンコクの往復を買い、田舎へ行くとなれば、その分は後から買う、ということが可能かどうかを、なじみの旅行社に問い合わせた。そうしたところ、航空券はすべての旅程を決めてから発注した方が圧倒的に有利との返信がきのう戻った。

そういう次第にて、今朝はしばらく考えてから、5月なかばの8日間はすべて首都にいることとした。南の国の都市に滞在するときのホテル選びの基準は、一に日除けを備えたスイミングプールがあること、二に鉄道の駅から近いこと、三に価格の高くないこと、となる。

結局のところ、月曜日から金曜日までは1982年以来、食事を除いては足の遠のいているヤワラーに。研修を受ける土曜日と日曜日はホテルには寝に帰るだけだから、金曜日からはアソークの、交通至便だけが取り柄の安いところを確保した。

ホテルは大抵、agodaで予約をする。たとえば楽天トラベルなら、1泊1万円と表示のあるホテルは決済の金額も1万円になる。ところがヤワラーのホテルの予約を確定させると、決済金額は表示価格の1.27倍、アソークのホテルはおなじく1.20倍になった。税金やら何やらが載せられるのだろう。なお、海外のホテルでも楽天トラベルで予約できるところはあって、どの予約サイトより安く泊まれたりするから、注意だけは払う必要がある。

ヤワラーのホテルに5日のあいだいて何をするかといえば、昼は屋上のプールサイドで本読み、夕方になったらマッサージ屋で脚を揉んでもらいながら本読み、そしていまだ混み合う前のメシ屋で飲酒喫飯。夜は20時には寝て、明け方は日記の作成。いつもと変わらず、である。


朝飯 菠薐草のおひたし、しもつかり、目玉焼き、紅白なます、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、豚汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 “JOHNNEY’S CAFE 638″のお通しのフォカッチャ牡蠣とマッシュルームと舞茸のアヒージョトマトとニンニクのスパゲティ豚タンとサルシッチャと根菜類のボリートミストカラフの白ワインチョコレートとフランボワーズのケーキ、おまかせのウイスキー(生)


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2025.2.11(火) 繁と華

日光市今市には節分の季節に「花市」という市が立つ。むかしは日光街道の、西は瀧尾神社から東は追分地蔵尊までの800メートルに露天商が店を連ねた。ウチの前には毎年、瀬戸物のたたき売りが出て、その威勢の良いかけ声に、夜は眠れないほどだった。

日光街道に交通規制が敷きづらくなってからは、南へ2本目の通りに場所が移された。僕は小学生だったから、1960年代なかばのことだ。芝崎新道の、現在は郵便局のある場所は田んぼで、ここには毎年、よしず張りの食堂が作られた。ある年はそこから東へ数十メートルほどのところに机ひとつのルーレット賭博屋が出て、僕は30円を巻き上げられた。

上澤梅太郎商店の、現在は原材料の搬入口になっている近くにはガマの油売りが人を集めた。タンカバイのオヤジの、刀で切ったばかりの二の腕の傷は、その軟膏を塗ると跡形もなく消えた。見物人の中から「適当に指名」された学生は利き腕を訊かれ、その手で瓦割りをさせられて、痛みに悲鳴を上げた。しかしもう一方の手に軟膏を塗られると、今度は見事、先ほどの瓦を真っ二つにした。僕はすぐにでもその軟膏を手に入れたかったものの、小遣いが足らず、諦めざるを得なかった。

「繁華街の繁は人の多さ、華はいかがわしさ」と言った人がいる。2013年のカトマンドゥには「繁」があった。2018年のハノイにも「繁」があった。長く人口減の続く日本は「繁」に縁遠くなり、「華」もまた、いつの間にか醸成された社会通念により認められづらくなった。堅いことばかり、四角四面なことばかりを言っていては、世は面白くなくなるばかりと思うが、どうだろう。


朝飯 しもつかり、焼売、蕪と胡瓜のぬか漬け、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と人参とトマトと長葱と油揚げとハムの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 里芋の淡味炊き、切り昆布の炒り煮、干し柿と春菊の白和え、しもつかり、紅白なます、蕪と胡瓜のぬか漬け、「松瀬酒造」の「松の司特別純米」(燗)


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2025.2.10(月) 冬の底

長男は日本橋高島屋S.C.での「冬の味覚市」に出張中。嫁のモモ君は3人の子供のうち下のふたりの見守り。家内は膝を痛めている。そういう次第にて、小学2年生のリコを先週に引き続いて、登校班の集合場所へ送る。そこへ行くまでの、春日町交差点の2本の横断歩道を渡っているときには常に、長男や次男が子供だったころのことを思い出す。

小学生にとっての1年生から6年生までの6年間は、とても長い。しかし大人になってからの6年間は、あっという間、である。リコも多分、すぐに大きくなってしまうに違いない。

日中、店の花が桜とチューリップからラズベリーとアマリリスにかわった。小さな花びらの桜も悪くはなかったが、桜はやはり、ある程度の大きさで見たい。日光の桜は東京のそれにひと月おくれて咲く。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の枝垂れ桜にテレビの取材が入ったのは昨年の4月16日だった。今年の開花はいつごろになるだろう。

春という季節は特に好きでもないけれど、アカギレと着ぶくれの冬よりはマシだ。「病牀の匂袋や淺き春」という子規の句を、稲畑汀子の「ホトトギス季寄せ」に見つける。


朝飯 しもつかり、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と人参とトマトと長葱と油揚げとハムの味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 「大昌園」のあれやこれやそれや他あれこれ麦焼酎「田苑シルバー」(オンザロックス)


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上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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