2025.4.20 (日) ふたたび三たび桜について
2時台に目を覚まし、起床は4時台。齢を重ねるに連れ、早寝早起きが極端になっている。いまや夜遊びなどは、絶対に無理だ。また、いつの間にか、未明の無音の時間、ひとりの時間が何ものにも代えがたいものになった。そして空が明るくなるに連れて、味噌蔵のいらかの向こうに隠居の枝垂れ桜が見えてくる。それに目を遣りながら、桜について、あれこれと思いをめぐらせる。
「桜は、アメリカにおいては石鹸の箱に印刷されているようなつまらない花」という意味の一節が、高等学校の英語の教科書にあった。
曇天の下の、それほど大きくなく、花の色も薄い桜は何やら寒々しく、おっしゃりとおり「つまらない花」と、僕も感じる。しかしある程度の大きさの桜が青空を背に花を開いていれば、その色がたとえ薄くても、なにかしらの感慨を覚える。また植木屋の仕事によるものか、枝振りの良い複数の桜が他所の家の広い庭にあったりすると、外から眺めていても、相当に立派に見える。これが吉野山の下千本、中千本、上千本、そして奥千本ともなれば写真で見るだけでも圧巻また圧巻で、観光に興味のない僕でさえ、いちどは眺めてみたくなる。
およそ桜ほど、僕の気持ちを動かす花は無い。そして「石鹸の箱に印刷されているようなつまらない花」としか桜を認識していないらしいアメリカ人も、またそれ以外の国の人たちも、3月の下旬から4月の上旬にかけては、いまや桜を愛でるため大挙して日本を訪れているらしい。その証拠に、この時期の、特に東京のホテルは予約が取りづらい。あるいは非常な高値になるのだ。
日光の桜は、この週末が最後の見ごろになるだろうか。もっとも、日光は市としては面積が広く、標高の差も大きい。場所によっては「これから」の”hidden gem”もあるに違いない。そしていよいよ、新緑の季節を迎えるのだ。
朝飯 なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、玉葱とトマトと菠薐草と豆腐とウインナーソーセージと玉子の味噌汁
昼飯 にゅうめん
晩飯 めかぶの酢の物、明太子、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、親子丼、「山本合名」の「天杉山廃純米」(燗)、エクレア、Old Parr(生)