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清閑 PERSONAL DIARY

2024.12.29 (日) 阪納誠一メモリアル走行会

「モビリティリゾートもてぎ」の西コースを年末に借り切って開催される「阪納誠一メモリアル走行会」には2006年から、日程に都合のつかなかった2017年と2018年、および新型コロナウイルイスによる社会の混乱により中止をされた2020年を除いて参加をし続け、今年で16回目になる。

宇都宮の外れのホテルを出発したのは7時6分。トランスポーターを曳くホンダ車のフロントウインドーには霜が凍りついていた。モビリティリゾートもてぎには北ゲートから入り、パドックには7時48分に着。8時よりコントロールタワー下の会議室で受付が始まる。手渡された参加一覧のクルマは1925年から2000年までに生産をされた64台。ちなみに僕のBUGATTI T35は1926年製だから今年で98年目のクルマである。

8時20分からのドライバーズミーティングを終えてパドックに戻ると、タシロさんは既にして一度エンジンをかけ、異常の無いことを確かめていた。そして9時よりコースに出る。

はじめの20分間は、いまだ熱を蓄えていないエンジンと冷えたタイヤを慮って、エンジンの回転数は2,500までに抑えておく。エンジンの8気筒はばらつくことなく回っている。ブレーキの片効きもほとんど無い。1年ぶりの整備ではあったものの、調子は軽快そのものである。

10時30分からの20分間では、いよいよエンジンの回転を上げていく。このときの最高は3速で4,000回転まで。丸みを帯びたコの字型の第一コーナーの僕の限界は3速3,300回転。ここを過ぎつつあるときには常に「踏め、踏め、踏め、踏め、恐れるな」と、心に強く言い聞かせる。バックストレッチから右に入る狭いシケインには3速2,500回転が許容できる最高の速度だ。この隘路が数十メートル先に迫ったときには「ハンドルを回せ」とみずからを叱咤する。昨年、ここを通り過ぎて前方の草地に乗り上げたクルマがあった。焦燥と迷いの結果だろう。

昼食をはさんだ12時50分からは同乗走行。随分と前から来つづけてきてくれているモモイシンタローさんが横に乗っているときには、冒険は避けるものの、手を抜くこともしない。真剣に走らないと面白くないのだ。その20分間が終わると息つく間もなく13時20分からはまたヴィンテージクラスの20分間が始まる。

ホームストレッチの最後、第一コーナーの入口では、コーナー手前100メートルで急制動をかける。ブレーキを踏みつつかかとでアクセルを蹴り、4速から3速にギヤを落とす。そのときコーナー手前50メートルを示す表示までは、いまだ20メートルほどの余裕がある。つまりシフトダウンに要する時間は1秒くらいのものだろうか。蛮勇を鼓舞して3速3,500回転でコーナーに飛び込むと、その回転数あたりから急に馬力が上がるのか、尻が左に振り出される。

バケットシートにシートベルトで固定されているわけでもない身体は、右の側壁に押しつけた右の脛、およびギヤボックスに押しつけた左の脛で支えている。この状態で大径のハンドルにカウンターを当てることは難しい。できることはアクセルにかけた右足の力を弱めることで、すると車体は元の体制を取り戻すものの、速度は落ちる。結局のところ、第一コーナーには3速3,300回転で入って行き、その回転数を保ったまま出て行くのがもっとも良い手、かも知れない。

帰り支度を始める参加者が目立つころになっても、タシロさんはエンジンの調整やホイールの増し締めに余念が無い。14時50分からのヴィンテージクラスでは、真っ先にコースに出て行く。その2周目にさしかかったとき、ピットロードから出ようとして、しかし第一コーナー手前の草地にスタックしてしまった赤いクルマはMGだっただろうか、それともアルファロメオだっただろうか。続くクルマは皆無だったから、以降、全長1,490.361メートルの西コースのすべては僕の貸切になった。最後は15時40分からの同乗走行。

ヴィンテージクラスと同乗走行の合計時間は115分間。モモイシンタローさんによる、今回の僕の最高タイムは1分03秒。つまり平均時速は85キロ。とすれば1日の走行距離は163キロメートルになる。これは間違いなく、本日の参加者中で最長の時間、最長の距離だろう。

僕はおよそ、頑張るということをしない。これまで頑張ってきた、そして今でも頑張っていると人に言えるのは、BUGATTI T35をできるだけ速く走らせようとすること、それのみではないか。そして「また来年」である。


朝飯 「ホテルルートイン宇都宮ゆいの杜」の朝のブッフェ
昼飯 「グランツーリズモカフェ」のカレーライス
晩飯 らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、なめこのたまり炊、すき焼き、「柏露酒造」の「越の四季超特選大吟醸」(冷や)、干し柿の菓子


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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