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清閑 PERSONAL DIARY

2024.11.14 (木) 伊豆治療紀行(30回目の2日目)

目覚めて枕頭のiPhoneをたぐり寄せる。時刻はいまだ1時16分だった。それから6時までのあいだには多分、一睡もしなかったはずだ。温泉ホテルに泊まっても朝風呂はほとんどしない。しかし今朝は朝食までの時間調整として地下1階の大風呂へ行く。

伊豆高原痛みの専門整体医院での治療は「少し張っている」という背中にこそ5,000ボルトを発する電子ペンはお灸のような熱さを感じさせたものの、筋肉の緩みは早く、だから熱さも数秒で去って行った。ペンを打たれた個所は、背中の両側に10個所ほどだっただろうか。膝の関節の裏側、また膝の上部、両側、正面に打たれたそれは、触れているくらいの感触しか今日は感じさせず、つまり状態は良好、ということだ。

整体院から城ヶ崎海岸駅までの下り坂は勾配が大層きつい。この1,100メートルを徒歩で下って11:55発の上りに乗る。乗り換え案内によれば新橋に着くのは13時54分。よって熱海の新幹線プラットフォームから新橋の大衆床屋に電話を入れ、14時5分に予約を入れる。予約に500円の料金がかかるとは、今日のオネーサンに教えられて初めて知った。

新橋には乗り換えが上手くいって、13時44分に着いてしまった。散髪もそれに伴って、14時38分に終わってしまった。家内との待ち合わせは新橋で16時55分。それまで何をして過ごそうか。

新橋から銀座線で日本橋へ移動する。高島屋地下1階の味百選売場にて、上澤梅太郎商店の商品を視察する。陳列に乱れのあるものについては、それを綺麗に並べ直す。「汁飯香の店 隠居うわさわ」の仕込みのある明日から月曜日までは、長男夫婦や孫たちとは夕食を共にしないから、何かを買うことはしなかった。

中央通りを隔てて向かい側の丸善では、腕時計のベルトの調整をしてもらう。1階の書籍売場では松岡正剛特集に、壁のかなりの面積が割かれていた。ドナルド・キーンの「百代の過客」は、僕の持つ朝日選書のそれは正の上下、続の上下と4冊組みだが、講談社学術文庫の1冊にまとめられていることを知る。すこし離れたところには吉田武著「虚数の情緒」があって、一驚を喫する。枕のように分厚いこれは、しばらく前に仲間うちで話題になったことがある。しかしいくら活字中毒の僕でもこれは読めない。そうハナから決めて、手に入れることはしなかった。

他の棚に、僕の興味を引く数冊を見つけて記憶に留める。僕は手に持つものが多く、重くなることを嫌うから、本を実店舗で買うことはほとんどしない。

京橋のモンベルまで歩いて、ここでもあれやこれや見る。いま着ているユニクロのソフトタッチタートネックTは縮んで袖と裾が短くなっている。よって来春まで我慢をしながら着たら6着すべてを捨て、来秋からはモンベルの適当なもの6着を春と秋の普段着にするかも知れない。

新橋に戻っての夕食は、肴をひととおりこなした直後の白甘鯛の握りに大いに驚く。ひと切れの中に、歯ごたえのあるところと柔らかいところ、脂の乗っているところと淡泊なところが良い塩梅に混じっているのだ。この店に来るのは2007年以来の17年ぶり。前回は「よくお召し上がりになりました」と店主に感心されたものの、そして今回は「おまかせ」にしたものの、腹ははち切れんばかりになった。

新橋駅前の機関車には、既にしてサンタクロースが乗っていた。そうして浅草19:19発の下り特急に乗って、21時すぎに帰宅をする。最繁忙の来月も、伊豆にはいずれ、行くことになるだろう。


朝飯 「亀の井ホテル伊豆高原」の朝のブッフェ其の一其の二其の三
晩飯 「新橋しみづ」のおまかせ、おまかせの日本酒(燗)


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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