2024.10.19 (土) 昼は快晴、夜は雨
2時台の目覚めを奇貨として「汁飯香の店 隠居うわさわ」のお客様が残してくださった感想カードの、コンピュータへの入力を未明より始める。今朝は、タイから戻った10月5日の分から。直近の分までは、朝食の準備にとりかかる6時30分に到っても処理しきれなかった。しかし残りも少なければ、もう30分もあれば完了するだろう。
今朝は9時と9時20分にバスの予約をいただいていた。朝のバスは大抵、ホテルや旅館の多い鬼怒川方面から来る。すると必然的に、バスは店舗とは国道121号線を隔てた向かい側の駐車場に駐まる。そこまで横断歩道を渡ってご案内に向かうのは僕の役目だ。
9時20分のお客様を誘導している最中に、それらの方々とは別に、長身の外国人女性が店に入っていらっしゃる後ろ姿が見えた。店に戻ると、スマートフォンのディスプレイを示された販売係のサイトーミホコさんは僕の方に向き直って「隠居でのお食事をご希望だそうです」と告げた。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」は土日月の週に3日の営業で、今日から明後日までは既にして満席をいただいている。「一人でも無理でしょうか」と、その女性は静かにお訊きになった。店内は混み合っていたものの、人員も充分なため「庭だけでもご覧になりますか」と外へ出て、蔵の塀に沿って南へ歩く。途中、隠居の建物は150年ほど前の小さなもので、だからすぐに席が埋まってしまうことなどをご説明する。
紅葉狩りの季節、とはいえ隠居にはいまだ緑が濃い。その庭に面した座敷の大小4客あるテーブルのうち3客は、お客様により占められていた。のこり1客にもいずれお客様がお着きになるだろう。帳場に上がって隠居も含めた上澤梅太郎商店の案内をひとつ取る。そして玄関前に戻り、それを女性に手渡す。
「それにしても気持ちの良い日だ」と、女性は緑の葉越しに快晴の空を仰いだ。女性はフランス人で、現在は東京のホテルに滞在中。日本は好きで毎年のように訪れているとのことだったため、次の機会にはできるだけ早くご予約をくださるよう、お願いをする。
終業後は「今市屋台まつり」の様子を見るため、雨の降る外へ出る。傘を差し、洋食の「金長」のある通りから小来川街道を横断して鰻の「魚登久」の角を曲がる。早くも太鼓の音が聞こえ始める。そこから数百メートルほども下ってJR通りに出る。各町内の彫刻屋台の中に「春日壹」の提灯を探す。我が町内の屋台はJR通りから日光街道へ左折をしようとしているところだった。
僕は会計係にて、また週末の繁忙により現場には出ない。雨の中で屋台を曳く面々、また食事を用意してくれた婦人会、それを休憩所まで運んでくれた大膳には感謝に堪えない。そうして頭のユザワツネオさんに挨拶をしてから家へと戻る。
朝飯 胡瓜と蕪のぬか漬け、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、メシ、トマトと菠薐草の味噌汁
昼飯 焼きおむすび、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、若布と長葱のスープ
晩飯 3種のパン、ベビーリーフを添えた鶏のトマト煮、VOSNE-ROMANEE Jean GROS 1985、Chablis Billaud Simon 2018