2024.10.4 (金) タイ日記(9日目)
首都に来ると夜が遅くなるため、田舎にいたときのような起床時間は望めない。朝食は、8時がちかくなるころに摂った。食後は部屋できのうの日記を書く。簡単に済むはずではあったものの、飛行機の遅れ騒ぎにより、予期せず文字数が増える。
南に旅しての一番の楽しみは、プールサイドに寝転んでの本読みだ。しかし今日は朝から小雨が降っている。それでもとにかくパラソルの下の寝椅子に大判のバスタオルを敷いて「百代の過客」を開く。雨が弱くなることと引き替えのようにして、顔の周りを小さな虫が飛び始める。五月蠅くても、どこかに留まるわけではないから、捕らえようもない。それでも顔の前で両手を打ち合わせるうち、ようよう殺す。すると次の1匹が、どこからともなく現れる。次の旅には蠅にも効くというという蚊取り線香を持参しようと思う。
「百代の過客」の上巻は12時12分に読み終えた。これで活字は枯渇した。次の旅にはおなじ本の下巻、それだけでは足りないから「続百代の過客」の上巻を持参することにしよう。
部屋に引き上げてシャワーを浴び、いつもの汁麺屋へ出かけて戻ってまたシャワーを浴びる。とにかく何かをするたびに汗だらけになるのだ。風呂嫌いの人は、タイへ来たら、一体全体、どのようなことになってしまうのだろう。
部屋は15時までのレイトチェックアウトを選んでおいた。旅の最終日に大きな気持ちの余裕が持てるからだ。その15時前にスーツケースとザックをフロントに預け、持ち物は胸のセキュリティポーチのみ、という身軽さで外へ出る。チェンライのマッサージ屋”PAI”ではフットマッサージが1時間で200バーツだった。トンローの駅前では、それが30分で250バーツに跳ね上がる。BTSでひと駅のプロンポンに移動し、駅ちかくのマッサージ屋で足の角質けずりとオイルマッサージを組み合わせた1時間30分のコースを頼む。それだけでは夕食の時間にはいまだ早いため、駅に直結の商業ビルに入ってしばらく逍遥する。
「タイでの最後のメシはここ」となかば決めているトンローの食堂の、外の席に着く。オネーサンにはメニュを所望し、はじめての料理を取る。”Fried squid with salted eggs”と説明のあるその料理のタイ語での名を訊くと「パムパッカイレーン」と、オネーサンは教えてくれた。”salted eggs”とは鹹蛋のことで、タイ語ではカイケム。料理名に「ケム」が抜けているのはなぜだろう。このパムパッカイレーのソースを残すに忍びなくて、オネーサンにごはんを注文する。「小さいお椀で」と添えると「お椀の大きさは決まっています」と言われて納得をする。
そのごはんの運ばれるのが遅いから、オネーサンに催促をする。オネーサンは「分かってます」と返事をしてくれたものの、更に若い女の子が運んできたのはこの店の名物オースワンだった。「これは頼んでないよ」と強く言うと女の子はいちど奥に下がったものの、先ほどのオネーサンが「確かに注文されてます」と、それをふたたび持って来た。「ホントに」と僕は怪しみながらも、それを食べることにする。美味いことは美味いのだ。そしてごはんは遂に届かなかった。このようなことにいちいち激高をしているようでは、タイを楽しむことはできない。
スクムヴィット通りは上りも下りも大渋滞。トンロー通りは北から南へ下る車線のみ大渋滞。空港へのタクシーは、トンロー通りを南から北へ上がる車線で拾うと都合が良い。しかし雨が降ってきたこと、もうひとつはそれほど酔っていないことにより、空港へは鉄道で行くことにする。タイのタクシーやトゥクトゥクは、雨と同時に強気の料金を主張し始めることが多いからだ。
19:34 BTSスクムヴィット線の車両がトンローを発車。
19:51 その車両がパヤタイ着。
きのうはスワンナプーム空港で、僕の前に券売機に並んだ白人の女の子ふたりが、それで乗車用トークンを買うことを遂に諦めた。何が難しかったのだろう。
19:59 エアポートレイルリンクの車両がパヤタイを出発。満席ではあったものの、運良くマッカサンから座れる。
20:27 その車両がスワンナプーム着。
20:40 タイ航空のカウンターでチェックインを完了。
20:54 保安検査場を通過。
20:58 完全に自動化された出国審査場を通過。
21:05 サテライト棟へのシャトルトレインが発車。
21:07 その車両がサテライト棟に着。
21:15 107番ゲートに達する。搭乗券には22:05と示されている搭乗時刻が、こちらの電光掲示板では22時45分と示されている。
22:41 うたた寝をするうちあたりが騒がしくなって、それが搭乗のはじまりだった。
23:02 最後尾から3番目の通路側。70Hの席に荷物を置くと同時に洗面所へ行き、使い捨てカイロを腰に貼る。
朝飯 “La Petite Salil Sukhumvit Thonglor1″の朝のブッフェ其の一、其の二、其の三
昼飯 「東明」のバミーヘン
晩飯 “55 Pochana”のパムパッカイレーン、オースワン、ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)