2024.6.28 (金) きわめて満足をして
「雨が大変ですね」と販売係のカワカミナオさんに声をかけられたときには、ただの挨拶と解釈をして「そうだねー」と相槌を打った。ところが銀座線の構内から地上に出ると、雨は到底、梅雨のものとは思われず、まるで台風のときのそれのように、風を伴って地面に吹きつけていた。
より小さく軽い道具が現れれば、元の道具には戻れない。mont-bellの傘がその典型で、長く愛用したものから新しく出た最軽量のものに替えると、そればかりを持つようになった。最軽量だけあって骨は細く、広げた面積は小さく、生地も薄い。ウインドブレーカーは持っているものの、それは畳まれ、他の衣類と共にスタッフバッグに納められて、更にトートバッグの中にあるから、路上で取り出して羽織るわけにもいかない。6丁目までの数百メートルを歩くあいだにTシャツの肩から袖にかけて、またズボンの膝から下も濡れてしまった。
玉川奈々福の「浪花節で三十年記念の会」の会場はギンザシックス地下3階の観世能楽堂。開場の17時30分までは、きのうとおなじく6階のフードコートでアイスクリームを食べつつ本を読む。
「團十郎と亀甲縞」などの演目を聴いて、20時15分に会はお開き。現在の浪曲界の第一人者は玉川奈々福、二番手は弟弟子の玉川太福と僕は考えるけれど、どうだろう。
今度はぬかりなく、Tシャツにウインドブレーカーを重ねてギンザシックスの裏口から外へ出る。雨はいまだに降り続いている。ひとつ裏の通りに出て西へ歩く。予約が難しい店も、一順目の客の帰るころにフラリと顔を出せば、カウンターに席を作ってくれた。そうして2、3の肴で白ワイン1本を飲み、きわめて満足をして、ふたたび雨の街へと出て行く。
朝飯 トマトのスクランブルドエッグ、コーンドビーフとズッキーニのソテー、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、ズッキーニの味噌汁
昼飯 「カルフールキッチン」の新しょうが弁当
晩飯 “Bistro Le Nougat”のオリーブ、ウフ・マヨネーズ、パン、カーン風トリップのトマト煮込み、ムスカデ