2017.6.27 (火) タイ日記(6日目)
午前3時に目を覚ます。普段であればいそいそと起きて日記を書くところだ。しかし胃の痛みにより、起き上がる気力が湧かない。結局は外が完全に明るくなるまで横になって過ごす。今日は日本に帰る日だから、時間の管理はしっかりしなくてはいけない。部屋の直下に見えるタクシン橋の、トンブリー側から市内に向かう車線には、既にして大渋滞が起きている。
チャルンクルン通りの雑踏を歩いて、行きつけのクイティオ屋に入る。この店に来ると決まって「ルークチンは要らない」とか「この揚げ湯波は多めに入れて」などと注文をつける。しかし今回は気力が萎えているから、それについては何も言わず席に着く。
部屋に戻って荷造りをする。それからL階のプールへ行く。プールサイドではきのうに引き続き本は読まず、ただ寝椅子に横になっている。チェックアウトは正午。よって11時には部屋に引き上げようと考えていたところ、いつの間にか寝入り、気づくと11時30分になっていて、いささか慌てる。
正午すこし前にチェックアウトをし、スーツケースとザックをベルに預ける。パスポートと現金を納めた赤い袋はフロントに預ける。貴重品は金庫ではなく、フロント背後の壁の、腰板の出っ張りに置かれ、預かり証などは特に発行されない。あまり気持ちの良いものではないけれど、自分で持ち歩くよりは安全と考えてことである。
これから夕刻までは、どこかで時間をやり過ごさなくてはならない。先ずはチャルンクルン通りの停留所から1番のバスでリバーシティに出る。そして路上のガオラオ屋でガオラオの普通盛りを注文し、しかしライスは頼まない。「胃が痛くてもメシは食えるのか」と問われれば、ときどき襲ってくる胃痛と胃痛の間隙を縫って食べるのだ。
シープラヤの桟橋に、舟はなかなか来なかった。日中は、運行を極端に絞っているのだろう。サトーンの桟橋からふたたびチャルンクルン通りに出て、シーロム通りに行ける15番のバスを待つも、いつまでも来ない。よって”BTS”高架下のサトーン通りに回り、そこで来たバスに乗る。バスは残念ながら当方の希望を裏切り、ナラティワートラチャナカリン通りとの交差点で右折をしてしまった。仕方なく天井のボタンを押して、次の停留所で降りる。そして即、きびすを返す。
コンベント通りは街路樹の多い、バンコクにあっては洒落た通りだ。ここで何年か前に来たことのあるマッサージ屋に入り、タイマッサージを2時間、受ける。順番により割り当てられるマッサージ師は、色の黒いオバサンだった。
「出身は、イサーン?」
「そう。チャイヤプーン」
「チャイヤプーンって、どこ?」
「コラートのちかく」
「だったらそんなに遠くないね」
「バンコクから4時間」
「それはバスで?」
「そう」
「バスはエカマイから?」
「違う。モーチットマイ」
「あぁ、モーチットからね」
「田舎には年に何回かは帰るの?」
「年に2回。特に6月19日には毎年帰って、お父さんにお金を上げるの」
「バンコクの家は、どこ?」
「ラチャダー」
「駅は?」
「ファイクワン。そこから”MRT”でサラデーンまで通ってる」
「ファイクワンに大きな夜市が出るでしょ、まだ行けてないんだよ」
「あそこはもう寂れ加減。鉄道市場、知ってる?」
「うん、知ってる」
「賑わいは、あっちの方に移っちゃったわね」
ファイクワンの夜市が寂れ加減とは、残念なことだ。バンコクの夜市や屋台街は、ここ数年で離合集散が激しくなっている。
サパーンタクシンまではタクシーで戻り、雑貨の屋台が店を出し始めたsoi50を西に歩く。そして食べ物屋台の顔見知りに「ソーダと氷はあるかね」と確認をする。そこからホテルまでは、トンローあたりにある高級なそれとはまったく異なる、庶民的なショッピングセンターの中を通り抜けて戻る。
コモトリ君はコンドミニアムを17:30に出る舟で、サトーンには17時40分すこし過ぎに着いた。先ほどの屋台の席に着き、ソーダと氷を頼むと、ソーダは無いという。同じ場所で働いていても人により言うことが違うとは、タイでは良くあることだ。仕方なくセブンイレブンまで歩き、ソーダ3本を買う。
ソムタムは美味い。オースワンは大したことがない。そしてクンオップウンセンは、2度は頼む気がしない。ここではやはり、チムジュムに絞るのが良さそうだ。カオパッは僕は食べないけれど、とても量が多いので、米好きにはお薦めである。コモトリ君とはこの屋台街で別れ、僕はホテルで荷物を受け取る。
シーロム線の”BTS”がサパーンタクシンを発車したのは19時37分だった。その”BTS”をシーロムでスクムビット線に乗り換える。そして2駅先のパヤタイからは”ARL”に乗り換える。空港に向かう高速道路は、混む日はマッカサンのあたりまで渋滞する。しかし車窓から見る今日の高速道路にクルマは少ない。金曜日の午後から初更にかけて以外なら、タクシーを使っても問題は無いかも知れない。
20:38 スワンナプーム空港着
20:53 チェックインを完了
21:12 保安検査場を抜ける。
21:25 パスポートコントロールを抜ける。
21:45 僕の手持ちのカードでも使えるラウンジにてシャワーを浴びる。
22:35 ボーディング開始。最後部から2列目の”69J”の席に着く。
23:01 ”BOEING747-400″を機材とする”TG682″は、定刻に16分遅れて離陸。
23:07 ベルト着用のサインが消えたところで背もたれを最大限に倒す。
朝飯 チャルンクルン通りにある行きつけの店のセンヤイナム
昼飯 リバーシティ前の屋台のガオラオ
晩飯 バンラックの屋台街のソムタム、オースワン、クンオップウンセン、ラオカーオ(ソーダ割り)