2024.6.11 (火) タイ日記(9日目)
夜中に一度、汗だくになり、パジャマを脱いで裸になった記憶がある。きのうの就寝時に低速に設定した扇風機の風を、心地よく受ける。暑さは感じない。感じるのは暖かさのみだ。時刻は3時36分。「なんだ、冷房のあるホテルより長く寝られたじゃねぇか」と、自慢できることでもないのに、ひとり得意になる。
部屋に冷蔵庫はないから、卓上に置いた1.5リットルのペットボトルから生ぬるい水を飲む。きのうの日記は予想外に長くなり、書く時間もそれだけ長くかかった。暑さを感じてベランダのへの戸を開くと、外の方が気温は低い。よってその戸は開いたまま、廊下へ出るための扉もゴミ箱と革靴で挟んで開いたままにする。すると部屋には風が通り、存外に居心地が良くなった。
そのようなことをするうち、きのうの午後、膝をぶつけて怪我をしたベッドの鉄製の角に、またまた膝をぶつけてしまう。「うっ、またっ」と小さく叫びつつ膝に目を遣る。きのう傷を覆ったバンドエイドの、ちょうど傷の部分が破けて血も見えている。よってその穴の開いたバンドエイドを剥がし、アルコールは持参していなかったからイソジンで消毒し、新しいバンドエイドを貼る。そしてベッドの枠のその部分は「二度あることは三度ある」が起きないよう、スーツケースから取り出したエアキャップをあてがい、布テープで固定した。
腹が減っても食堂は8時30分からしか開かない。5階の部屋から78段の階段を降り、食堂には8時40分に入った。
きのうフロントにいたオバサンが、今朝はお運びをしている。そのオバサンにメニュを持って来てもらう。価格は意外や高く感じたものの、ひととおりのものを注文する。
フォークはオムレツ用とフルーツ用の2種類が置かれた。コーヒーは少ないと悲しいからポットで頼んだ。オムレツは、これまで見たことのない、平たい半月型をしていた。ベーコンはカリカリに焼くスタイル。トーストは1980年代のラッフルズホテルのそれを思い出させる焼き加減。ジャムは自家製。果物は「小」を選んでも、銀座や日本橋のフルーツパーラーの常識からすれば、信じがたいほどの量があった。
朝食の価格は、コーヒーが90バーツ、トーストが50バーツ、オムレツが50バーツ、4枚のベーコンが70バーツ、フルーツが80バーツの、計340バーツだった。チップは釣銭から20バーツをテーブルに残した。
朝の食堂にはフランス語を話すタイ人のオジサン、フランス人らしい女の人、それに白人の男の人の3名のみが客としていた。明日の朝食は、もうすこし軽くしても良いだろう。
11時15分にプールサイドに降りる。人は誰もいない。寝椅子と日除けを備えたプールサイドで本を読む、ということは僕が南の国でもっとも楽しみにしていることだ。それが旅の9日目にしてようやく実現する。ところでこのプールは、ロビーから庭を歩んで右側の水深は、呆気にとられるほど浅い。ところが築山のある逆の側は、恐らく2メートル以上の深さがある。子供を遊ばせるときには要注意である。また、プールサイドにはひどく荒れ果てたところもあるので、足元には注意をしたい。寝椅子では2時間ほども本が読めた。
14時15分に部屋を出る。soi2からスクムヴィットの大通りまでは、きのうの計測によれば徒歩で8分。距離は700メートルほどだろうか。とすれば最寄りのプルンチット駅までは1キロメートル。炎天下、よそ行きのシャツを着て、手にはラオカーオのニューボトルを納めたトートバッグを提げている。歩くにはいささか辛い。しばらく行くとモタサイの運転手が昼寝をしていた。よって声をかけ、プルンチットの駅まで行ってもらう。運転手の言い値は40バーツ。「高けぇな」と思ったけれど、20バーツ札2枚を手渡す。
プルンチットからサパーンタクシンまでは、サイアムで乗り換え。分かったつもりで来た車両に乗り込み、ふた駅先のアソークで、逆に乗ってしまったことに気づく。すぐに降りて向かい側のプラットフォームへ移り、サパーンタクシンには14時59分に着いた、。舟はサトーンの桟橋から15時10分の発。
コモトリケー君の部屋でしばし休んでから、川沿いの料理屋へ行く。河口までは数十キロメートルはあるだろうけれど、潮の香りが運ばれてくる。会食をするうち日はすっかり落ち、対岸のホテル、上がり下りする舟、また料理屋のそれぞれの灯火も、いつの間にか賑やかになった。
食後はコモトリ君の家に戻って小休止の後、同席してくださった方のクルマでホテルまで送っていただく。時刻は21時をこし回ったころと記憶をしている。
朝飯 “THE ATLANTA HOTEL”の食堂”AH!”のトースト、コーヒー、オムレツとベーコン、フルーツの盛り合わせ(小)
晩飯 “YO YOK RESTAURANT”のヤムウンセンプラムック、パットクンピックア、プーパッポンカリー、トードマンクン、プラーガポンヌンマナオ、カオパット、ラオカーオ”BANGYIKHAN”(ソーダ割り)