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清閑 PERSONAL DIARY

2024.5.14 (火) 趣味ではなくても

浅草の軽演劇出身の喜劇役者だっただろうか、むかしのことだから名前は忘れた。とにかくその芸能人による週刊誌のコラムを読んだ。それによればその人は、仕事で地方に出かけるときには、異なる趣味の新聞や雑誌をキヨスクで買って読むとのことだった。移動の最中はひまだから活字を読むくらいしかすることがない。その機会を逃さず未知の分野のことを知るのだという。

ソーマ歯科室での定期検診は、きのうのオーミヤナナサト眼科でのそれとおなじく異常は見あたらず、次は半年後と先生に告げられた。目や歯は眼福、口福に直結するものだから、僕は大切にしている。歯科室のある大井町から京浜東北線で移動した上野では公園口から外へ出た。

昨日とは打って変わった晴天ということもあるのだろう、上野公園の人出は大したものだった。公園の中にあるスターバックスコーヒーのテラス席は特に、外国人であふれていた。デ・キリコという画家は僕の趣味に合う人ではない。しかし冒頭に書いた、喜劇役者による示唆は忘れたことがないから、午後の数時間は、その鑑賞に充てた。

鮨を食べる、芝居を観る、相撲を見物する、本を読む、そのたびそれに対する詳細な感想をウェブログに書く人がいる。僕からすれば驚倒すべき能力である。子供のころから本を読むことは好きだった。しかし読書感想文は苦手だった。感想を書かなければならないということは、本読みが遊びではなく勉強や仕事になってしまう、ということだ。勉強や仕事なら、なるべくしたくないではないか。デ・キリコについての感想も、書けることは特にない。

上野駅の公園口から不忍口へ降りていく道はいつごろ整備されたのだろう。荒木経惟が「東京は、秋」で正面から大きく写した「聚楽」の跡地には”UENO3153″が建って、昔日の風景は綺麗さっぱり失われた。

それにしても、きのう今日と持ち時間は充分だから、普段ならいまだ仕事をしている時間から夕食にありつける。そうして19時台の下り特急に乗って21時すぎに帰宅する。


朝飯 「サンマルクカフェ」のパストラミポーク&野菜サンド、コーヒー
晩飯 「まつや」のわさびかまぼこ焼き鳥盛り蕎麦、燗酒


美味しいおうちごはんのウェブログ集はこちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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