2024.3.18 (月) しもつかり
「未知の味に挑戦した私はCOOLだ」との感想を「汁飯香の店 隠居うわさわ」のカードに残してくださった海外からのお客様がいらっしゃる。文化を異にするところへ旅をすれば「新しい天体」は次から次へと現れる。予定調和などぶっ飛ばせ、だ。
北関東の郷土料理「しもつかり」についての子供のころの記憶は無い。意識の端にのぼり始めたのは二十歳を過ぎてからだっただろうか。しかしその猫の吐瀉物のような見た目から、僕はそれに箸を伸ばすことはしなかった。
苦手な食べものが目の前に現れると「なにくそ」という気持ちになる。そして食べに食べて、それが好きになるまで自分を訓練する。しかし「しもつかり」にだけは、その気持ちが起きなかった。
これを食べられるようになったのは、27歳のとき遊びに行った家で無理強いをされたことがきっかけである。そのときの感想は「なんだ、美味めぇじゃねぇか」だった。以降はこれの作られる初午の季節が待ち遠しくなった。
旧暦の初午は、春の彼岸に重なる。冬至に重なるクリスマスがキリストの生誕以前から祝われていたらしいことと初午には、共通のものを感じる。これからしばらくは、夜は酒肴として、朝はおかずとして「しもつかり」を楽しむ日々が続くだろう。
朝飯 紅白なます、納豆、厚揚げ豆腐と小松菜の炊き合わせ、なめこのたまり炊、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、蕗のとうの天ぷらの味噌汁
昼飯 うどん
晩飯 「コスモス」のトマトとモッツァレラチーズのサラダ、カツレツ、Old Parr(お湯割り)、TIO PEPE、家に帰ってからのエクレア、Old Parr(生)