2017.6.10 (土) カードは1枚
食感に特徴のあるものが好きだ。蓴菜も、そのひとつである。この時期になると、その旬を報せるメールが秋田県能代市の天洋酒店から届く。すると僕はいそいそと、書記を務める日本酒の会「本酒会」で飲む酒と抱き合わせて、彼の地の蓴菜を注文する。
きのう届いた蓴菜は2袋だった。そのうちの1袋を、今朝は早くから熱湯にくぐらせ、次はすかさず氷水で冷まして下ごしらえをする。時刻はいまだ5時にもなっていない。
一服しつつメーラーを回すと「楽天カードから緊急のご連絡」というメールが、きのうの20時56分に入っていた。「カードが不正に利用された可能性の高いことが発見されたため、当該のカードは現在、利用できないよう設定した。至急、連絡を請う」というのが、そのメールの主な内容だった。
先ずは、このメールが本物なのか、あるいは詐欺なのかを調べる必要がある。しばし検索エンジンを駆使して、どうやら嘘ではないと判断をした。
朝食を済ませ、社員が出勤する前の事務室から「24時間受付」と添え書きされた電話番号に呼び出しをかける。係はすぐに応答した。訊かれるまま姓名と生年月日を答えると、端末を操作したらしい先方はすぐに当方の住所を口にし、これに誤りはないかと質した。
先方の説明によれば、大阪の店で2万数千円、東京の店で6千円相当の買い物が、僕のカードでされた、あるいはされつつあった。しかしシステムが異常を察知し、いまだ決済はされていないという。どちらの買い物も、僕の記憶には無い。
新たなカードの発行を提案されて了承する。新しいカードは2週間ほどで届くという。そのころ僕はタイにいる。ホテルは既に予約し、支払いも済ませている。しかしチェックインの際には、予約で用いたカードを提示するようフロントに求められることがある。そのときにはどうしようかと相談すると「身分照会だけの可能性が高いので、取りあえずは無効となった現在のカードを提出し、帰国後は即、そのカードは処分して欲しい」旨の示唆を受けた。
世間話のようにして「犯人は16桁のカード番号を、何らかの仕組みを用いて片端から高速で試したのだろうか」と訊くと「カード番号は誤ることなく入力をされている。多分、過去に使ったうちの、管理または警備の甘いところから盗まれた可能性が高い」とのことだった。
とにかく、僕のクレジットカードが無事で良かった。そしてこれから2週間は、カードによる支払いはできなくなる。カードは1枚しか持っていないけれど、特段の不便はないだろう。
朝飯 汲み上げ湯波、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、ニラともやしと鶏笹身の酢の物、茄子の煮びたし、鯵の南蛮漬け、納豆、メシ、蓴菜の味噌汁
昼飯 ざるラーメン
晩飯 “TIO PEPE”、蓴菜のビシソワーズ、パン、生ハムのムース、カプレーゼ、キウィ、鶏レバのソテーバルサミコソース、“Petit Chablis Billaud Simon 2015”