2023.8.24 (木) サイトー君のカゴ
処暑はきのう、過ぎた。この二十四節気の14番目について、検索エンジンのもっとも上に出てきたところには「厳しい暑さの峠を越したころ。 朝夕には涼しい風が吹き、虫の声が聞こえてくる。穀物が実り始めると同時に、台風も増え始める」とあった。確かにここ数日は、朝に冷房はおろか除湿の必要も感じない。肉体は確かに心地よい。しかし気分は大いによろしくない。
季節は夏がもっとも好き。秋は、その夏を過去に追いやってしまう点で、もっとも好まない季節だ。空の高いところに薄くある雲は見る気もしない。逆に積乱雲は、これが湧き上がると思わず見とれ、それを画像に残したくなる。
「汁飯香の店 隠居うわさわ」の床の間には、梅雨明けからこのかたずっと、緑の抽象画を掛けてきた。庭に咲く花とおなじ花を床に飾るのはつまらないことと、室礼の本にはある。それに従えば、庭の緑と呼応するような絵はつまらない、ということになる。しかし僕は、それを敢えてする。理由は「そうすることが好きだから」としか答えようはない。
夏の花は、サイトー君がくれた籠に活けることが多い。サイトー君について、僕は多くを知らない。ただし遡れば17年前に、僕はサイトー君についての文章をひとつ書いている。
趣味はカゴ集め、というサイトー君がくれた籠が床の間にあるあいだは何となく気分が良い。「秋にはなってもらいたくねぇな」と、強く思う。
朝飯 生のトマトを添えた目玉焼き、刻んだ茗荷を添えた揚げ茄子と揚げピーマン、納豆、モロヘイヤのたたき、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と大根の味噌汁
昼飯 茄子の揚げびたしを添えたざる素麺
晩飯 「食堂ニジコ」のあれや、これや、それや、他あれこれ、5種の日本酒(冷や)