2023.8.5 (土) 乳茸
「ちたけ」を変換すると「乳茸」と出る。これは、はじめからワードプロセッサに備わっていた言葉なのだろうか、それとも僕が辞書登録をしたものなのだろうか。
ウェブ上の情報によれば、乳茸は正しくは「ちちたけ」と呼ぶらしい。栃木県地方でしか食べられないキノコとも、そこには書かれている。
キノコは地域性の高い食べものだ。こちらの村では食べるものの、山ひとつを隔てた隣県では食べない、という種もあるらしい。
古代、中世、近世と、世が進むにつれて人やものの行き交いは増し、今や情報は、地球の裏側まで一瞬にして届く。そういう現在にあって、地域性の高さはとても魅力的だ。医療、福祉、その他もろもろの、人助けに類することの「どこもかしこも同じ」は素晴らしい。しかし特に衣食住の地域的な特性は「どこもかしこも同じ」でない方が面白い。
乳茸は、柄を折ったり傘を傷つけたりすると、そこから白い粘液が出る。キノコは、僕のような食感ヲタクを喜ばせる食材のひとつだ。しかし乳茸の食感だけはいただけない。数十年前のワインから引き抜いたコルクを噛んでみれば、それがすなわち乳茸の食感、ということになる。
乳茸は、茄子と炒めて醤油、酒、味醂、砂糖などで味を調えたときのみ輝く。それは、酒の肴やごはんのおかずとして優れるが、栃木県民は多く、これを蕎麦やうどんのつゆに使う。染み出るだしが独特なのだ。
そして昼は、7月31日に作ったつゆに茄子と乳茸の油炒めを沈め、この夏はじめての素麺を食べる。
朝飯 ピーマンの炒りつけ、冷や奴、納豆、菠薐草と海苔のおひたし、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、豚バラ肉のレモンバターソースとラタトゥイユの味噌汁
昼飯 茄子と乳茸の味噌炒りを添えたざる素麺
晩飯 オリーブ、2種のパン、茹でたウインナーソーセージとラタトゥイユを添えた豚バラ肉のレモンバターソース、Chablis Billaud Simon 2018、桃、SMIRNOFF VODKA(生)