2023.7.15 (土) 夏の空
「秋田県で記録的大雨。半日で平年1か月分の雨量」と、夜のテレビニュースが伝えている。画面には、集合住宅の駐車場のクルマの水没した様子が映し出され、続いて秋田県の各地に降る雨の強弱を示す地図があらわれた。僕の目はその北西部に吸い寄せられていく。
能代は茗荷の大産地だ。茗荷の出荷量は7月に最大となる。しかしその時期の上澤梅太郎商店は夏の贈答への対応で忙しい。8月は夏休みの帰省客や観光客への対応で忙しい。よって茗荷は9月に下ごしらえをする。そのころ市場に出まわる茗荷は能代産が多い。
能代に大雨が降ると、秋の茗荷は一気に不作となり、価格は高騰する。しかもその頻度は低くない。それに悩まされた僕は、2012年より茗荷の原材料を、市場を通さず、日光の農家から直に求めるようにした。以降、その供給量と価格は安定して現在に至っている。
茗荷は安定して買い入れられるようになったものの、大雨の被害はもちろん気にかかる。被災者の方々へは、心からの同情を禁じ得ない。雨は夜に静かに降り、その雨は朝に上がり、昼は強い陽光に恵まれ、午後の驟雨が乾いた土を潤す、夏の空にはそうあって欲しいものの、もちろん、思うようにはいかない。
朝飯 生のトマト、モロヘイヤのたたき、茄子の油炒め、「なめこのたまり炊」のなめこおろし、ごぼうのたまり漬、らっきょうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、若布と茗荷の味噌汁
昼飯 ミックスベリージャムのトースト、牛乳
晩飯 オリーブ、グレープフルーツとレタスと紫キャベツのサラダ、玉村豊男の「料理の四面体」冒頭に紹介されるベドウィン風シチュー、パン其の一、パン其の二、チーズ、CHATEAU LYNCH BAGES 1982、“Briest”のパリブレスト、Old Parr(生)