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清閑 PERSONAL DIARY

2023.7.12 (水) 入道雲を撮るだけのために

きのうのうちに完成させてあった一昨日の日記を公開したところで用を思い出し、洗面所へ行く。その狭い空間の、北東に面した窓の遮光カーテンを巻き上げて、今朝の空は、そちら方面が美しいことを知る。蝶つがいの関係により全面開放とはならないガラス越しにその景色を眺めるのはいかにも惜しい。そう考えて、屋上への階段を上がる。

屋上には涼しい風が吹いていた。山の端から数分前に昇ったと思われる朝日は、それほど眩しいものでもない。

極々みじかい、たとえば3時間ほどの睡眠で済む人は、夜の楽しさを味わうことも、また朝の美しさも愛でることもできる。しかし僕は、そういうわけにはいかない。もとより夜遊びには興味が無い。夜の楽しさにくらべて朝の喜びは、哄笑などを伴わない点で地味である。しかし朝にはなにか、豊穣の気味がある。

いま早朝に鳴く蝉はヒグラシだ。ヒグラシは夏の終わりを思わせる。しかし調べてみれば、実際には他の蝉に先駆けて、早いところでは6月の下旬から鳴き始めるという。

「一年中、夏ならいいな」と思うことがある。それとおなじく、無理は承知で「一日中、夏至のころの夜と朝のあいだの数分間だったらいいな」と考えることがある。しかし朝の静かさや美しさは舌の上の砂糖菓子のように、あるいはシャンペンの泡のように、すぐに消えてしまうのだ。

午後は、高速道路を乗り継いで取引先へ行く。帰途、入道雲の写真を撮るだけのために、パーキングエリアに立ち寄る。会社に戻ったのは15時30分。以降は普段の仕事に従う。そして残業をする事務係につき合って、20時すぎまで事務室にいる。


朝飯 大根おろしを添えた茄子とピーマンの油炒め、納豆、「なめこのたまり炊」のなめこおろし、モロヘイヤのたたき、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、大根の茎の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 夏野菜の冷やし素麺、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生)


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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