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清閑 PERSONAL DIARY

2023.7.10 (月) 元に戻るか戻らないか

4時を過ぎたところで屋上へ上がる。旧暦5月23日の月が天頂のちかくに出ている。街のあちらこちらに、まるで島のように残った林からは、鳥の鳴き交わす声が聞こえてくる。ときおり蝉の声も混じる。視線を転ずれば、里山の向こうには山があり、その奥にもまた山がある。その山と山のあいだ、つまり谷にはことごとく霧が降りている。

屋上からひとつ下の階の食堂に戻って「夏は夜と、清少納言は言ったけどなぁ」と考える。「夏はやっぱり朝じゃねぇのか」と思う。そして枕草子についてすこしばかり検索エンジンに頼り、興味を惹かれた本に行き当たるも「棚には未読があふれているじゃねぇか」と、それを注文しようとする気持ちを抑え込む。

3時台に起きれば時間は使い切れないほどにある。一時、これを「いちじ」ではなく「いっとき」と読んでいただくにはどう表記すべきか、とにかく一時、コンピュータを離れて本棚の前へ行く。読みさしの本は、今週の後半に予定している移動の、往路の途中で読み終えるだろう。とすれば、予備の1冊には何を選ぶべきか。「オレを読め」と呼びかけてくる本がハードカバーだと、荷物が重くなる点において、ちと辛い。

社員の親族の告別式に参列すべく、午後一番で黒いスーツを着る。昨年あたりまではベルトを必要としなかったスラックスが、今やベルトを欠いては腰まで落ちる。胴囲はここ1年で、6センチくらいは細くなったのではないか。食生活を振り返ってみれば、昨年と変わったのは、昼食が外食や、自家製のラーメン、カレーライス、お茶漬けなどから食パン2枚と牛乳になったのみだ。それだけで、これほど痩せるものだろうか。

コロナ以降のお通夜や告別式は、簡略を極めている。スペイン風邪のときと同様、コロナも、これが収まれば世界は元に戻るとの意見は多くあった。しかし葬式だけは、元には戻らないような気がする。

午後の中ごろより、降ったり晴れたり激しい雷雨になったりと、天気がめまぐるしく変わる。梅雨は雷に始まり雷に終わるという。九州北部から北陸沖にかけて延びる梅雨前線は、いつ去るだろう。


朝飯 「なめこのたまり炊」のなめこおろし、昆布の佃煮、鮭の「日光味噌のたまり浅漬けの素・朝露」漬け焼き、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトとズッキーニと若布の味噌汁
昼飯 ミックスベリージャムのトースト、牛乳
晩飯 菠薐草と海苔のおひたし、豚の薄切り肉とズッキーニのソテー、茄子の揚げびたし、細切り人参とミックスナッツの酢漬け、蕪のぬか漬け、刺身湯波の吸い物、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生)


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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