2017.5.26 (金) 心理的に歩ける距離
歩くことを厭わない人たちが暮らす場所へ行くと、しばらくするうち自分も慣れて、普段なら気の進まない距離でも、心理に何の痛痒も感じないまま歩くことができる。1980年、1982年に引き続いて訪ねた1991年のカトマンドゥでも、着いて何日かすると、ホテルから片道4キロの知人宅へも、夜、平気で歩いて出かけられるようになった。
今日は日本酒に特化した飲み会「本酒会」が、大谷向町の「玄蕎麦河童」で開かれる。地元の人にしか実感はできないだろうけれど、普段なら決して歩かない距離である。行きはクルマで帰りは代行車、あるいは往復ともタクシー、という手はある。しかし今月の小遣い帳は、既にして赤字を示している。
そういう次第にて18時55分に、傘を差して霧雨の中へと出ていく。春日町の交差点から会津西街道の坂を下り、東武日光線のガードをくぐると、それまで平らだった道はまたゆるい下りになって、今度はゆるい上りになる。このあたりの高低差は、クルマに乗っているときには気づかないほどのものだ。
大谷川に架かる数百メートルの橋の上は、冬はひどく寒い。しかし今は、その風が却って心地よい。この橋を渡りきり、左手に小学校や大型のスーパーマーケット、また警察署を過ぎてようやく、セブンイレブンのある交差点が見えてくる。
「玄蕎麦河童」の駐車場の砂利を踏みつつ信玄袋から”iPhone”を取り出し、家を出るときに設定したストップウォッチを見ると15分43秒が経っていた。僕の歩行速度は、一般にくらべてかなり高い。
21時を過ぎて、ふたたび傘を差して来た道を戻る。酔っていることと、往路とは逆に上りの距離の長いことが関係しているのだろう、要した時間は17分05秒だった。
朝飯 納豆、ハムとほうれん草と玉子のソテー、生のトマト、冷や奴、茄子と赤ピーマンの炒りつけ、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、揚げ湯波とズッキーニの味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 「玄蕎麦河童」の酒肴盛り合わせ、鴨の燻製とほうれん草のサラダ、空豆の炙り焼き、天ぷらの盛り合わせ、鴨汁蕎麦、4種の日本酒(冷や)