2023.6.27 (火) 腑に落ちないのは
大空に月と日が姿を現わしてこのかた
紅の美酒にまさるものはなかった。
腑に落ちないのは酒を売る人々のこと。
このよきものを売って何に替えようとか。
オマル・ハイヤームは、酒を売る人が腑に落ちないと詠んだ。僕は、メシが食えるにもかかわらず仕事をしている人が腑に落ちない。小学生のころから引退したかった。「いくらあったら利息で食べられるかな」とおばあちゃんに訊いて「そんな人生、つまらないよ」と諭されていた。
65歳から年金を受け始めた。市民税は年間で数千円にまで下がった。それでもなお自分は働いている。つまり自分で自分が腑に落ちない、という存在に、僕はなっている。仕事のできない水準まで肉体や知能が衰えない限り仕事から離れることができないとすれば、ちと辛い。
少々まじめな話をするため、終業後しばらくしてから外へ出る。「朱に交われば赤くなる」とはよくいったもので、周囲が真面目な人ばかりであれば、僕も、酒を飲んでもまともでいられるらしい。
ふと気づくと、新券と並券を交互に重ねた千円札が目の前にあった。帰宅して入浴し、明日の釣銭を作りながら寝落ちをしていたのだ。その千円札は食卓の脇へ重ね、即、寝室へ向かう。
朝飯 カレー、生玉子、大根のなますの梅肉和え、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、小松菜の味噌汁
昼飯 オレンジマーマレードのトースト、牛乳
晩飯 「やまだ宴楽」のあれや、これや、それや、他あれこれ、「渡邊佐平商店」の「清開自然醸純米」(燗)