2017.5.20 (土) われに五月を
バンコクの、南国の豊穣そのものの香草、路上の汁麺屋の鍋の湯気、オート三輪の排気ガスの3種の混じり合った匂いが好きだった。「好きだった」と過去形なのは、2009年8月に、およそ27年ぶりにタイを訪れてみると、それらが綺麗さっぱり失せていたからだ。それでも日本からの飛行機を降りてスワンナプーム空港に一歩を踏み入れたときには「あー、確かにタイだ」と、街のそれとは異なるものの、特有の匂いに一瞬、酔いしれた。
その、タイに一歩を記した際に聞いた匂いも、翌年からは特に気づかなくなった。鼻が慣れてしまったのだろうか、寂しいことだ。
日本では、街の匂いに特に敏感になることはない。ただし空気の質感が季節によって異なることには、僕は割と敏感である。
今は半袖のポロシャツに長袖のTシャツを着て生活をしている。その長袖のTシャツに、今日は袖を通さなかった。熱く乾いた空気を肌が欲したのだ。夏の湿熱も好きではあるけれど、5月の空気も大いに悪くない。梅雨はいつ来るのだろう。
朝飯 ほうれん草のソテー、トマトのサラダ、ハムエッグ、納豆、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、豆腐と三つ葉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 トマトとサラダ菜のサラダ、ジャガイモのガレット、細切り人参のソテーとクレソンを添えたビーフステーキ、“Petit Chablis Billaud Simon 2015”、“MAZIS CHAMBERTIN Hospices de Beaune 1985”、“Old Parr”(ソーダ割り)