2023.5.3 (水) ハワイのオモチャ
家内とハワイの景勝地で過ごしている。見晴らしの良い場所があって、数日前に続いて今日も来た。そこからホテルまでは緩い下り坂を歩く。その道は徐々に細くなり、しまいには海に消えてしまう。そこからふたたび道の現れるところまでは、波に身を任せて流されていく。
その道が、今日は先日よりも随分と手前から海に没している。つまり今日は波に流されている距離が長い。「大丈夫だろうか」と不安を感じつつ、とにかく波に乗る。途中「溺れて死ぬのではないか」と心配になるところもあったが、とにかく先ずは岸にちかい岩場に取りつくことができた。
岩場には、我々より先に辿り着いた男の人がいた。その人は日本人だった。「高輪のアキモトさんをご存じですか」と問うと「面識はありませんが、お名前だけは存じ上げています」と、その、普通のズボンと普通のワイシャツ姿の人は答えた。
ようよう海から道へ戻ると、割と大きめのお土産屋があった。お土産屋には、まぁ、名前は出さないけれど、同級生が働いていて、上下に動く台へ乗ることを僕に勧めた。料金は5ドル。気は進まなかったものの、折角だから、その50センチ四方ほどの台に乗ってみた。台は上下に動き、その手摺りのあたりにクイズの問題が書かれていた。その問いに僕は答えられない。台はやがて動きを止めた。
「残念賞はここにあるもの5つ」と、同級生が商品の陳列台を指した。そこにはプラスティック製の、つまらないオモチャがたくさん積んである。僕のスーツケースは機内持込用の大きさで、余計な荷物は増やしたくない。しかし5ドルをみすみす失うことは避けたいから、どうにかこうにか5つを選ぶ。そのうちのひとつは、しばらく前に、こちらも名は伏せた方が穏当だろうからはっきりとは書かない、とにかくひとりの勉強仲間からバンコクでもらったものだった。そして「そうか、彼もバンコクに来る前は、ハワイに立ち寄って、ここで遊んだんだな」と腑に落ちる。
そういう夢を見ながら目を覚ます。夢の中の空気感は、吉行淳之介の「湿った空乾いた空」のそれを感じさせた。時刻は4時50分だった。
朝飯 ゴボウと人参のきんぴら、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、納豆、目玉焼き、生のトマト、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、メシ、豆腐と三つ葉の味噌汁
昼飯 ソース焼きそば
晩飯 塩を振った苺、TIO PEPE、レタスとルッコラのサラダ、じゃがいもと人参の細切りソテーと「たまり漬」によるソースを添えたビーフステーキ、CHATEAU LAGRANGE 1986