2023.4.29 (土) 機内食考
タイ航空の深夜便では夜食が出る。大抵はパンとペットボトルの水だ。しかし乗客が眠っていたり、眠っているように見えれば、客室乗務員はテーブルを降ろし、それを置くことはしない。あるいはしないことの方が圧倒的に多かった。今回の往路は、眠っているあいだに置かれた丸パンを食べ、復路は、やはり眠っているあいだに置かれたサンドイッチは膝の前の物入れに移して手を付けなかった。
タイ航空の深夜便は、この夜食を出しながら、数時間後には朝食を出す。その時刻は出発からおおむね4時間30分を経たころで、いまだ未明である。これを日常に当てはめれば、朝の3時とか4時に眠っている脇で物音を立てられ、起こされ、フォアグラのガチョウやアヒルのように「さぁ、食え」と促される、ということだ。
羽田からバンコクまでの飛行時間は6時間。そのあいだに1食は軽食とはいえ2度も食事を供する必要性は、僕は感じない。夜食は丸ごと捨てられることが多いのではないか。そして機内食の食べ残しも少なくないことが想像される。
今回のタイ航空は、往復とも膝の前の物入れにゴミ袋は無かった。朝食前の、顔を拭くための蒸した不織布も配られなかった。経費節減のためと思われる。しかし経費削減は、大きなところから手を着けた方が効く。
2001年3月に使ったサイパン行きのノースウエスト機は、ビジネスクラスだったにもかかわらず、機内食はハンバーガーひとつだった。そして僕はそれを好もしく感じた。タイ国内で乗るタイスマイル航空の機内食は軽食で、これまで経験したのはミートソース入りのパン、ピラフ、ミートパイなどだ。これらもまた程が良くて、僕は好きだ。
日本からタイへ飛ぶ便の機内食は、いっそコンビニエンスストアのおむすびとお茶にしてはどうか。タイから日本へ飛ぶ便の機内食は、いっそカオゲーン風の弁当、それともタイ航空御用達のパン屋”Puff&Pie”のバンとコーヒーにしてはどうか。たかだか6時間ほどの飛行のあいだにパン、バター、ジャム、おかず、果物、ヨーグルト、ジュース、コーヒー、更にフォーク、ナイフ、スプーン、ティースプーンなどをお盆に無理やり載せた機内食は不要と思う。第一、食べづらくて仕方がない。
あるいはレガシーキャリアの機内食も、LCC並の選択制になれば、とても嬉しい。
朝飯 独活と人参のきんぴら、納豆、生玉子、揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトとブロッコリーの味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 トマトとレタスとルッコラのサラダ、2種のパン、鶏とマッシュルームのトマト煮、Chablis Billaud Simon 2018