2016.9.25 (日) 千灯供養
朝の空の美しさの頂点は、日の出の数十分ほども前にある。その「数十分」は季節ごとに変わる。今朝もその気配を感じて屋上に上がる。エレベータの機械室の庇から蜘蛛が、きのうとおなじ高さに糸を垂れている。
仏壇に2本の線香を上げて、線香入れが空になる。線香は有り難いことに、オフクロの初彼岸や初盆でいただいたものがいまだ潤沢にある。そのうちのひとつの箱を開け、中身のすべてを、食堂のテーブルの上で線香入れに満たす。線香入れはオヤジの、学生時代に亡くなった弟サブローが生前に作った陶器製で、多分、50数年間は、その勤めを果たし続けているはずだ。
夕刻、仕事の合間を縫って、日光市今市旧市街の南端にある追分地蔵尊におもむく。そしてひと月ほど前からお願いをしてあった、千灯供養の引換券を窓口に差し出す。僕の名の書かれた四角いぼんぼりは、その内側に蝋燭による灯りが仕込まれているけれど、いまだ夜に至らなければ、闇に浮かぶ、というわけにはいかない。
今年の夏は、これまでになく水を飲んだ。無意識のうちにからだが熱射病を避けていたのかも知れない。今日の夕刻は1週間ぶりか10日ぶりに蒸し暑く、それで2杯の冷水を飲んだ。そのためかどうか夜になっても腹が減らない。それを幸いとして食事は遅らせ、旅の荷物を造りはじめる。
朝飯 山椒の佃煮、ピーマンの焼きびたし、大根のぬか漬け、ゆかり、たまり漬「だんらん」、青唐辛子の炒め煮、メシ、里芋と長葱の味噌汁
昼飯 山椒の佃煮、胡瓜と大根のぬか漬け、唐辛子の炒め煮、明太子、ゆかり、たまり漬「だんらん」によるお茶漬け
晩飯 生ソーセージの中身とトマトとバジルのスパゲティ、”GEVREY CHAMBERTIN PIERRE ANDRE 2010″、チョコレートケーキ