2023.3.12 (日) 使わずとも捨てられず
廊下の北側の突き当たりは4階の中ではもっとも気温が低い。そこにはむかしの小学校の2人用の机ほどの大きさのテーブルがあり、10号くらいだろうか、オレンジ色の油彩画が立てかけられている。そのテーブルの上や下に、良くないことではあるけれど、ここ数ヶ月ほどは飲みさしのワインや、いまだ食べる余地のある鍋などを置いてきた。温度の低さを便利に使ってきた、というわけだ。そこから今朝はおとといのキムチ鍋の残りを台所へ持ち来て、それを味噌汁にした。これを美味いと感じるのだから、僕も安上がりである。
このところは晴れの天気が続き、朝の食卓に日が差す。それが僕を気分良くさせる。「キリストが生まれる遙か以前より、クリスマスは冬至として祝われてきた」は、良く分かる説だ。
出社時の社員の服装が数日前よりガラリと変わった。冬のそれから春のそれに変わったのだ。三寒四温は去ったのろうか。そしてたまさかの、ではなく本当の春が来たのだろうか。ただし今年の花粉はいかにもひどい。「花粉症はありますか」と訊かれるたび「ほとんど無いですね」と答える僕も、今年はそれ用の目薬を日に数度は差している。
午後、今は4階にある、そして秋より店に置く予定のライティングビューローの、中味をすべて取り出す。ダンヒルの新品のライター、おなじくダンヒルの新品のパイプが出てくる。それらの姿はいかにも良いけれど、使う人は永遠に現れないに違いない。
朝飯 白菜漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、キムチ鍋の残りによる味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 チーズ、TIO PEPE、スパゲティナポリタン、Chablis Billaud Simon 2018、アップルパイ