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清閑 PERSONAL DIARY

2023.3.8 (水) 伊豆治療紀行(14回目の2日目)

「腰が悪いなぁ、これじゃぁギックリ腰になっちゃうよ」と「伊豆高原痛みの専門整体院」のワタナベ先生は治療台にうつぶせた僕の、背中から腰の様子を一瞥するなり言った。実際には、鼻が邪魔にならないよう空間のある台に顔を押しつけているから「一瞥」がどうかは分からない。しかし肉屋にしろ魚屋にしろ、あるいは僕のような味噌屋にしろ、本職というものは大抵、見ただけで対象の状態を当てるものだ。

9,000ボルトの電子ペンを要所要所に突き立てつつ「腰が一番、痛いでしょ」と先生が問う。「いや、膝がやっぱり一番、痛いですよ」と、僕はうつぶせたまま答える。電子ペンの痛みは肉のないところ、たとえば靱帯などに打ち込まれるときがもっとも強いのだ。

施術後はきのうとおなじく、池入口の交差点から城ヶ崎海岸駅までの、1,100メートルの急坂を徒歩で下る。伊豆急行を熱海で東海道新幹線に乗り換え、東京駅で山手線に乗り換え、有楽町で降りる。

僕は人見知りもするが、物怖じもする。尻の割れ目が見えるほどズボンを落とした若い人が、黒服に白手袋の門番の立つ銀座のブランドショップに入っていく様子を見たりすると「度胸があるなぁ」と、心底ビックリする。

そういう性格から、銀座の和光には今年の1月12日、齢66にしてはじめて足を踏み入れた。そして昨年の秋より動かなくなったセイコーの時計を治しに出した。修理完了の連絡ははやくからもらっていたものの、東京を通過した先月の14日には、それを受け取る時間が作れなかった。

高価でもないソーラー電波時計はムーブメントを新品に交換され、磨き抜かれてプラスティック袋に収められていた。修理費用は18,150円だった。これをショルダーバッグに収めて後は4階へ上がり、スカーフやセーターを見る。中には気に入ったものもある。しかし僕は、高級な品は買えても使えない。それが汚れたり傷ついたりすることを恐れて死蔵してしまうのだ。「オレにはやはり、リトアニアの麻布とかユニクロのセーターが一番だわな」と考えつつ1階へ降り、外へ出る。

次男が待ち合わせの時間に遅れることはない。ふたりで夕食を摂りつつ近況を伝え合う。

浅草から乗った下り特急スペーシアが新鹿沼を過ぎるあたりから目が痒くなってくる。そして22時前に帰宅を果たす。


朝飯 「東急ハーヴェストクラブ伊東」の朝のブッフェ
昼飯 「小諸そば」の春告魚天そば、ライス
晩飯 「鳥ぎん本店」の焼き鳥あれこれ牡蠣釜飯鳥スープお新香ハーフ&ハーフ「沢の鶴」の「特撰純米酒」(燗)


美味しい朝食のウェブログ集は、こちら。

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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