2023.2.12 (日) 最良の、もっとも聡明な人々
昭和12年生まれの叔父サブローは子供のころから心臓が弱かった。喫緊の必要に迫られてはいなかったものの、健康になりたい一心により、青山学院大学に在学中の昭和34年に手術を受けて亡くなった。執刀した医師は「手術は成功だった。しかし経過が良くなかった」と語ったという。
新聞は店と事務室のあいだにある郵便受けに届く。6時前には届いているものと思われるが、その時間は大抵、コンピュータに向かっている。新聞は、昼食を摂りながら読むことが多い。
本日の日本経済新聞で僕の目を引き寄せたのは第3面。黒田東彦の跡を継いで日本銀行の総裁に就く植田和男の語録。曰く
「金融政策の効果が出なかったのはなぜか。様々な構造問題により日本の成長力が下がり、中立金利が低下したためだ」(22年5月、インタビュー「複眼」)
これを読んで僕は前述の「手術は成功だった。しかし経過が良くなかった」を思い出さないわけにはいかなかった。「最良の、もっとも聡明な人々」でさえ失敗の泥沼に嵌まる。それをデイヴィッド・ハルバースタムは「ベスト&ブライテスト」で丹念に語っていく。
上田和男には不退転の覚悟があるはずだ。それと共に、日銀総裁の力だけではどうにもならないことも知っている。それでも上田さんには「頼むぜ、ホント」と、声を大にして言いたい。
朝飯 きのうのカレー南蛮鍋の残りのぶっかけ飯、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 グリーンアスパラガスとマッシュルームとベーコンのスパゲティ、Petit Chablis Billaud Simon 2018、チョコレートケーキ、Old Parr(生)