2023.2.6 (月) ロシアに数時間
オデッサからロシアに密かに入り、ある重要なものを持ち出す。所要時間は数時間。出国後、安全な場所までのクルマの運転をしてくれれば有り難いと、白人の男に頼まれる。オデッサとロシアは国境を接していない。しかしロシア側はオデッサに入国管理事務所を置いている。男の言う「ロシア」が何を指しているのかは分からない。
事務所は高さ5メートルほどの崖の上にあり、地上からは、途中に踊り場を持つくの字型の階段で昇るようになっている。その階段は四角く切り出した大きな石で囲われ、まるで煙突の内部のようだ。階段を昇っていく男を見送ると、僕は地面に足を投げ出して座った。
待つうち、目の前に突然、スーツ姿のロシア人の男が立つ。僕は計画が頓挫したことを悟る。早くも尋問係が現れ、僕の太腿に馬乗りになる。その、女の子と呼んでも差し支えない若い係官は、なぜか全裸である。そして僕から聞き出したことを、メスのように鋭い鉄筆を用い、僕の、膝と太腿のあいだの皮膚に、ブルーブラックのインキで書いていく。インキは刺青のようにして、いつまでも残るだろう。
「それにしても、用意されるはずだった逃亡用のクルマは何だったのか、シトロエンのDSだったとすれば、あれは運転がしづらそうだ」と、絶体絶命の中で考えている。
そういう夢を見ながら目を覚ます。
朝飯 筑前煮、昆布の佃煮、納豆、生玉子、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、大根と万能葱の味噌汁
昼飯 トースト、ホットミルク
晩飯 刺身湯波の玉子とじ、めかぶの酢の物、椎茸と小松菜のおひたし、カリフラワーの酢の物、鰤大根、蕪戸胡瓜のぬか漬け、「渡邉佐平商店」の「尊徳」(燗)