2017.5.6 (土) 辿り着かない旅
むかし室謙二の「帰らない旅 スペイン・モロッコ・フィジー…」という本を持っていた。読んだはずだが内容は忘れた。甘木庵のちかくに住む医師のモリスミノブ先生に呼ばれて行ったら、おなじ本が応接間の本棚にあって「おっ」と思ったことは覚えている。モリ先生も旅が好きでいらした。
台湾のどこかの山から、ブレーキのみを備えた無蓋貨車、というよりも、いかだに鉄の車輪を付けただけのような車両に乗って降りてきた話を、モリ先生はそのとき僕にしてくださった。台湾も隨分と変わったことだろう、僕は台湾には1983年に1度、行ったきりである。
「帰らない旅」にはちと憧れるところもあるけれど、「辿り着かない旅」というのはどうだろう。動くベルトコンベアの上を逆に歩いて一向に前に進まないような焦燥を覚えるだろうか。しかしまた、目的の場所にたどり着く前に、それより面白いことに遭遇する偶然も、あるかも知れない。
「日光の街の手前で渋滞の中に2時間いて、諦めて戻ってきたんです」とおっしゃったきのうのお客様が「それより面白いことに遭遇」できたとすれば、僕はとても嬉しい。
朝飯 焼きトマトを添えたベーコンエッグ、納豆、揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、冷や奴、三つ葉のおひたし、らっきょうのたまり漬、たまり漬「おばあちゃんのホロホロふりかけ」、メシ、揚げ湯波とうるいの味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の塩焼きそば
晩飯 家のウォッカソーダ、「コスモス」のトマトトモツァレラチーズのサラダ、カツレツ、“TIO PEPE”