2022.12.25 (日) パリ、サイゴン、香港
文庫本1冊を携えシャム湾の砂浜でのんびりしていると、同級生のコモトリケー君が画像をLINEで送ってきた。文庫本は開高健の「開口閉口」だった。
いまだ朝日の差し込む前の食堂を出て応接間を横断し、本棚のある廊下へ行く。そして自分の「開口閉口」を引きだし食卓へ戻る。紐状のしおりをつまんで静かに開くと、そこは「男の収入の三分法」のページだった。
開高健が文章の舞台に選ぶ場所はパリとサイゴンと香港がもっぱらで、タイで書かれたものはさっぱり見あたらないと、たまたま数日前に考えていた。「男の収入の三分法」は、僕もその核心のところは覚えていたものの、読み直してみると、そこには「ふとしたことからチェンマイ王朝の外戚の一人である殿下と知り合いになり」とあった。
その「男の収入の三分法」を読み終え、次の短文の題名はといえば「バンコックの金言は万国共通だぞ」だから、これまたタイで書かれた、あるいはタイでのことを思い出しつつ書いたものだろう。「タイで書かれたものはさっぱり見あたらない」とは、とんだ記憶ちがいだったのだ。
それにしても開口の文章は古びない。あるいは僕の頭が開口の文章と共に古びつつあるのだろうか。今の若い人は、開高健は読むのだろうか。
朝飯 メシ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、冷蔵庫のあれこれを思いつくまま投入した味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 レタスとルッコラのサラダ、マカロニサラダ、カレーライス、らっきょうのたまり漬、Old Parr(お湯割り)、「松之助」のハミングバードケーキ、Old Parr(生)