2022.11.30 (水) ゆきぐに
枕の下を探るも、そこにiPhoneは無い。食堂のコンセントに繋いで充電をしたまま、寝室に持ち込むことを忘れたのだ。iPhoneが無ければ時刻を知ることができない。部屋の中が白んでいる。ということは、外は既にして明るみを帯び始めたのだろうか。美川憲一の歌ではないけれど、僕は夜と朝のあいだに起床したい。ほとんど音の無い環境で数時間を過ごしたいのだ。
起きて着替えて洗面所の扉を開く。明かりを点けると、低い戸棚の上のデジタル時計は3時44分を示していた。「良かった」と、顔を洗う。
起きる前の、部屋の薄明るさは何だったのだろう。と同時に「夜の底が白くなった」という有名な一節を思い出す。
青い空に入道雲を見上げると南の国へ行きたくなる。一方、雲の低く垂れ込めた暗鬱な空の下では、雪の厚く積もる場所へ行きたくなる。「雪国か」と考える。おとといの日記は書けている。きのうの日記も同じく。だから時間の余裕はとてもある。そこで検索エンジンに「雪国」と入れてみる。
川端康成が「雪国」を書いた旅館は「高半」。最寄り駅は越後湯沢。新幹線や有料特急を使ってはつまらないから、それらを外して「乗り換え案内」のボタンをクリックする。所要時間は5時間17分。「悪くないな」と感じる。かばんに入れる本は「そりゃぁ『雪国』で決まりでしょう」と思う。
朝飯 白菜の玉子とじ、揚げ湯波とひじきの甘辛煮、「なめこのたまり炊」の大根おろし和え、納豆、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬「小つぶちゃん」、ごぼうのたまり漬、メシ、トマトと若布の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」のエビ春雨丼(ごはん半分)
晩飯 揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、「なめこのたまり炊」の大根おろし和え、揚げ湯波とひじきの甘辛煮、千枚漬け、トマトと刻みキャベツとブロッコリーを添えたコロッケ、麦焼酎「こいむぎやわらか」(お湯割り)