2022.11.19 (土) 舌
子供のころ、風邪が治った朝は、とてつもなく爽快な気分が味わえた。これを僕以外の人も経験したことがあるかどうかは、訊いたことがないから分からない。
この気持ちの良さは残念ながら、あるときからいきなり訪れなくなった。そのあるときがいつだったかと振り返ってみれば、それは多分、小学校の高学年あるいは中学校の時分だったように思う。
大人になってから、その爽快感を数十年ぶりに得たことがあった。風邪気味にもかかわらず東京に出張し、一泊をした朝のことだった。次はそれからまた数十年後、新型コロナウイルスワクチンの、4回目の接種を受けて2日目の朝だった。そして今朝も、ごく弱いものではあったけれど、おなじ気分の良さがあった。体調が元に戻ったのだ。
6時30分、きのうから小鍋の水に沈ませておいた煮干しと昆布を掬い、捨てる。そしておかずを用意し、最後に味噌汁を完成させる。味噌の量は、慣れれば大抵は一発で決まる。食卓に着き、それをひとくち含んだ瞬間に、しかしいまだ復調していないことを悟った。「今日も元気だ、タバコが美味い」という戯れ言があるけれど、僕の場合は断然、味噌汁である。
舌はいまだ鈍くても、それ以外のところはまったく大丈夫だから、おととい以前の調子で仕事に復帰する。
朝飯 揚げ湯波と蕪の葉の炒り煮、揚げ湯波とひじきの甘辛煮、納豆、トマトと大根とハムのサラダ、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、若布と大根と揚げ玉の味噌汁
昼飯 ラーメン
晩飯 レタスとナッツとチーズのサラダ、パン、柿のジャム、カスレ、Chablis Billaud Simon 2018