2022.10.21 (金) 99/100
これまでとは店の忙しさが随分と違ってきた。毎夕に締めるキャッシュレジスターの数字だけでなく、用意した釣り銭の尽きる速度が高くなってきたことも、それを裏付けている。開店より前にいらっしゃるお客様、閉店して後、掃除をしている最中にいらっしゃるお客様が多くなるのも、また紅葉狩りの季節にはよくあることだ。
オヤジは時間外の仕事を努めて避けようとした。しかし僕は、どちらかといえば、それを好んでする。時間外の仕事とは、たとえば「ヨーイドン」の前から飛び出せるのだ。あるいは「ゲームセット」が宣言されてなお、勝負を続けることができるのだ。「トク」以外の何ものでもないではないか。
午前、銀行関係の仕事を片付けてから隠居へ赴き、田崎草雲の「厳菊之図」を床の間から降ろす。そして今月3日の日記に書いたとおり、谷文晁の「福神恵比寿之図」を掛ける。おととし頼んだ鑑定家はこれを真作と認めたが、果たして文晁がこのような漫画じみた絵を描くものだろうか。署名はいわゆる鳥文晁。弟子が使い放題にしていたという落款は大きな方形に陰文で「画仙」。文晁の作品は、100のうち99は贋作と言われている。
朝飯 茄子とピーマンとパプリカの味噌炒り、ベーコンエッグ、揚げ湯波と小松菜の炊き合わせ、秋刀魚の梅煮、胡瓜のぬか漬け、たまり漬「七種きざみあわせ・だんらん」、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、なめこと菠薐草の味噌汁
昼飯 カレーライス
晩飯 枝豆、白菜と豚肉ときのこの鍋、「梅屋」の昨年の蕎麦粉による盛り蕎麦、麦焼酎「こいむぎやわらか」(生)、薩摩芋と林檎の甘煮、Old Parr(生)