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清閑 PERSONAL DIARY

2017.4.25 (火) 先ず何を疑うべきか

町内役員親睦旅行に参加できなかった4名の、昨年度の積立金を納めた封筒および土産を手に、町内各地区のうち日光街道に沿った「中央」を回る。「西」のひとりは電話をしても応答が無かったため、返金は明日以降とする。「東」のひとりは帰宅が遅いため、返金はその隣家に住む自治会長に任せることとして封筒を預ける。

閉店が近くなったころ、事務室に隣接する研究開発室に浸水が発生したらしく、長男が懸命に床を拭いている。この部屋は僕の考えにより10年ほども前に新設をしたもので、その構造は見えないところまで頭に入っている。水の浸み出す場所を訊いて即、裏手の排水ピットに向かう。

ピットの鉄のフタを開けると、廃水は床の高さまで迫っていた。時刻は18時を過ぎている。これ以上、水を使わなければ、ピットの水が溢れることはないだろう。出入りのカトー興業には、明日の早い時間に来てもらおう。そう考えたところ、カトーさんには今すぐに連絡をしてみると、長男は電話番号帳のある製造現場へと向かい、戻って僕に、20時くらいになってしまうけれど、カトーさんは今夜のうちに来てくれると告げた。

そのカトーさんは、約束より早い19時20分に来てくれた。深更に及ぶ仕事に備えて夕食を摂っていた長男に代わり、僕が通用口を開け応対をする。カトーさんが先ず疑ったのは配電盤だった。そしてその配電盤には、異常は見つからなかった。

次にカトーさんが向かったのは、排水ピットの周辺である。なぜか外されていた電源コードを発見し、コンセントに差し込むと、ピットの液面は見る間に下がり始めた。答えは簡単だった。ピットのすぐ脇にある冷蔵ケースを今日は長男が整理整頓の上、拭き清めた。その際、霜取りのため引き抜いた複数の電源コードに、排水ポンプのそれも含まれていた、ということだ。

溢水に際して先ず排水ポンプの電源を疑ったカトーさんには「やっぱり本職は違うな」と、僕は大いに感心をした。カトーさんに手渡すための缶コーヒーを手に長男が自宅から降りてきたときには、カトーさんは既にして駐車場から去っていた。

一件落着の後は、月に1度の日本酒の会「本酒会」の会場「やぶ定」に向かう。10分の遅刻で済んだのは、まったくもって、カトーさんのお陰である。


朝飯 めんたいこ、塩豆と三つ葉の卵とじ、揚げ湯波と小松菜の淡味炊き、切り昆布の炒り煮、らっきょうのたまり漬、メシ、揚げ湯波とキャベツと長葱の味噌汁
昼飯 「食堂ニジコ」の塩焼きそば
晩飯 「やぶ定」の酒肴あれこれ盛り蕎麦、6種の日本酒(冷や)

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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