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清閑 PERSONAL DIARY

2017.4.21 (金) 準備

つい先日まで元気だった人がいきなり死ぬ、そのようなことを、子供のころから繰り返し目や耳にしてきた。そして僕のオフクロもまた、その例に漏れなかった。

葬儀のための着物や写真を、亡くなる10年も前からオフクロは家内に言づけていた、それを僕は、オフクロが亡くなって初めて知った。着物は兎に角として、遺影の準備をしておく人は少なくない。いきなり死ぬことが珍しくないならば、それも当然だろう。なぜか僕も、自分は突然、死にそうな予感がする。それも「駅の階段でつまづいて」というような、つまらない事故により、である。

葬儀などはしてもらわなくても構わないけれど、それでは遺された者の、世間への格好が付かない。そうであれば、やはりその準備はしておくべきだ。

遺影は今のところ、4年前にカトマンドゥの料理屋「ムスタンタカリチュロ」でハママイさんが撮ってくれた、facebookやLINEで使っているモノクロ画像で良いだろう。葬儀場に流してもらう音楽は、エイミー・ワインハウスの”HIDDEN TREASURES”が洒落ている。服は、上は分厚い木綿による長袖Tシャツ、下はユニクロの「ヴィンテージレギュラーフィットチノ」で結構だけれど「それでは世間体が…」と、遺族はためらうかも知れない。スカーフはリトアニア製の麻のタオル。靴は履き慣れたトリッペンで決まりだ。

取りあえずは、遺影用の画像だけでも長男に保管しておいてもらおうと思う。”HIDDEN TREASURES”は、渡してしまっては聴くことができないから、目立つところに置いておく。服は、チェストから適当なものを引っ張り出してくれれば、それでことは済むだろう。


朝飯 らっきょうのたまり漬、茄子の揚げだし、塩豆と三つ葉の卵とじ、生のトマトと茹でたハム、納豆、冷や奴、メシ、トマトと長葱の味噌汁
昼飯 「ふじや」の広東麺
晩飯 蕪の甘酢漬け、揚げ湯波とほうれん草の淡味炊き、鯵の干物、田芹の天ぷら、胡麻焼酎「紅乙女」(お湯割り)

  

上澤卓哉

上澤梅太郎商店・上澤卓哉

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