2022.8.20 (土) 雑用
「息子が配達に行ってこいと言うから行ってきたんだ」と、コップのビールを干しつつひと息ついたような顔で、その日のことを語った人がいる。仕事の大部分を次代に引継ぎ、自分は言われるまま雑用を務める身になったということを、その人は言外に語っていた。自営業者の、あらまほしき姿だと思う。
「雑な仕事を雑用と呼ぶ。雑用も身を入れてすれば、それは雑用でなくなる」とは、巷間よく目にするところの、いわゆる「いい話」だ。一方「自分は会社の雑用係」と述べた、いまだ若かったころの同級生ノリマツヒサト君に「君、雑用は大切だよ」と声をかけ、共働学舎のミヤジマシンイチロー先生は励ましたという。
香港の粥屋では品書きに「雑」の文字を探すことが常だった。その粥が僕は好きなのだ。もちろん、雑に作られたものではない。
「DMの宛先はいつ、特定しますか」と先日、事務係のカワタユキさんに訊かれた。「オレは検索職人のようなものだから、若い人が時期を決めてくれれば、それに従うだけだよ」と、僕は答えた。
9月14日(水)から26日(月)まで新宿高島屋に、10月26日(水)から31日(月)までは日本橋高島屋に、それぞれ出店をする。両者の日程はそれほど離れてない。よって今回は剥離式のハガキで同時にお知らせをすることとした。そのお送り先の顧客名簿からの抽出を、午前に行う。
この仕事の手順は非常に複雑であり、またこれに当たるたび、より良い方法を採り入れ、更新し続けている。作業には1時間20分を要した。その結果を午後一番に、3人の事務係に配布する。
朝飯 隠元豆の胡麻和え、茄子の揚げびたし、納豆、めかぶの酢の物、蛍烏賊の沖漬け、なめこのたまり炊、らっきょうのたまり漬、ごぼうのたまり漬、メシ、肉団子とピーマンの味噌汁
昼飯 素麺
晩飯 トマトとレタスのサラダ、スパゲティボロネーゼ、Chablis Billaud Simon 2015